ドリトル先生航海記 (新潮モダン・クラシックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105910013

作品紹介・あらすじ

先生が話せるのは動物の言葉だけではなかった――。一人ぼっちの子どもだった大人たちへ、新訳完成。「小学生の頃にこの本と出会って以来、ずっとスタビンズ少年になりたかった。そしてドリトル先生のような博物学者になろうと決めた」という福岡伸一、長年の念願であった訳業なる! あらゆる子どもたちが出会うべき公正な大人、ドリトル先生の大航海がふたたび始まる。原著初版に忠実な訳文とブック・デザイン。

感想・レビュー・書評

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  • 読んでみようと思いながらも今までの訳だと挫折してしまっていました、ドリトル先生。
    趣味どきっ!で福岡先生の訳ならおもしろいかもと思って読んでみたら、ぐいぐい引き込まれて夢中に。
    訳って大事だなぁ、訳する人ってやっぱりすごいなぁと、感謝しきり。

    王子やポリネシアの掛け合い、楽しい…
    他のシリーズもいつか訳してくださらないかなぁ!

  • ヤバい。めちゃくちゃ面白い。訳者が替わるだけでこんなにテンポよく楽しく読めるなんて凄い!!
    井伏鱒二さんの訳も嫌いじゃないけれど、言葉が古い感じがして、中学生の私は全巻通して読むことが出来なかったが、福岡伸一さん訳は、ぐいぐい物語に引き込まれる感覚に陥る。
    是非、全巻通して訳してくれないかな…。
    装丁もまたきれいで、カバーを外したひょうしも、モノグラム柄が可愛い。商品化して欲しい。

  • 生物学者の福岡伸一さんが、子供の頃、愛読書としていた岩波少年文庫版の井伏鱒二さん翻訳の「ドリトル先生航海記」を、自ら翻訳したのが、この本です。
    https://www.honzuki.jp/book/313482/review/285374/

  • 久々のドリトル先生の新訳。井伏鱒二のドリトル先生の雰囲気を壊さず、ちょっと現代的な言い回しに変え、まずは成功。あとがきでご本人も書いていたけれど、「オシツオサレツ」を超える訳は難しい。そのまま発音通りとしたのは、いさぎよい?
    とにかく、ドリトル先生は面白いなあ

  • 小学校の図書館にドリトル先生のシリーズがあって、第1巻は「ドリトル先生のアフリカ行き」だった。すべてぶ厚い本で1冊も通して読んだ記憶がないが、ユニークな挿絵については覚えていた。小がらでプクッとしたおなかの先生が、牛の上で曲芸もどきに逆立ちしたり、棍棒でインディアンを追い払うなど首をかしげる場面はあるものの、考え方や優しさに読者の共感を得るのだろう。今も書店に並んでいるというのは。2022.2.27

  • 初心に戻った様なワクワク感が蘇りました。
    優しく勇敢なドリトル先生との旅は、不思議なもので溢れていました!

  • 「新潮文庫の100冊」の小冊子を見て福岡伸一による新訳が出ていたことを知った。単行本は2014年に発行されていたとのこと。大好きな作品なのにうかつだった。
    井伏訳の名調子を超えるのは難しいのでは?という危惧もいくらか抱きつつ読み始めたのだが、すぐにそんなことは忘れて懐かしい登場人物(動物)たちとの再会に時間を忘れた。
    福岡訳は平易でこなれた文章になっていて読みやすく、原作への愛情と尊敬が文章のはしばしまで行き渡っているのが嬉しい。
    あとがきにもあるが、いちばんの特徴はドリトル先生の口調の若々しさだろう。たしかに「航海記」の先生は温厚な紳士でありながらおそろしくパワフルな武闘派でもある(もしかしたら、パブリックスクールか大学時代になにかスポーツをやっていたか、あるいは幼少の頃から野山を駆けめぐる中で培った体力のおかげかもしれない)。
    今の基準でみるとたしかに問題と思われる部分はある。日本でもこの先英米のように多くの人種や民族の人々がいたるところで共存するようになれば、こういう作品は児童書としてはあまり表に出せなくなっていくのかもしれない。しかし、訳者も言うように作品の根底に流れているのはドリトル先生が体現している生きとし生けるものすべてへの愛と公平さである。シリーズの最後まで、ドリトル先生はその愛と公平さをいかに実現するかを考え、取り組みつづけた人だったと思う。その点はもっと評価されてもいいのではないだろうか。

  • 自分も憧れ、ドリトル先生になりたかった時間を持っていた事を鮮烈に思い出しました。福岡伸一の新訳と言うことで、久しぶりの再読でした。福岡博士の後書きにある通り、ドリトル先生は確実に若返っていました。ただ小学生の頃に読んだ頃、年齢が幾つだったら闘牛の角で逆立ちできて、隣の部族と戦えるか、老いという概念も無かった事にも思い至りました。当時は大人は無限に強いものだった。老いの悲しさも知る年齢になりながら、ドリトル先生に今なお憧れる気持ちが自分の中に残っていたことが何よりの福音でした。

    Do little / Think a lot

    考える人のバックナンバーは売り切れているものの、ウェブで記事内容は読めますね。パドルビー(ブリストルの近く)、いつか尋ねて見たいものです。

  • この世に一匹の大ガラス海カタツムリに乗ってイギリスに帰るのが意外でびっくりした。

  • 先生が話せるのは動物の言葉だけではなかった――。一人ぼっちの子どもだった大人たちへ、新訳完成。「小学生の頃にこの本と出会って以来、ずっとスタビンズ少年になりたかった。そしてドリトル先生のような博物学者になろうと決めた」という福岡伸一、長年の念願であった訳業なる!あらゆる子どもたちが出会うべき公正な大人、ドリトル先生の大航海がふたたび始まる。原著初版に忠実な訳文とブック・デザイン。

    実は今まで未読だったドリトル先生シリーズ。いつか読みたいと思いつつ、新訳がきっかけでようやく先生に出会えました。小太りでお茶目で、誰より動物たちを愛しているドリトル先生。どんなことも解決してしまう不思議で優しいキャラクター。こんな先生いたら博物学者に憧れる子供が続出なのは納得ですね。トミー少年も虜になるわけです。いろんな動物たちとふれあい自然を愛する先生を通して、子供たちにそういう大人になってほしいという願いもこめていたのかなぁなんて大人の目線を感じたり。イラストがロフティング本人のものということで、とてもかわいい。表紙も素敵。

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著者プロフィール

1886~1947年。アイルランド人の母を持つ、イギリス生まれのアメリカの児童小説家。代表作は、この「ドリトル先生」シリーズ。2作目『ドリトル先生航海記』で、ニューベリー賞を受賞。

「2017年 『新訳ドリトル先生シリーズ全14巻セット 番外編『ガブガブの本』と日本初公開の短編もふくむ完全版 豪華BOX入り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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