アンジェラの祈り (新潮クレスト・ブックス)

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制作 : 土屋 政雄 
  • 新潮社 (2003年11月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (569ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900366

アンジェラの祈り (新潮クレスト・ブックス)の感想・レビュー・書評

  • 「アンジェラの灰」の続編となる自伝もの。フランクが米国に渡ってからの奮闘を描いている。相変わらずギリギリの生活を送ってはいるが、アイルランド時代のような死との隣合わせではなく、少し余裕が感じられる。

    また、作文をきっかけにして大学のクラスで注目されたり、後年先生になってから、生徒に作文を書かせる場面は、本書の白眉の1つ。この人は本当に書くことに助けられてきたのだなあと思った。

  • 灰の意味が分かった。

  • アンジェラの灰の続巻、と言えばよいのでしょうか?灰がアイルランドでの幼少時代でこちらが著者がNYに出てきた青年期から、のお話です。
    文章のテンポが良くてついつい後ちょっと…と読んでしまいます。多分訳も上手なんだと思います。

    アイルランド系アメリカ人かあ…と考えて確かにアイリッシュパブってどこの町にもあったなあ…とか思い出しました。まあ自分がたまたま縁のある町にいたのかも知れませんが。聖パトリックデイは皆が緑色の服や何かをつけているのに驚いたものです。(懐かしい…)日本人、と言うか自分はあまり宗教心が無いのでこの作者のおっしゃるような原罪とか罪とか地獄の観念はいまひとつピンと来ないのですが。大体カトリックとプロテスタントってこんなに隔たりがあるんだ~と感心しているくらいですので… 同じ民族で同じキリスト教なのに…

    両親への思慕と複雑な思い。そんなに大切なのに素直に表現できないのは家族としての時間や経験が色々あるからなんだろうな、と思います。ただ自分はあんなに反発していた父親と同じ轍を踏むことはないんじゃないの?と随所で思いました。お母さんの老後の孤独は読んでいてさびしいですね。

    こちらのほうがアンジェラの灰と言うタイトルにあってる気がしますけれども。幼年期の本のほうが個人的には自分は好きです。

  • サローヤンのヒューマンコメディを思い出させる、私の好きなタイプの物語です。

  • [ 内容 ]
    1949年10月、19歳のマコートは、単身夢の地ニューヨークに降り立った。
    が、彼を待っていたのは、劣等感とあてはずれの日々だった―様々な職を経た後、とうとう高校の教師となって居場所を得たマコートが、母アンジェラを呼びよせ、遂にその灰を故郷に撒くまでの波乱万丈を、前作に劣らぬ名人級の筆に描く『アンジェラの灰』待望の完結編。

    [ 目次 ]


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    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 「アンジェラの灰」で最後にアメリカに向かったマコート少年がその後いかにしてアメリカで生き抜いて教師になったのか、なるほどよくわかってスッキリ。アメリカに呼び寄せたお母さんの頑固ぶりがすごい。嫁は大変だ。

  • 親父はろくでなしなのに、よく母親見捨てて好き勝手生きるような男にならなかったもんだと感心してしまった。

  • アイルランドでの貧しい家族との生活を感動的筆致で描いた『アンジャラの灰』の続編にして完結版が『アンジェラの祈り』。

    原作『アンジェラの灰』でピュリッツァー賞を受賞、ベストセラーを記録し、映画化され、大きな反響を得たフランク・マコートのニューヨーク渡航以後を描いたのが本書である。
    読み手を一気に引き込む語り口調のすばらしさと、悲しくも逞しいアイルランド移民の苦労を重ねた一家族の物語がここに完結する。

  • 1480
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    2005/5/9

  • マコート氏の、アメリカ移住から母アンジェラと父マラキが亡くなるまでの話。前作ほどの波乱はないものの、マコート氏がいかに苦労して職に就き、それを辞め、また新たな職に就くという一人立ちの物語である。

    アメリカがどんな国なのかがよくわかる。来るものは拒まず、来たものにはチャンスを与え、努力するものには成功を約束する「夢」の国。事実、財産も教育もなくやってきたマコート氏は、優れた教師として豊かとは云えないまでも安定した生活を得、美しい奥さんをもらい、愛らしい子どもをもうけた(離婚することになるのだが)。

    面白いのは、マコート氏も、恨みを抱いていた父親同様に酒で失敗を重ねるところだ。そこにアイルランド人の根深い宿命を感じてしまう。

    最後に、母の遺灰を故郷に返す。母アンジェラの死は感動的な場面であった。

  • 新潮社は、割合に自分の肌に合った本を出しているという印象がある。気づくと手にしている本が新潮社のものだった、ということが何度もあるのだ。その新潮社のシリーズに、クレストブック、というフランス綴じの本のシリーズがあって、カバーの感じや、表紙の紙質、頁の頭の不揃いな所、そして厚さの割に軽いことなど、内容以前に本として持っていたくなるシリーズである。最初にこのシリーズの中から買い求めた本は「ケンブリッジ・クインテット」という実在の科学者達が秘密裏に集う架空の晩餐会の様子を描いたもので、どちらかというと、科学的好奇心を満たしてくれる本である。似たようなジャンルの本を求めて、その後何冊か本屋で頁をめくってみたのだが、クレストブックは海外の新進の作者による文芸作品が中心であり、また当時は余りそのような作品を読むような精神状態ではなかったこともあって、シリーズが増えることも無いままだった。それが、急に何冊か揃い始めたのは、最近の文学回帰もさることながら、やはり新潮社の選択が、なんとなく、自分に合うからなのだと思う。

    そんな中で、前作の「アンジェラの灰」という本も何度か目にしてはいたのだが、600頁弱という厚さも手伝って中々読んでみるには至らなかった本である。その本を会社の同僚の奥方S夫人に薦められて借りたのだった。それ程面白いと感じた訳でもなかったのに、気づくと一気に読み通していた。暗示的なこともなく、物語としての大きな波もない。へんてこな本であるにもかかわらず。借りた翌日、本を返すと、S夫人に「あら、面白かったようですね」と言われて、初めて、ああ面白かったんだなと自分でもわかった。これはそんな類いの本である。

    さて、前作を読んだ後、これには続編があるらしいことを知り、いつでるのかいつ出るのかと待っていた所にようやく出版されたのがこの「アンジェラの祈り」である。邦題は原題よりも続編であることがよく解る題になっている。内容としても前作の終わりの時代から前作のタイトルの元もなった、主人公の母親の葬儀のシーンまでが描かれており、本来ならば前作と併せて「アンジェラの灰」という本にしてもよいくらいなのだ。だから、この邦題は正しいと思う。それにしても、今回も前作と同様の厚さである。とにかく長い。

    この本の文章には、明確なタイムステップというものがない。物語は、語られ始めたのも束の間、気づかないうちに終わりを告げ、読者は時間の流れに置き去りにされる。しかも一つのセンテンスの中で。ある出来事についての進行形の記述は、いつのまにか、今という時からの回顧の形にかわり、完了してしまったものとして締めくくられる。一瞬、物語の進行を刻む時計の針が大回しにぐるぐると回ったような目眩を覚えるが、それでいて、不思議と針が逆に戻る感覚はないまま読み進めている。不思議な思いに囚われる。

    前作では、徹底的に理不尽な不幸の見本市、という風情の小説であったのが、今回は、小市民としての不幸を描いた話に、少しだけベクトルが動いている。そのせいか、物語の進行が少しだけ鈍いような気はする。とはいえ、知りたかった謎は全て明かされており、読んだ、という満足感は確かに得られる。前作、「アンジェラの灰」のタイトルの意味もはっきりした。満足ではあるのだが、どことなく、落ち着かない。これと似た経験は子供の時の、なぞなぞの本、でも感じたことがある。

    思うに、謎というのは、謎である時が一番に輝いているものだ。友達から借りたなぞなぞの本には、たくさんの、そして、とても面白いなぞなぞが載っていた。ほとんど聞いたこともない、なぞなぞ、ばかり。おもしろくて面白くて一気に読んでしまう。返す前に、もう一度読んでおこう、と思った。そして、もう一度、読んだのだ。ところが、もう面白くない。あの、わくわくする感... 続きを読む

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