我が父サリンジャー

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制作 : Margaret A. Salinger  亀井 よし子 
  • 新潮社 (2003年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (527ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105430016

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我が父サリンジャーの感想・レビュー・書評

  • サリンジャーのファンは読まない方がいいかもしれない、と思うほど実像が酷いと感じた。作者と作品を切り離して評価するべきだという考え方には同意するが、ここまで紐付けされるとなかなか難しい。

    【以下、内容詳細含む】

    少し擁護するならば、サリンジャーはユダヤ系とスコットランド=アイルランド系のハーフであることから反ユダヤ主義の吹き荒れる時代に被害者になり切ることもできず根無し草であったこと、ユダヤ系家庭の長男として神のように扱われていたこと、戦争に志願してノルマンディー上陸作戦をはじめとする凄惨な体験を数多くし抑鬱的になったことなど同情すべき点は多いし、作品は今でもやはり素晴らしい。しかしそれらを考慮しても、あまりにも自己中心的でナルシスト、次から次へとカルト宗教にハマって家族を振り回し、女性差別・人種差別を平気で行い、少女くらいの年齢の女性との結婚を繰り返すなど呆れるような欠点が多い。そんなサリンジャーと結婚したことで母も病み、娘である著者を虐待したり、サリンジャーと離婚した後に次から次に大学生を家に連れ込んだり、これまた虐待としか思えないような寄宿学校に著者を追いやったりと目を覆うような状況……。救われるのは、著者が自己憐憫に陥らず、分析的に自分や両親を捉えていること(息子を持って家の歴史を紐解いて理解しようとすることが動機だったので当然だが)、誰のことも憎んでいないことだろう。また素直な感情をさらけ出しているのも好感度が高く、サリンジャーの娘らしく文章も上手いので読みやすかった。サリンジャーも娘を溺愛していることは間違いないが、彼なりの愛し方しかできないことが伝わってくる。謎に包まれた作家の私生活(ケネス・スラウェンスキー『サリンジャー』との併読をお勧め)を覗き見するという欲求はもちろん、60〜70年代のアメリカ史(カルトブーム含む)として、またアダルトチルドレンの告白としてもとても面白い読み物だった。

  • サリンジャーの娘さんが当時すでに隠遁生活をしていた父について書いた本。彼の結婚やコーニッシュへの隠遁の理由など、知られざる背景なども知れて興味深い。
    訪ねてきた学生とのエピソードなども良かった。

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我が父サリンジャーの作品紹介

今でも隠遁生活を続けているアメリカ文学の巨匠サリンジャー。多くの謎に包まれたその素顔は…?父の実像をすべて明らかにした娘の回想録。

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