墜ちてゆく男

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制作 : Don DeLillo  上岡 伸雄 
  • 新潮社 (2009年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105418052

墜ちてゆく男の感想・レビュー・書評

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  •  小説ラストの、テロリストからキースへの意識の転換はすごいなと思った。またラストと冒頭がしっかりつながっており、冒頭で妻の前に現れたとき〈顔も服も血まみれ〉だったキースが誰の血をかぶっていたのか、タワーで何を目撃したのか、落ちる男は誰だったのかが最後の数ページで明かされていて全部がつながり、おもしろい。
     私小説のような形で同時多発テロを描いているので、〈個人〉に襲い掛かった9.11を丹念に追えて良かった。最後に上空からひらひらと落ちてくるシャツの描写が圧巻だった。キースの中に死者ラムジーが食いこんだ瞬間だと思う。

  • 9.11が各個人にどのような変化をもたらしたかを、以前と以後を対照させながら描いていきます。あの出来事を小説家が描くとこうなるということに納得させられました。

    これだけの技量があると、あの出来事が各個人に変化をもたらしたのか、あの出来事が各個人の本性をあらわにしたのか、わからなくなります。冒頭と結末のつばがり、そして結末での視点の転換など、現実の出来事を題材にしても、やはり小説として読み応えがあります。

  •  ビルから墜ちてゆく男、ブリーフケース、ビル・ロートン、パフォーマンスアーティスト、ポーカーゲーム、セッション、ドイツ過激派、記憶…。

    「ただ、あれは“以前”のことだし、今は“以後”なんだ」(p286)。

  • 9.11後のアメリカを真正面から描き切ったドン・デリーロの問題作。冒頭、テロに巻き込まれ訳がわからないままダウンタウンから避難する主人公の描写は、脳内にその映像が浮かんでくるほどリアルで生々しい。このとき主人公は思考が停止して何も考えられない状態に陥っているのだが、未曾有のテロに巻き込まれたときの人間の反応というのは実際こういう風なのだろうと思った。
    また、上岡氏の訳者解説にある通り、旅客機がツインタワーに突っ込む瞬間テロリストと主人公がクロスオーバーする描き方は鳥肌が立つほど巧い

  • 9.11を題材にしたことに興味を持ったが、出版は2009年、タイムリーではない読書。事件をパーソナルに捉えた物語でやや分かりにくいが、ツインタワーの描写は異様に生々しく、つい最近の出来事だったことを思わせる。

  • この本好きだー!彼と彼女というシンプルな主語の使い分けから、イメージが他の登場人へと広がっていく感じがしたし、日常を描くことによって、9・11のシーンが現実的に感じられたなぁ・・・。時間軸の描き方が柔軟なところも良かった!

  • この小説についてなにか話そうとすると、どうしてものどに何かひっかかって、うまく言葉がでない。
    でも、とても好きな小説で、何度も読みたくなる。
    あの日、あの街、あのビル、あの飛行機、そこで失った全てを、生まれた何かを、もう少し深く知りたい。

  • 2009/11/25購入
    2010/1/18読了

  • 群像2009年5月号書評より

    新潮2009年5月号書評より

  • 911テロをベースとした小説。日経・朝日で同時に書評が載ったため思わず購入した。
    テロを経験した主人公は別居中の妻の元に、被害に遭った姿のまま現れる。ストーリーはここから始まる。
    この本を通してテロ後のアメリカの心境が初めてわかった気がする。
    なんとも言えぬ喪失感、所属する場所を失った虚無感、その全てがこの本を覆っている。
    あのテロを目にした人、誰もが読んで欲しい。

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墜ちてゆく男の作品紹介

2001年9月11日、世界貿易センタービルは崩壊する。窓外には落ちる人影。凍りつく時間。狂乱と混沌。愛人をつくり、ポーカーに明け暮れ、何かから逃走するように生きてきたエリート・ビジネスマン、キースはその壮絶なカタストロフを生き延びる。妻と息子の元に帰った彼は新しい生へと踏み出すかに見えたが-。現代アメリカ文学を代表する作家が初めて「あの日」とその後を描く。全米の注視を浴びながら刊行され、大きな話題を呼んだ「あの日」への返歌、新たなる代表作。

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