こうしてお前は彼女にフラれる (新潮クレスト・ブックス)

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制作 : 都甲 幸治  久保 尚美 
  • 新潮社 (2013年8月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105901035

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こうしてお前は彼女にフラれる (新潮クレスト・ブックス)の感想・レビュー・書評

  • 昔、何年か前に通っていた英会話教室で、アメリカ人の女教師が遊びに来ていた女友達を連れてきていた。ドミニカ系のアメリカ人だった。ドミニカについての知識は皆無で、話はまったく弾まなかった。ただ、とても可愛い子だったことを覚えている。
    ジュノ・ディアスの本はこれで3冊目。
    読むたびに、あの浅黒い肌の目の大きな女の子を思い出す。そして、次に会った時はもっとドミニカについて話せるんだけどなとしょうもないことを考える。

  • フラれる、ふられる、Furarelu。やや、Sっ気のあるタイトルが、気になってた。浮気は、親密さを避けるためのもの...らしい。そこに輪をかけて、ユニオールの場合、親密な関係に対するもっと根源的な恐れ、親密な関係はやがてすべて壊れてしまうだろう、という思いがある。だったらそもそも親密になどならないほうがいいし、うっかりそういう関係に入ってしまえば、失われる前にむしろ自ら壊してしまった方がまし...みたいだ。
    自分の心を他人に開くのが恐くてたまらない。だから主人公ユニオールはマッチョな仮面を被る。そして、浮気を繰り返して、バレる。を繰り返す。
    背景に、アイデンティティや生まれ育った環境があるにはあるのだけれど、ただこの自分内“ひきこもり体質"的な印象は、日本も他の諸外国も同じだなと感じる。そして、そこには性差すら無いような...。草食系や草といわれる男子が増える一方で、女性は強くなったと言われるけれど、はたしてそうだろうか。面白本でもあるけれど、切なくスパイシーでもあり、個人的にわりとぐぐっとくるものがあった。

  •  おかしくもせつないドミニカの男女の物語9編。
     前作『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』では、カリブ海の呪いにとらわれたオタク青年の純情さと独裁政権の暴力を描いていたが、本作では恋愛とセックスと浮気と自暴自棄に明け暮れるドミニカの男女しか登場しない。
     日本人とは価値観の違うどうにも救いようの人たちの話に最初は理解に苦しむが、読み進めていくと、根底にある移民としての寂しさ、マイノリティへの偏見、貧乏と強力な家族愛から脱けだせない虚無感という、自分にはどうにもならないものに包まれていくのを感じる。

  • 「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」に登場したユニオールが主役で、9つの短編が収録されている。
    彼女がいるのに浮気ばかりを繰り返すユニオール。オスカーとは真逆なタイプだが、根本的に二人とも恋愛に不器用なタイプではないかと思った。
    個人的には幼年期アメリカへ渡ったばかりの「インビエルノ」と兄の半生を描いた「プラの信条」が気に入った。

  • オスカーワオに続き、こちらも読了後、どっぷり疲れた。本のパワーがすごすぎて、受け止めきれない。なのに、こちらのパワーも吸い取られてく。愚かさ、哀しさ、弱さ、いろんな人間の負のてんこもり。「親密さを避けるための浮気」。わかんないけどわからされてしまいそうになる、赤裸々な浮気男の一生が迫ってくる。どうしようもなさ、運命がひっぱってく、運命にひっぱられてく力に抗うことの、難しいこと難しいこと。

  • ほっといてんか!

    新潮社のPR
    「どうしていつもうまくいかないのか? 叶わぬ愛をめぐる9つの切ない物語集。『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の著者の最新作。」

  • ドミニカ女性たちの描写のあとに見下ろす自分の体の貧相なこと!

  • 嫌なタイトルだなぁ・・・!(笑)前作「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」にも登場したらしい、ユニオールとその家族を中心とした短編集は前作に比べてテーマが絞られた印象があって、読みやすくて面白かった。

  • 図書館で。
    ん~と。女性の立場からこういう小説を読むと何でこんなダメ男(達)に女が引っかかるんだろう?と首を傾げるのですが…。きちんとした教育と働ける環境が無いと厳しいんだろうなぁとも思ったり。男女ともにそれは言えることなんだとは思うけれども周囲の環境を跳ね除けてその場から飛び出すのは物凄い努力と運と才能が必要なのかな。

    とは言え。女性が妊娠をコントロール出来たら世の中は大分変るだろうなぁ。何でこの本に出てくる女性たちはそれでも男性を求めるのだろうか。一人で生きていけないからか。まあそれもあるだろうけれども。そして男も何故浮気を繰り返すのか。妻子が居てもなお。
    人種的なモノとも言いきれないなんとなく哀切な小説でした。そんなにも傷つくならやめたら良いのになんて思いますが止められるぐらいなら浮気なんてしないのかな?

    関係を希薄にするために浮気するならオトコはオンナの浮気も容認すべきだよな。でもこういう男どもは自分の恋人や妻が浮気したら当たり前のように暴力を振るんだろうなぁ。どう考えても男性本位な辺りが鼻に付く感じはありますな。

  • スペイン語のリズムや言い回し、翻訳されていてもそうしたものが感じられる。
    『オスカーワオの〜』に登場した人をめぐる物語。

  • プレイボーイって実は、自分の心を他人に開くのが怖くてたまらない。
    それをわかった上で読むと、この本は理解しやすいかもしれない。私はプレイボーイではないけれど、つい逃げ出したくなる気持ちはよくわかる。

  •  『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の主人公の友達であったユニオールが主役。浮気をしては彼女に発覚してフラれることを散々繰り返すユニオールだけど、どうしても憎めない。それは一見軽薄な立ち居振舞いの中に、亡き兄への潜在的な憧れや愛への渇望、孤独感が垣間見れるからだと思う。なので著者の軽快な筆致とストーリー展開は読んでいて楽しいのだけど、どことなく、なんとなく寂しいような読後感。それも含めてとっても好きな作品。

  • 大好きな「オスカー・ワオ」のジュノ・ディアスの新作。
    文芸フェスで作家本人を見たが、すらりとしておしゃれメガネをかけた粋なラテン男。非モテオタクの話を書くように見えないと思ったが、モテ男ユニオールだったのか(笑)兄が白血病で亡くなるのは現実の体験だそうだ。
    「モテ男」はじっさいにモテる。絶望的に浮気をし、まともな人間関係を築けない。彼の背景にはラティーノの貧しい社会があり、格差社会で位置付けられた立場があり、濃厚な家族関係・社会コミュニティがある。兄のある種壮絶なモテエピソードに象徴されるように、その恋愛はどれもイタい。浮気をしふられることを繰り返すうちに、中年男となり体はガタがきて、やはり若い彼女にふられる。ユニオール、どこまでもついていない。
    しかし、作家が分身・ユニオールに注ぐのは暖かい愛だ。全体のトーンはあくまでもユーモラスで、文章はカラッとしている。とてもうまい作家。翻訳の都甲さんとの息もぴったりだし、寡作ながら次作が楽しみ。

  • 前作に登場した、オスカーの友達のユニオールの話。オスカーとはまた違うタイプの恋愛下手。しかもかなり浮気者。救いようのないやつだな、と思いつつも、前作を合わせて読むと悪い奴じゃないからな…と変に共感してしまう。日本では中々日常で味わえない、恋愛を築く上での文化・格差・価値観の違い。多人種国家のアメリカ、ましてやドミニカ系の登場人物の視点で描かれているため、日本の読者にはとっつきにくいかなという印象を受けた。個人的にそれがJunot Diazが書く物語の最大の魅力だと思う。

  • ちょっと自分には合わなかった。
    何を伝えたいのかよく分からなかったので。

  • 二人称なんてやり方がこんなに面白いことを知らなかった。
    お前はーだ、と自己が分裂したところから始まる話。ということはだ、二人称は非難する形式がよく当てはまるのかもしれない。過去の自分を責めるために分裂するのか、それとも耐えきれない現実のために分裂するのか。いずれも同じことか。
    ちょっとずつユニオールの過去と断片的に。時系列を無視して辿りながら、おまえ、ことユニオールという人生を知る旅。軽快で吸引力のある文体なのに、どこまでも悲しい。
    お前、と分裂する理由は、第三に、自分がわからないからなのかもしれない。他者として非難するしかできないほどに、浮気へ掻き立てる要因がわからないのだろう。毎回、浮気がバレるところからスタートするし。ギャグか。
    この世界はどう生きようと幸せになれないのかもしれない。

  • 尊敬している方から、同じ作者の『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』を薦めてもらったのだけど、図書館になかったので、こちらを読むことにした。
    後で知ったのだけど、オスカー〜の登場人物がこちらの主人公であるらしい。
    が、こちらを先に読んでも問題ない。多分。
    連作短編集で、タイトル通り様々な女の子にフラれる主人公を中心に、彼の親や兄、関わる人々のことが綴られている。
    そう書くととても小さいところで起きている物語のようなのだけど、そして実際出来事自体は好きになって付き合って別れてというとても小さな単位の話なのだけど、何故だろう、狭苦しさはまるでない。
    一人の青年の話で、それは全て一般化出来るような内容でもないのに、今そこにあるもののような気がする。
    主人公がぼやけているということではない。
    ルーツ、家族といった個人的なディティールは鮮やかで地に足がついている。

    うーん、感想をまとめるのがすごく難しい…。
    どうしても共感主軸で読んでしまうタイプで、主人公を好きになれなかったので大好きな本とは言えないのだけど、面白かったのは間違いない。
    寂しくて滑稽な人間喜劇。
    オスカー〜もそのうち読んでみたいと思っている。

  • このタイトルは上手いなぁ、タイトルにひかれて読んでみた。
    でフラれる理由は「そらそうやろ」ってことだった、もっと違う感じ、どないしてもモテない男の苦労話なのかと思いきや…、主人公モテとるやん!

    文化の違い、家庭の重圧、DV、マイノリティ差別…、俺が思ってた恋愛関連本とは違ったが、この作品の根底に流れるものは大きく重い。その重さを登場人物たちの女性遍歴をはじめとするなんとも軽妙な南米的ノリが覆っているあたりがキモなんかな。

    アメリカでかなりエエ賞とってるみたいだけど、そこまでとは思えなかったのは文化の違いなんだろうなぁ

  • 浮気男って真剣な繋がりを持ちたくないから浮気を繰り返すんだ。初めて知った…

  • タイトル完璧、当たり前よね。『オスカー・ワオの短く凄まじい生涯』でラテンアメリカの歴史とオタク野郎の恋愛の激突を描き大絶賛、な著者の新作は前作で語り手を務めた浮気野郎、ユニオールの生涯の断片だ。懲りる間もなく女性との関係を繰り返すユニオールは共感度ゼロのクズ男だが、本作で印象的なのは彼以上にマッチョな兄ラファの存在。父の不在、そして兄の早逝によって「父的なもの」に縛り取られ、ユニオールは虚言を重ねてでもそれに近づこうとしては隠そうと親密な関係を自壊させる。そんな、どうしようもない男の悲哀を描いた短編集。

  • ドミニカの生まれ、男性、ちゃんとした彼女(婚約者)がいながら六年間に五十人もの相手と浮気する、当然ふられて何年ものたうち回る…。主人公ユニオールと自分には何の共通点もないのに、ひどく身につまされるのはどういうわけか?

    ドミニカ男は(上品な言い方をすれば)「恋多き」ものであるらしい。まるでそれが宿命のように、ユニオールは女性に言い寄り、言い寄られ、手ひどく裏切り、裏切られ、ぬかるんだ人間関係から逃れられない。彼の父や母、早くに亡くなった兄、友人、誰もが似たり寄ったりだ。それをいしいしんじさんが裏表紙の評で「血と汗の匂いたつ人間関係の泥」と言っていて、なるほどと思う。皆望んだわけでもないのに「ここにこうしてある自分」と格闘してもがいている。

    いしいさんは「(フラれるのは)私たちがどうしようもなく『人間』であるからだ」とも書いていて、そこにこの小説の魅力があるのだなあと思った。ダメ自慢みたいな底の浅いものではなく(その視点でも十分面白いが)、人との関わりの中で苦しんだことのある人なら身にしみる痛みが、ここにはあるのだ。

    「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」もそうだったが、出てくる女性がとてもいい。誰もがそれぞれの望みや苦しみや愚かさを生きている。男性である作者の勝手な願望が投影されていない女性像は結構珍しいと思う。

    「ぬかるみ」「泥」などと書いたけれど、語り口はシャープで知的、時にユーモラスだ。おかしく切なく、たっぷり読ませる。

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こうしてお前は彼女にフラれる (新潮クレスト・ブックス)の作品紹介

どうしていつも、うまくいかないのか? 胸を締めつける9つの愛の物語。ニュージャージーの貧困地区で。ドミニカの海岸で。ボストンの大学町で。叶わぬ愛をめぐる物語が、傷ついた家族や壊れかけた社会の姿をも浮き彫りにする――。浮気男ユニオールと女たちが繰り広げる、おかしくも切ない9つのラブ・ストーリー。大ヒット作『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の著者による最新作。

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