ディビザデロ通り (新潮クレスト・ブックス)

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制作 : Michael Ondaatje  村松 潔 
  • 新潮社 (2009年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900731

ディビザデロ通り (新潮クレスト・ブックス)の感想・レビュー・書評

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  • 嵐の夜の出来事で引き裂かれた血のつながらない姉妹と、孤児の男の子。前半は離散した3人の物語、後半は過去のフランス人作家の物語。

    先が気になるとか、物語がつながっていくとかそういうわくわく感はないけれど、なぜかページをめくる手が止まらないのは、作者の文章力だと思う。

  • 『イングリッシュ・ペイシェント』を映画で見ただけで、初オンダーチェ。
    普通の人間の人生の一時期をいくつも描き、それぞれが緩やかに繋がっているのが面白い。クンデラみたいな感じもするけど、あそこまで作者がしゃしゃりでてこない。『最終目的地』に似た雰囲気もあった。
    うまくつなぐと、確かに映画にもなりそうな感じはするが、セグーラのエピソード以外は終わった感じがしないので難しいかな。
    個人的にはアンナ、クレア、クープの出てくるアメリカ編(って名前ついてないけど)より、セグーラの生涯をたどるフランス編(って名前ついてないですよ)が好き。セグーラと隣の家の幼妻マリ=ネージュが惹かれあいながら、互いに本を読み聞かせするシーン、結婚式の日の二人のダンスシーン、とても美しい。
    乗れるまでちょっと時間がかかったが、読んでよかった。

  • 集められた家族、アンナ、クレア、クープの物語からはじまり、ばらばらになった彼らは大人になりそれぞれの人生を歩みはじめる。彼らが出会う、関わりになる人々のそれぞれの物語へ展開されていく。いつの間にか主人公、主要人物が入れ替わり、また別の物語になっていくが、最初の家族の構造が再現されていることにも気がつく。親しかったからこその名前の言い間違い。後半の夢と現実が交錯するのは『イギリス人の患者』を彷彿とさせる。青いテーブルのイマージュ、すべてはコラージュ、そしてまた人生も。

    巻頭にコレットの葬儀のエピソードがあったのでコレットの話になるのかと思ったけれどそうじゃなかったな。後半、作家が名前を変えて作品を出版するというところが、当初、夫のゴーストライターだった過去があるコレットに繋がるのかなと思ったけれども、あんまり関係ないかもしれない。だんだん登場人物が多くなってくるので半分くらい読んでから家系図をメモしながら読んだ。翻訳者のあとがきも、作品の余韻を残してくれた。

    "すべてはコラージュだ。私たちが何をつくるのか、なぜつくるのか、どんな人に惹かれるのか、なぜ忘れることができないのか。すべてはコラージュであり、遺伝でさえそうなのだ。私たちの中には他人が隠れている。短期間しか知らなかった人さえ隠れていて私たちは死ぬまでそれを抱え続ける。国境を越えるたびに、それを自分の中に封じ込める。"

    http://en.wikipedia.org/wiki/Divisadero_(novel)

  • 「イギリス人の患者」同様、登場人物のそれぞれが個性的で印象的に描きこまれています。どんどんこちらを引き込んでいく筆力を感じます。
    主な登場人物、最初は3人なのですが、読み進んでいくと登場人物がどんどん増えていきます。しかもその人物たちの話の中での役割や軽重がよくわからず、誰だっけこの人、みたいな感じで、前に戻って読み直したりしながら前に進むといった感じでした。気合入れて読まないと作品に振り回されてしまいます。私は、そのへん適当に読んでいたので、最後の方に来て、大混乱。この作家は何を書いているのだろうといった感じで、読み終わりました。というか、これって、もしかして失敗作?最後の方は作者もまとめることができなくなって、面倒くさいから書きなぐって終わりにしちゃいましたって感じなのですが。もしかして、この続編があるのなら、それはそれで無理矢理でも納得してもいいのですが、余韻を残すというのとは違う、中途半端な終わり方で、消化不良です、当方は。

    所詮小説なんてなんでもありなんでしょうが、これだけわくわくさせておいて、この終わり方は何!です。読み終わってから、話の途中でも、けっこうその話が破たんしていたりして、それっきりみたいな逸話の積み重ねがあり、お楽しみは最後にとっておこうみたいに、本当に最後がどうなるのかわくわくしながら読み進みました。が、このちんちくりんな終わり方は、正直がっかり。

    話の中に泥棒が出てくるのですが、これも「イギリス人の患者」の同工異曲を感じてしまいました。同じ作家の作品を続けて読むのはよくないのかもしれませんねえ。「イギリス人の患者」のほうが圧倒的によかった。

  • アメリカの血の繋がらない姉妹と、引き取られた少年の話から始まり、
    後半はフランスの作家の生涯で終わる。
    現代小説と古典小説が入り混じったような不思議な作品。

    登場人物それぞれの人生が書き綴られ、
    それが1つになって醸し出される哀愁が漂う作品。

    アンナ、クレア、クープの行く末はどうなのだろうか。。。

  • [25][121009]<m市 青く塗られたテーブルや螺旋をえがく塔、ガラスの欠片、住む人のいなくなった家。ほかの誰かの物語の中に浮かび上がる(投射される)”知っているお話”。所有と所属の境界線。

  • この本に感想書くのは難しい
    故に、友達とかにオススメするのとかも難しい...感じ

    まあ、書けないのは、表面しか理解してないからであり
    一言で云えば未熟故

    映画『イグリッシュ・ペイシェント』の原作者による...
    っていう文句だけで借りました
    イングリッシュペイシェントは好きな映画だったので

    スタート地点から終点が予想できない感じ
    前半の現代の男女によるあれやこれやが、後半の伏線のようになってないのが凄い
    だって大概の物語ってそういう感じじゃない???

    あ〜でもなんだろな、
    この読了後のぽわんとした余韻心地よく。
    もう、それしか表現できない
    脳みそ足りない

    終盤の一時的な狂気が堪らなくいい
    ずっとじゃなくて点なの

    全体的にも
    点 点 点
    の集まり
    訳者あとがきにコラージュとあった
    まさにそんな感じ
    モノクロの画もあればカラーも、傷だらけの色褪せたヤツも

    ひとつ云うなら
    海外の小説にある、独特なモノの喩え(上手いんだけど)
    を日本語にするときって
    超シンプルな言い回しにしてくれないと
    脳足りんには判りづらいわけですよ

    もう手元に本が無いので正確には書けないのですが
    もうっ!てなったのは
    「目を覚まされた」
    ってとこかな

    起こされた、でいいじゃん、みたいな
    ここだけ書くと別にわかるじゃん、って感じなんだけど
    それまでもつらつら面倒な言い回しが続いてたのでイラッときちゃった☆

    映像化は難しそうだな〜
    しっとりとドライな感じが素敵なのだけど

  • オンダーチェ「ディビザデロ通り」読んだ。 http://tinyurl.com/44k2n4h はー濃かった…前後で全然違う2つの話になって面食らう。違う話にどこか面影が。父娘(視点は替わる)、ガラス片、記憶、恋人の呼び違え、初恋、再生の望みと試み、誰かの人生をなぞる/埋める。

    マイケルオンダーチェは「イギリス人の患者」が有名だけど、これまで読まず嫌いだった(イングリッシュペイシェントも観てない)。なんか感傷過多でパステル色で心正しい(?)気がして。これは完全に映画ポスターのせいだ笑。「ディビザデロ通り」がすばらしかったから、他のも読んでみよう。

  • 血の繋がらない三人の兄弟姉妹が一つ屋根のしたに暮らす平穏な生活は、ある一つの事件がきっかけとなって家族全員を引き裂き、ばらばらにしてしまう。哀しくも交錯する三人の人生は驚くことに時代と空間を越えて繋がっている。マイケルオンダーチェのさらりとした文章の中に溢れる郷愁や、全くいやらしさを感じさせない言葉の選び方に感心した。

  • 時代や場所を越え、重なったり離れたりするそれぞれの人生。登場人物たちは口数が少なく心の内を外に出そうとしません。暴力的な場面さえ静かに物語られます。独白体のものや会話が多用される最近の日本の小説に比べ、その静けさが新鮮で心地よかったです。

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ディビザデロ通り (新潮クレスト・ブックス)の作品紹介

血のつながらない姉妹と、親を殺された少年。一人の父親のもと、きょうだいのように育った彼らを、ひとつの恋が引き裂く。散り散りになった人生は、境界線上でかすかに触れあいながら、時の狭間へと消えていく。和解できない家族。成就しない愛。叶うことのない思いが、異なる時代のいくつもの物語を、一本の糸でつないでいく-。ブッカー賞作家が綴る、密やかな愛の物語。

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