夜と灯りと (新潮クレスト・ブックス)

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制作 : Clemens Meyer  杵渕 博樹 
  • 新潮社 (2010年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900823

夜と灯りと (新潮クレスト・ブックス)の感想・レビュー・書評

  • 東西統一後の旧東ドイツ側の人たちの物語。 短編集。
    時系列が入り乱れたり、状況が読みとりにくいところもあったけど、まいったなあと思うくらいめちゃくちゃ好みの作品もあった。
    独特の空気感にくるまれながら読んでいった。
    決して明るくない暮らしを背景に、人間が心に持つ邪のない部分を見せてくる感じ。
    抱きしめたくなる本だった。

  • ゲーテ・インスティチュートのサイトに紹介記事があったので、読んでみました。ロートマンのような作品かと思っていたのですが、ちょっと違いました。

    リアリズム的な作風で、全体的に重い。読後、明るい気持ちにはなれないし、作者はそれを狙っていない。
    うーん。作家としての工夫は随所に見られるし、悪くはない完成度だとは思うのですが、陰鬱な秋の午後に読むと、かなり寒くなれます。

  • 東西ドイツ統一後の今。

    著者は人生に苦しんでいる人、生きづらさを感じている人たちへスポットをあてる。

    敗残者であろうと負け犬であろうと立派に生きているから。

  • 東西ドイツ統一後、東ドイツに暮らす人々を描いた短編集。

    主人公は、失業者、囚人、薬物中毒者といったように、人生における負け組と呼ばれそうな人々。
    東西統一など生まれる前に過ぎ去ってしまった私たちには、当時の東独の閉鎖的世界を知り得ないし、その区分がドイツ社会の中に今でも目には見えぬまま息づいていることを知らない。
    それでも、彼らは絶望しない。か弱くも孤独に立ち向い、あるいは受け止めている。

    著者自身も東ドイツ在住であり体験したことなどを元に書き上げていて、静かで冷たい中にもどこかにぬくもりが感じられる作品。

  • 読書期間:2010年11月10日-15日
    原著名:Die Nacht,die Lichter
    著者:Clemens Meyer

    本来15編から成る短編小説を訳者が13編選んでいる。

    Der kleine Tod-小さな死
    Warten auf Sudamerika([Sud]のuはウムラウト)-南米を待つ
    Die Flinte,die Laterne und Mary Monroe-銃と街灯とメアリー・モンロー
    Der Dicke liebt-デブは恋してる
    Von Hunden und Pferden-犬と馬のこと
    Die Nacht,die Lichter-夜と灯りと
    Wir reisen-おれたちは旅する
    Das kurze und gluckliche Leben das Johannes Vettermann([gluckliche]のuはウムラウト)
    -ヨハネス・フェッターマンの短くも幸福な生涯
    Reise zum Fluss-川への旅
    In den Gangen(aはウムラウト)-通路にて
    Du hast Shones Haar(oはウムラウト)-君の髪はきれいだ
    Der alte Mann begrabt seine Tiere([begrabt]のaはウムラウト)-老人が動物達を葬る

    全編共題名の[Die Nacht,die Lichter]の様に、
    薄暗い夜とその夜の中に燈る灯りの様な情景が浮かばれる。
    舞台はBerlinの壁が崩壊した後のドイツ東部。
    Bayern、Halle、Leipzig等馴染みの地名が登場する。
    前半よりも後半の方が少し長い話で読み応えがありました。

  • クレストブックスは割と外れないのだけれど、これはちょっと好みではなかった。
    この作家の他の作品に『東独版トレイン・スポッティング』と称賛された本があるらしいが、そういう雰囲気は当たっていると思う。

  • 自分のせいではない、多分社会とかのせいで、人生が上手くいかなくなった人達。電気を止められた暗い部屋に、ひっそり住んでる感じが、とってもいい。最近落ちこぼれに親近感が沸く。疲れてるのかなあ。

  • 何か研究を行ううえで役立つかもしれないと思って読んだ旧東独の作家の作品。
    哲学的で理解しづらい部分も多かったけど、統一ドイツの矛盾や暗い面が垣間見えた気がした。作者も言っていたけど、これはなにも東独で起きている問題だけではないと思う。

  • 壁崩壊後の旧東ドイツに住む「負け組み」な人々の生活を描いた短編集。原作15編から12編を選出。
    テーマがテーマなので、暗くて重くてしんどい。
    なぜ負け組みになってしまったのかの説明はなくとも、それが納得できてしまう人たちの生活が簡潔な言葉で削りだされている。
    ただ…、こういう観念的な話は苦手なんだよなあ。作者にピントを合わせるのが大変なので。
    この作品は苦手な現在形の文末で、それも読み難買った一因。
    いい作品集だとは思うけど、好みではなかった。

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夜と灯りと (新潮クレスト・ブックス)の作品紹介

元ボクサーの囚人、夜勤のフォークリフト運転士、ドラッグに溺れる天才画家、小学生に恋する教師、老犬と暮らす失業者、言葉の通じない外国人娼婦に入れ込むサラリーマン-。東西統一後のドイツで「負け組」として生きる人間たちの姿を、彼ら自身の視点から鮮やかに描き出す12の物語。極限まで切り詰めた言葉の積み重ねが、過酷な日常に射すかすかな光を浮き彫りにする。ライプツィヒ・ブック・フェア文学賞受賞。

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