- Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105447014
作品紹介・あらすじ
1865年。南北戦争の傷痕も生々しいボストンとケンブリッジで、猟奇殺人が続発する。犯行の手口が表わす意味に気づいたのは"ダンテ・クラブ"-詩人ロングフェローを中心とする文壇の重鎮たちだけだった。『神曲』初のアメリカ版翻訳を終えようとする彼らに挑むかのように、犯人は『地獄篇』に描かれた劫罰を模していたのだ。誰も知らないはずの作品の模倣犯-自分たちへの嫌疑はもとより、さらなる凶行の可能性、ダンテのアメリカにおける未来に危機感を抱いたクラブのメンバーたちは象牙の塔を飛び出し、知力を結集して巷間に犯人を追う。
感想・レビュー・書評
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過去に読んだ本。
めちゃ面白かった!!
ダン・ブラウンの「インフェルノ」を読み、ダンテの「神曲」に興味を持って、この本を図書館で見つけた気がする。(いやいや、まずダンテの「神曲」を読めや。)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ダビンチ・コードの裏でヒットした作品らしい。
舞台は南北戦争終了後のボストン。ダンテの神曲と言っても全然知らんのだがそこに書かれている地獄で罪人が受ける罰をモチーフにした連続殺人が起こり、アメリカで最初に神曲を翻訳した詩人のロングワースとそれに協力したダンテ・クラブと言う実在の人物が主人公。作者も舞台になったハーヴァード大学の英米文学卒の講師ででダンテ研究が専門。
380ページで2段組と重いです。序盤は物語に入って行けずやや苦労した。個人的にはダビンチ・コードの方がスピード感が有って好き。-
2024/04/19
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2024/04/19
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物語を書くことに精通した人、ではない人が書いた本であることは確かだ。物語の進み方がたどたどしい。これは翻訳者の問題ではなく、原文のせいだろう。もっともそんなことを思うのは速読可能なダン・ブラウン著「天使と悪魔」と比べてしまうからかもしれない。「天使と悪魔」と似て非なる本だが、そうほめるほどのこともないような気がする。共通するのは、よく調べました、ということか。もっともパールさんは本当のダンテの研究者だから当然のことなのかもしれない。
進展のない部分をばっさりと捨て、最後のもたつきも削るとダン・ブラウンになるんだろうなと思いながら読んだ。なんだか不毛な読書だ。
読者のことを考えているようでダンテも神曲も知識は不要に作られている。それは意識したようだ。でもそれがいいことなのかどうかは別のことだ。多分神曲に関する知識は必要、としておいた方がよかったと思う。そうしなかった分、どうしても軽くなる。説明が長くなる。そこが致命的かもしれない。個人的には平沢弥一郎編訳「絵で読むダンテ『神曲』地獄篇」が訳に立った。この本を横に置いて読み進むとすぐに参照出来て事件の先を読むことが出来た。
とはいえ、読み終えてほっとしている。この著者は次の本は書けないのではないか、と思う。学究の世界に戻った方がいい。 -
ロングフェロー、ホームズ、ローウェルが実在の人物だったとは!連続殺人事件はフィクションだろうが、それだけ良くも悪くも心に響き、原動力になり得るような作品を書いたダンテはすごい。
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本格ミステリを期待して買ったので、ちょっと期待はずれかな。
どちらかというと、文学的。
途中で何度か挫折しかけたけど、
ちょうど良い具合に新しい殺人が起きるので
何とか読みきれましたw
ただ、実際の人物を(しかも集団で)
このような形で小説にできるという点では
非常に優れた作品だと思う。
生半可な時代検証ではできない技です。
ダンテの『神曲』やロングフェローの詩を
読んでみたくなりました。 -
ダンテ「神曲」の見立て殺人が起こるミステリ。と聞いて見立て殺人大好物の私は飛びつきました。……うわあ、とんでもない殺され方だなあこれは。蛆が嫌です……インパクト抜群。
でもメインは「歴史ミステリ」のようで。「神曲」の翻訳を巡るあれこれの事情が読みどころ。少し小難しいですけどね(苦笑)。
「神曲」の内容は知らなくてもあまり問題なし。これを読むと、どんなものなのか気になりました。 -
南北戦争後のアメリカ。「汝ら われをくぐる者 いっさいの望みを捨てよ」
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人格者たるロングフェローを中心に、50〜60代の学者たちの友情がよい。
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思っていたほどではなかった…
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ダヴィンチの著者も絶賛!の帯につられ購入。
アメリカの時代背景がわからないから入り込みづらかったけど。物語の流れが面白いので、すぐに読みきりました。
そういや、映画のセブンと似てる?かな。 -
なげー。そして普通。前半は基礎。地獄篇を読んだ今、もう一度読んでみたいが読む気は起こらないであろう。
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やっと読み終わりました・・・
しかし、時間、かかったなぁ〜
ダ・ヴィンチコード(上下)天使と悪魔(上下)とここんとこ長編ずいてはいたものの、これには梃子摺った・・・・・
云うならば『中々、肉に到達しない皮の厚い肉まん』って感じ?
小麦粉は好きですが、配分って大事でしょう。
核心のお肉に到達する前に私を満腹にしてどうするんですか・・って感じでした。
それでも食いしん坊の私は最後までベルトコンベアーのように口に運びましたが、果たしてこの行動は意味があったのか・・・・
決して長編は嫌いじゃないです。むしろ好きです。
しかし、今回は『ショーロンポウでいただけるものは肉まんにする必要はないのではないの?』と感じてしまいましたぁ・・・・・
三作読んで比べていいのだとしたら『天使と悪魔』がダントツ、面白かったです!
ダンテの神曲は読もうと思いませんでしたが、ワーズワースの詩集を一冊買いました。
一つの本から枝分かれするのって好きです。 -
普通に面白かった。
ただリズムがイマイチで、なるほどダ・ヴィンチ・コードの方が売れるわけよね。
ダンテの神曲の地獄編は途中で読めなくなった記憶があるからそれを一生懸命訳す苦労というのはすごいものがありますよね・・。 -
ダンテの『神曲』をなぞる猟奇殺人事件を実在したダンテクラブが解決に奔走する話。
時代は南北戦争が終わったばかりのボストン。当時のアメリカの事情とダンテ神曲に関する知識が無くても楽しめますが、有ったほうが更に楽しめるでしょう。 -
正直、エンターテイメントとして『ダヴィンチコード』と比較されるのは気の毒になってくる。無理にミステリ仕立てにしたような違和感が。
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ダンテの地獄編に出てくる劫罰を模した連続殺人事件が発生、折しもイタリア語から英語に翻訳している作家チーム「ダンテクラブ」の面々が犯人の模倣に気づき、知識を総結集して犯人に戦いを挑むという話し。ダンtねの神曲を読んでなくても面白いです。読んでればもっと面白いです。というわけで、ダンテの神曲を読もう!!
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「19世紀、南北戦争直後のアメリカ。
詩人のロングフェローを中心として、
ホームズ、ローウェル、グリーン、フィールズの五人が集まり、
初のアメリカ版『神曲』を翻訳出版しようとする、「ダンテクラブ」という会合を開いていた。
順調に翻訳作業は進む一方、
国内文学の保護者を自認するハーヴァード大学はダンテの翻訳を妨害する。
そんな中、判事が全身を蛆に食べられながら緩慢に死ぬという殺人事件が起きる。
続いて、牧師が両足を蝋燭のように燃やされて殺される。
今だかつてない残酷で異様な殺人に警察の捜査は進まないが、
ダンテクラブは、それが『神曲』の地獄を模した殺人だと気づく。
まだアメリカでは翻訳されていない現状で、
自分たち以上にダンテに詳しい者がいるとは考えられない。。
これが明るみに出ればダンテ反対派の格好の餌食になるばかりか、
自分たちが容疑者となってしまう!
さらに、まだ殺人は続くはず。
ダンテクラブは独自の捜査に乗り出す!」
全く知らなかったんだけど、「ダンテクラブ」とその活動は実在したそうだ。
そんなわけで、主人公たちも実在の文学者。
さらに、キャラクターや出来事、台詞も当時の書簡などから取っているとか。
凄い〜!と思ったら、作者はダンテ賞を獲っている研究者。どうりで(笑)
ミステリは詳しくないから、断言できないけど、仕掛けとかは、けっこう普通のミステリかな。
ただ、その情報量は濃密。
『ダ・ヴィンチ・コード』よりも人に話したくなるようなトリビアは少ないけど、
ダンテと19世紀アメリカ知識は増えると思う。
そのせいか、なかなか読み終わらなかった。
恥ずかしながら、『神曲』読んだことないんだけど、読んでみたくなる。
ダンテクラブの面々がなかなか覚えられない上、あまり愛着がわかなかったんだけど、
初の黒人刑事レイが普通に主人公っぽくてお気に入り。
脳内でルイ・マシュンゴに自動変換(声も)。
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(メモ)新潮社「波」2004.9 「代理戦争!!ダ・ヴィンチ対ダンて」「『ダンテ』の会話には筆者が当時の会話などを巧く使っているんですね」