美しい子ども (新潮クレスト・ブックス)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105901042

感想・レビュー・書評

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  • 「新潮クレスト・ブックス」は、海外の小説、自伝、エッセイなどを取り上げた、1998年に始まったシリーズである。作品は、編集者でも翻訳者でも、ともかく誰かが惚れ込んだ作品であること、そして、日本では初紹介の作家、或いは紹介されていてもまだ読者にうまく浸透していないことを条件に選ばれており、ほとんどすべてがこのシリーズでしか出会えない作家たち、掘り出し物の作品で、これまでにドイツのベルンハルト・シュリンク、インド系米国人のジュンパ・ラヒリなどのベストセラー作家を生み出してきた。
    私は読書が好きであるが、普段はノンフィクション、エッセイなどを読むことが多く、今般のコロナ禍の中で在宅時間が増えたことから、従前から気になっていたクレスト・ブックスの中からいずれかを読もうと思い、シリーズ創刊15周年を記念して本シリーズの短編集から選ばれたアンソロジーで、シリーズのコンセプトである各国の作家の作品に触れられる本書を手に取った。
    本書に収められた作家は、米国人のアンソニー・ドーア、ジュンパ・ラヒリ、ベトナム系のナム・リー、ロシア人のリュドミラ・ウリツカヤ、米国人のミランダ・ジュライ、ドイツ人のクレメンス・マイヤー、ベルギー人(オランダ語圏)のディミトリ・フェルフルスト、カナダ人のウェルズ・タワー、ユダヤ系米国人のネイサン・イングランダー、ベルンハルト・シュリンク、カナダ人のアリス・マンローと実に多様で、ノーベル文学賞、フランク・オコナー国際短編賞などの受賞作も含まれている。
    が、残念ながら私は、最後まで読み通すことができなかった。なぜか。。。? 上手く説明するのは難しいのだが、いずれの作品も(と言っても半分ほどしか読んでいないが)、フィクションとしては何となく地味で、ノンフィクションと比べると何となく現実感に乏しく、ページをめくるワクワク感が持続しなかったのだ。
    巻末で編者の松家仁之氏は、映画が始まると、隣に座っている夫に、その映画が本当の話かと尋ね、「作り物だ」と聞いたとたんに興味を失って眠ってしまう妻がいるのだが、松島氏だったら本書の作品は「本当の話だ」と答えるだろうと書いているのだが、私はその妻の感性に近いということか。。。
    (自分にとって)面白くない本は無理して読む必要はない、とはいうものの、世界レベルで評価された複数の作品を味わえないというのは、なかなか複雑な心境でもある。時を経て、読み直すことはあるだろうか。。。
    (私は基本的に、ポジティブな印象を持った本以外のレビューは書かないのだが、本書については、今の自分はそのように感じたという記憶のためにも敢えて残すことにした)

  • 新潮クレスト・ブックス 短編小説ベスト・コレクション
    11人中6人読んだことがあった。
    次になにを読むかの参考になるのでは。

    一番残っているのは、わかりやすい作品で『水泳チーム』かな。
    『自然現象』も2度ともトゲのようなものが残った。自然現象か。。。

    アンソニー・ドーア 非武装地帯
    ジュンパ・ラヒリ 地獄/天国
    ナム・リー エリーゼに会う
    リュドミラ・ウリツカヤ 自然現象
    ミランダ・ジュライ 水泳チーム、階段の男
    クレメンス・マイヤー 老人が動物たちを葬る
    ディミトリ・フェルフルスト 美しい子ども
    ウェルズ・タワー ヒョウ
    ネイサン・イングランダー 若い寡婦たちには果物をただで
    ベルンハルト・シュリンク リューゲン島のヨハン・セバスティアン・バッハ
    アリス・マンロー 女たち

  • 非武装地帯 アンソニー・ドーア
    地獄/天国 ジュンパ・ラヒリ
    エリーゼに会う ナム・リー
    自然現象 リュドミラ・ウリツカヤ
    水泳チーム、階段の男 ミランダ・ジュライ
    老人が動物たちを葬る クレメンス・マイヤー
    美しい子ども ディミトリ・フェルフルスト
    ヒョウ ウェルズ・タワー
    若い寡婦たちには果物をただで ネイサン・イングランダー
    リューゲン島のヨハン・セバスティアン・バッハ ベルンハルト・シュリンク
    女たち アリスマンロー
    ほんとうの話 松家仁之

ジュンパ・ラヒリの作品

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