ジャイアンツ・ハウス (Shinchosha CREST BOOKS)

  • 新潮社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900113

感想・レビュー・書評

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  • 巨人症の少年と、人付き合いの苦手な司書の物語。
    司書は少年を愛するが、その気持ちに気がつくのは遅く、対応は不器用。
    少年の看病をしつつ、彼が衰弱していることに意識が向かず、彼を失う。
    この一連の流れは、私自身が介護をしているため、あまりにリアルで、悲しい。
    彼女がもう一度恋愛をしたら、今度はもっといい恋愛ができるのではないかと思うけれど、彼女は二度と恋をしない。その一度きりの恋に殉じて生きていく。
    少年を失った彼女の喪失感が、私自身の立場と重なりすぎる。誰かを失いかけているときに読むときつい。
    が、本としてはいい本。

  •  堅物な女性司書ペギーと巨人症のジェイムズ少年の紛れもないラブストーリー。至るところに恋愛要素が散りばめられてあったりロマンチックだったりするわけでは決してないけれど、二人がゆっくりと不器用に思いあっている様子は確かに作者が銘打つように"ロマンス"だと感じ、心温まった。と同時に、逃れようもない悲劇が頁数と共にだんだんと近付いていくのが分かるのは切なくて悲しかった。最後のペギーの行動は驚いたけれど気持ちは分かるような気もして、素敵なハッピーエンドだと思う。

  • 友人にずっと長い間借りていた本です。
    どれぐらい長いかって言うと…何年?…ごめん。
    家の居間にある本棚に並んでいて『え、コレもしかして…』と引き出すまで気づきませんでした。本当にごめんですよ。ちなみにもう一冊借りっぱなしの本があるんだなあ… 

    一風変わったロマンス、なんでしょうか。登場人物はいたって真面目に毎日を過ごしているのでしょうけれどもだからこそ第三者は面白い、そんなところありますよね。主人公のペギーはよくも悪くも自己完結な人で、確かに彼女ならばこんな形でも生きていけるのかなあ、なんて思いました。が、実際問題死ぬほど好きな相手が死んでしまったからと言って自分も一緒に(自殺以外で)死後の世界に旅立てるわけではないのですから。
    どちらにせよ、女性の方が強かでたくましい。男性はどこか夢見がちで頼りない。そんな感想を持ちました。面白かったです。

  • 不器用な主人公マギーと身長が伸びつづける病気に侵されたジェイムズ。かなり終りのほうになるまで不器用すぎて2人の気持ちに気づかない。でも終りにきて初めて2人の思いの深さを知るのです。作者はこの本をロマンスとして発表したのが最後まで読めば理解できるのです。

  • 「わたしは司書、影のような。彼は少年、巨人症の。…」

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