初夜 (新潮クレスト・ブックス)

  • 新潮社
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本棚登録 : 629
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900793

感想・レビュー・書評

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  • 週間ブックレビューがきっかけ。

    1960年初頭のイギリス。
    フローレンスとエドワード。

    美しい文体ってこういう事なのね。
    原文はどんな事になっているんだろう。
    透き通ってて繊細なのに儚げではなく、落ち着いているのに重くなく、そういう点からすると惹かれる小説。

    残念な事にストーリーが苦手。
    「ごめんなさい」って何回も謝りたくなる。
    ふたりを好きになったのに。

    他の作品にも挑戦しよう。

  • そんなに長い話ではないし、たった一夜の出来事を描いているのに、すごく長い物語を読んだような感じがしました。現代でもきっとこういう行き違いはあるのだろうな。なんとも苦い、切ない気持ちになりましたがまた著者の本を読みたいです。

  • 結婚式の後、初めての夜を迎えた二人がセックスに対する意識の違いから別れてしまう小説。結婚すれば当然セックスとなると思う新郎エドワードとそれを受け入れがたいと考える花嫁フローレンスの感情と情景が描かれる。

    テーマがセックスというデリケートなものであるので小説になるが、現実でも結局、夫婦と言えども他人であるから、さまざまな事柄に価値観が違うこともある。お互い受け入れ難い価値観があったり、将来の目標が違うなら、別れるのも選択肢だろうなぁ。傷が深くなる前に別れられた主人公はある意味幸せだと思う。

  • 不思議な世界観の小説だった

    表現が綺麗だったし、結構好きな小説ではある

  • エドワードとフローレンスの結婚後、8時間とその後。
    最中の、二人の考えていることが余りに違う箇所は秀逸だった。(そして余りにもそれが互いに伝わっていなさすぎるのも。)
    外国文学をあまり読まないので、説明文の多さには不慣れで少し眠い。
    で頑張って読んでみると、この二人って結局根本的に<合ってない>のかなぁ、と。考え方がという意味で。
    今回はたまたま、性に関する考え方の相違が主題だったけれど、そうでない別の部分でもズレは生じてきそうな気がする。
    ラストのあたりでエドワードが<あの時~してれば>みたいなことを思っていたけど、どうかな。
    どちらにしても、これは埋まらない溝だわ、って実感してしまった時ほど怖いものはない。
    イアンマキューアン初読みですが、この辺の絶望感を描くのが本当に巧みだなーと思いました。

  • スコットランドへ持って行った3冊のうちの1冊。ブッカー賞作家の短い長編小説で、川上未映子さん曰く「最高に美しい恋愛小説」。全体の5分の4までは、どちらかというと説明的な地の文章がつづくのだが、残りの5分の1で、抜き差し成らない男女の会話とその後の数十年という時間が流れ、些か手際が良過ぎる気もしたけれど、イーサン・ホークのいくつかの映画(『ビフォア・サンセット』や『痛いほどきみが好きなのに』)を思い起こし、胸がつまった。「ふと気づくと、彼女は訊いていた。『あれはナイチンゲールかしら?』『ブラックバードさ』『夜なのに?』彼女は失望を隠せなかった」。恋愛におけるやり場のなさは、人生におけるやり場のなさでもある。

  • 「仲のよいほぼ無言状態という毛布がふたりの違いを覆い隠し、彼らを縛りつけると同時に盲目にしていたからだ。彼らは意見が分かれるのをずっと怖がっていたが、いまや彼の怒りが彼女を開放した。」

    噂のイアン・マキューアン!!
    やっとのことで1冊読むことが出来た。

    想像以上に読みやすく面白かった。
    そして、この物語は読む人によって全く異なる印象をうけることまちがいなし!と心から感じたのだった。
    私、ぐらいの年令になってしまうと、やはり若い人を見るようにどこか微笑ましく思ってしまう部分もあった。

    背景は、どうしようもなく、持って生まれたその出自、は変えられないのだと思ったし、乗り越えられない何かもあるのではないかと思うのだった。

    久々の恋愛小説!?
    たった数時間の出来事をここまで広がりを持って展開できるなんて、、、やはり、凄い!
    ますますこの著者の作品を読んでみたくなった。

    【7/20読了・初読・大学図書館】

  • タイトルで期待するだろうなぁ…。私も期待したし。 (><)

    でも、違うよ!

    純文学だからね! (キリ!

  • 愛し合って結婚したはずなのに、愛した相手を思いやった挙句がこんな結果になっちゃって・・・って感じ?でも相手を思いやる以上に自分に正直でいようと思うと、こういうことになっちゃうのかな。いろんな意味で開けっぴろげな現代ならこんなことは起きないのかな、となると良くも悪くも古き良き時代ということなのかな、とも思う。
    「切ない」とか「ほろ苦い」っていうのはこういうことなんだろうな。

  • 文体や背景がきれいで好きです。

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著者プロフィール

イアン・マキューアン1948年英国ハンプシャー生まれ。75年デビュー作『最初の恋、最後の儀式』でサマセット・モーム賞受賞後、現代イギリス文学を代表する小説家として不動の地位を保つ。『セメント・ガーデン』『イノセント』、『アムステルダム』『贖罪』『恋するアダム』等邦訳多数。

「2023年 『夢みるピーターの七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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