ホワイト・ティース(上) (新潮クレスト・ブックス)

  • 新潮社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900236

感想・レビュー・書評

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  • この小説を紹介するのは難しい。
    ましてや上下巻の情までしか読んでいないので、なおさらに。
    これといったストーリーがあるわけではないのだけど、躍動感あふれる文体がすごいんだ。

    ホワイト・ティース=白い歯
    どうしてこういうタイトルにしたのだろう?

    最後まで読んでいないからはっきりわからないけれど、多分「白い歯」というのは分断の象徴。
    例えば今のイギリスでは、「白い歯」でいられる階級、歯にお金をかけることのできる階級とできない階級というのがあるのではないか。

    逆にインドの独立戦争の頃。
    暗い闇の中に浮かび上がる「白い歯」が、敵の目印だったと。
    事実はそうなのかはわかりません。口を閉じれば歯は見えませんからね。
    闇の中の「白い歯」に向かって銃を撃てば、敵を倒すことができた時代。
    狩る者と狩られる者。

    移民の第1世代と第2世代の確執とか、白人と黒人が結婚することに対する口に出されることのない拒否感とか、深刻に書こうと思えば書けることを、ドタバタとコミカルに表現した後に残るものは…。

  • ジャマイカ系イギリス人女性による長篇物語。カート・ヴォネガットの「そういうものだ」的な雰囲気。

著者プロフィール

ゼイディー・スミス

一九七五年、ロンドン生まれ。父はイギリス人、母はジャマイカ人。二〇〇〇年、処女作『ホワイト・ティース』を発表し、ウィットブレッド賞処女長篇小説賞、ガーディアン新人賞、英国図書賞新人賞、コモンウェルス作家賞最優秀新人賞などを受賞。英語圏文学界の寵児となる。〇三年、一三年、Granta誌の20 Best Young British Novelistsに選出される。移民や人種の問題、階級や世代などによる社会の分断や格差を描いた小説とともに、批評やエッセイも高く評価されている。その他の著作に長編小説『直筆商の哀しみ』『美について』(ブッカー賞最終候補、オレンジ賞受賞)『NW』『Swing Time』、短篇集『Grand Union』、エッセー集『Changing My Mind』『Feel Free』(全米批評家協会賞受賞)『Intimations』などがある。

「2021年 『ホワイト・ティース(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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