漱石とその時代 第2部 (新潮選書)

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著者 : 江藤淳
  • 新潮社 (1970年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106001277

漱石とその時代 第2部 (新潮選書)の感想・レビュー・書評

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  • 5月新着

  •  江藤淳の漱石評伝、第二部。熊本五高教員時代から、イギリス留学を経て『吾輩は猫である』執筆に至るまで。漱石が五高で「教頭心得」に任じられるほど、学校内での能吏としての一面を持っていたというのは、なかなか新鮮な発見だった。
     驚倒すべき強引な解釈は相変わらずだが、ここまで徹底されるとそれはそれでいいかと思い始めてしまう自分がいる。それではいけない、と言いきかせる。
     
     タイトル『漱石とその時代』が物語るように、漱石の生と〈明治〉を重ねようと、執拗にカット・バックが繰り返されるのだが、書けば書くほど、むしろ「重ならなさ」の方が目についてしまう。江藤はひょっとして、司馬遼太郎『坂の上の雲』のような仕事を漱石でやってみたかったのかもしれない。しかし、明治20年代の青年たちと漱石とは、同じ時を生きていたにしても、社会や政治とのかかわりかたがあまりにも異なる。イギリス文学を専攻した漱石は、個人と社会・個人と国家の「青春」が重なり合うような場所にはいなかったし、そのズレじたいが何らかのドラマを生むような場所にさえいなかった。現代に生きる私たち同様、単に自らが投げ込まれた時代と社会の中でもがいていただけなのだ。
     
     それにしても、漱石の「留学」とは、いまでいうところのそれと同じ意味で考えていいのだろうか? 確かに国費(官費)ではある。しかし、特定の大学に所属しているわけではまったくないから、制度からは外れている。これはもう少し掘り下げてみよう。

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