朗読者 (Shinchosha CREST BOOKS)

  • 新潮社
3.66
  • (104)
  • (136)
  • (194)
  • (18)
  • (10)
本棚登録 : 1088
感想 : 132
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900182

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • あなたが愛した人が、戦争犯罪者だったらどうしますか?

    過去の克服は存在しない。 しかし過去が現在においてどのような問いや感情を引き起こすかを意識しつつ生きる生というものは存在する。

    B.シュリンク

  • 15歳の主人公と22歳も年上の女性との恋愛。女性(ハンナ)は突然失踪し、主人公はハンナの過去と対面することに。
    文盲であったハンナ。朗読テープを刑務所に送り続けた主人公。
    ハンナの最期をどう受け止めるか。ナチスの罪をどう裁き、どう受け入れるか――という命題も含み、考えさせられる本。
    あとがきに「二度読むと違う感想を抱くだろう」とあった。その通りだと思う。もう一度読んでみよう。

  • 大人の、真実の、愛。

  • 映画「愛を読むひと」を見る機会を逸してしまった。
    ただ,原作の感動があまりに大きかった場合,幻滅は免れないのでは,と。



  • 【090802】縁と月日の末を待て


    :::::::::::::::::::::::::


    「ぼく」は独逸の大学で法律学を修め、司法修習生の時に結婚しました。
    妻の名前は“ゲルトルート(Gertrud)”で、結局は「ぼく」と別れることになります。
    そうでなくてはなりません。

    シュリンクは旧東独フンボルト大学の教授でした。
    当然、デンマークに生まれた巨匠について周知だったこととおもいます。
    独逸第三帝国の影。背筋の伸びた女性。
    妻の名もまたその遺作へのオマージュでしょう。


    しとねでの読書会。女はそんな話をした。


    私はハンナと同じなのかもしれません。
    行く末は月日が定めてくれるでしょう。
    その日までこうして読み続けられれば私はしあわせです。


  • 読み進めるほどに一つ一つの文章が重く、熱くのしかかってくるみたいだ。
    本を読んでこんな気持ちになったのは久しぶりだ。

    ナチスにまつわる本は他にいくらでもあるが、
    この本がこんなにも多くの人をとらえた理由は、
    細やかな人物描写にあるのだろう。
    この物語を悲劇と呼んでいいのか私には分からない。
    ただ、読み終わった後に残るものが単なる悲しみだけでないことは確かだ。

  • 2009/07/01
    映画「愛を読む人」を観てから読んだ。

  • 胸を打たれるとはこのことかと思いました。
    読んだ後とても胸がくるしくなりました。
    15歳と37歳の恋愛と聞けば、実際はあまり美しいものではないように感じます。むしろ卑猥な空気が隠せないような気もします。
    でも、このお話の二人には安易な話に終われない暗い事実がありました。
    どこでどう間違ったわけでもないし、たとえ主人公が思うように行動を起こしていても結局何も変わらなかったと思います。
    裁判中のハンナの言葉「あなたならどうしましたか」が胸にささります。とても残酷な行為したかもしれないけど、ただ任務を遂行していたことも事実であり、私に言えることは決して同じ過ちを繰り返さないようにしたいということだけです。
    ハンナは主人公にどういう想いを抱いていたのでしょうか、愛していたのか、まるで弟のように愛おしかったのか。
    読んだあともこのお話をめぐる思いがなかなか消えません。読んだ人と話し合いたい!!

  • 年上の女性との恋愛が残した刻印。思いがけない再会。不如意な生活を送っていた主人公が、朗読という手段によって、ふたたび彼女と、そして自分と向き合おうとしたことに胸を突かれる。しかし、これは愛なのか。「清算」じゃないか。装丁の「残酷な愛の物語」というなくもがなの宣伝文句のせいで、よけいな違和感を覚えてしまった。
    でもそれがなくとも微妙。実は「感動」のポイントがよくわからなかった。テーマが多すぎるのか、そのテーマを受け取るだけの力がないのか、ただ流れていく感じである。それに、謎解きの部分が弱いかな…(←すごく間違った読み方をしているだろうか?)。「年上の女性との関係」という以外共通項はないが、コレットの『シェリ』のほうがはるかに心動かされる。

  • 2009.03.02.

全132件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

ベルンハルト・シュリンク(ドイツ:ベルリン・フンボルト大学教授)

「2019年 『現代ドイツ基本権〔第2版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ベルンハルト・シュリンクの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
江國 香織
伊坂 幸太郎
綿矢 りさ
吉本ばなな
三島由紀夫
ヘミングウェイ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×