おじいさんに聞いた話 (新潮クレスト・ブックス)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105901400

作品紹介・あらすじ

「ハッピーエンドのお話はないの?」「だってこれはロシアの話だからね」サンクトペテルブルクに生まれ育ち、ロシア革命にともなってオランダに帰国した祖父が「ぼく」だけに語ってくれたこと。ゴーゴリの『外套』より悲惨、どこにも救いはないのに、なぜか可笑しく滑稽な人生の悲喜劇。『ハリネズミの願い』の作家テレヘン自身がもっとも愛する宝箱のような掌篇集。

感想・レビュー・書評

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  •  自分とこのおじいさんの話を書き留めていたら、小説集になって、よその国でも翻訳されるようなおじいさんがいたらいいですね。
     子供向けの本だと思って読みはじめましたけど、これって、子供向けなのかな?って、思っちゃいました。実は、おじいさん向けなんじゃないでしょうかね(笑)。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • テレヘンさん、三作目

    ロシア革命の翌年、サンクトペテルブルクからオランダに逃れ、痛ましくも滑稽なロシアをめぐる話を〈ぼく〉に語りつづけた祖父
    祖父への鎮魂の思いがこめられた、掌編小説集

    「自分が祖父から聞くことができたかもしれない話」テレヘンの創作 (テレヘン談)

    原題は、冒頭におかれた詩のタイトルに由来
    『パブロフスクとオーストフォールネ行きの列車』
    NRCハンデルスプラット紙による書評から
    「不思議な時代の不思議な人びとについての不思議な物語。(略)罪と罰、飢餓、悲劇、不幸、病気、死、狂気、恐怖政治といった苦悩…(略)」


    北半球の国々のイメージ
    雪、冬のグレー、閉じ込められた
    その独特の世界観

    テレヘン作品は、読み慣れない異国のお話しで、
    独特に感じるけど読める。不思議な読感。


    ●印象に残ったお話し
    ピロギ(パイ) 13p
    ロシア語で、つねに危険か状態であること
    「頭の上には二本の指がぶらさがっている」
    (オランダ語「頭の上に剣がぶらさがっている」)
    腕も手もついていない二本の指が突然空から下りてきて、人間をつまみあげ、
    体を打ちつけて死ぬように岩に落としたり、喉が乾いて徐々に気が狂うように砂漠の真ん中に落としたり、知り合いもおらずことばもわからない異国へ落としたりする(怖っ)

    年老いた男 28p
    ユダたち 36p
    クマのお話 169p
    小さな魔女 177p
    翼 198p

    皇帝、サーカス団

  • ロシア革命の翌年に生まれ育ったサンクトペテルブルクを後にし、オランダへと亡命した祖父。そんな彼のお伽話に静かに耳を傾ける僕。ロシア語に存在する11種の罪の話、ありとあらゆる物を食べ尽くし、なお満たされず悲しみに暮れる熊の話。ロシア全土の犬を狩り尽くそうとした皇帝の話に、シャム双生児などの病理学的奇形のみが埋葬を許される名誉の墓の話。どれもハッピーエンドに慣らされた現代人からしたらなんとも納得のいかない、腹の座りが悪いような話ばかり。しかし、「これは、ロシアのお話だからね」とそんな言葉で締め括ってしまえるような、積雪の中静かに耐える人々のための作品なんだと思えば納得がいった。

  • いまいちだった。話のテンションは嫌いじゃないわ。おじいさんの「におわせ」加減がなんともむずがゆく、自分のもやる出来事を大人に話すと煙たがられるのをわかっていて、素直な子供に聞かせるというのが私には嫌な感じに思えた。お話もそれほどパンチ効いてなく、自分の触手にひっかからなかった。自分もこのように子供の頃は扱われていたのだろうか。でもいい本だと思う。50年位経つともっと良くなる気がする。

  • 文学

  • 20181029 つらい話やあり得ない話ばかり。でも全部読めてしまう。ノスタルジックでファンタスティックな話。ついに考えてしまう内容にまとめるのは作者の才能なのだろう。出たら必ず読みたい作家の一人になった。

  • 面白い

  • おじいさんが孫に語る
    奇妙で、ゆううつで、ほとんど救いのない物語。
    「ロシアだとそうじゃないんだ」

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著者プロフィール

1941年オランダ南部の島に生まれる。アムステルダムで医師として開業。『ハリネズミの願い』で本屋大賞翻訳部門受賞。ほかに『きげんのいいリス』『リスのたんじょうび』『おじいさんに聞いた話』など。

「2020年 『リスからアリへの手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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