いちばんここに似合う人 (Shinchosha CREST BOOKS)
- 新潮社 (2010年8月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105900854
感想・レビュー・書評
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とてもよかった。性別に関わらない濃い関係性の描写と、言葉選びが好き。でも救いを求めてしまう
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16編からなる短編集。日常の生活のごく一部分、とても短い時間を描いている。まるで体の一部分をえぐりとられるようなそんな痛々しい生々しさを覚えるほど強烈。ぱらり、と無作為に開いた一場面だけに目を落としても、まるで完成型のように感じるようなシーンが多かった。どうも自分は読んでいて落ちつかなかった。覗き見るのが怖いような世界だったのかもしれない。余りにも尖っていて痛いのだ。
『ラム・キエンの男の子』と『モンプレジール』が特に好き。 -
「江國香織が帯を書いている本をあなたが読むなんて・・・」という妻の言葉通り、私のストライクゾーンから少し外れていたようだ。
それぞれの短編で、少し独特な主人公たちが孤独と疎外感と、わずかな人とのつながりを握りしめている物語だ。時にあっさりと握りしめている手を緩め、一人で歩いていく。寂しい?寂しくない?いや、そういう問題ではなく、それが彼女であり、彼なのだ。
おっさんゆえ主人公への感情移入は難しいが、妙に気にかかる主人公たちではある。 -
短編集。どの話にも強烈に引き込まれた。もう二度と元に戻らない関係は、わたしもこうやって本に閉じ込めておきたい。心だけが遠くに行ってしまったひとを思うとさみしさが込み上げるが、本心を隠したまま彼らに接する主人公。黒い影を愛する女性、実体のない娘を愛する老人、友人の娘を愛する女性、何かがはっきりと終わってしまった夫婦、電話を布団の中に引き入れて寝る少女。どうして人は一度手に入れたものを手放してしまうのだろう。
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私の中にもあなたの中にもある今の世の中が展開されている。現代の人々はひたすら孤独なのだ。たとえ家族がいても、恋人がいても。
この本が古典となって読まれる時、例えば100年後、1000年後にもしまだ世界があれば、この本は時代を、今を生きる人々の心情を理解する良いテキストになりそう。 -
前から読みたかったもの。ミランダ・ジュライの紡ぐ文章が好き。
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みんな孤独だが悲観的でない。奇妙だけど愛らしい。
翻訳本は苦手意識があったけど楽しく読めた。
なんでもないことの表現がすごく新しい。
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「階段の男」と「子供にお話を聞かせる方法」が良かった。下ネタは多いけど、そこまで下品な感じでもなかった。シュールめな話が多いけれど、確かにと共感できる部分が根本にあるから、読んでいて楽しかった。
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この人は2番である。同じく私も多分2番チームだと思う。「ほんっと訳わかんないんですけど、いい加減にしてくれる?」(世の中の声)今から説明しまあす。1番チームはアンナカヴァン隊長率いる、病気チーム。ヴァージニアウルフ、太宰治などが所属します。2番は「天然」として、一応は社会生活おくれるチーム。しかし一緒にいる人は理解が必要。3番は「不思議ちゃん」チーム。いわゆる偽者。サブカルまがいとか、なんとなくオシャレはここの人達が作ってます。色々書こうと思ったらスペース無くなった。無念。