慰安婦と戦場の性 (新潮選書)

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著者 : 秦郁彦
  • 新潮社 (1999年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106005657

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慰安婦と戦場の性 (新潮選書)の感想・レビュー・書評

  • 著者本人は学術的に書いているとしているが、資料や証言について、どういった基準で取捨選択しているのか不明。
    「女郎の身の上話は信用できない」
    「当の私自身も若い頃に似たような苦い思いをかみしめたことがある」と個人的体験談を基準に執筆しているようだ。

  • 慰安婦問題は見解が分かれていることを知っていたので、両者の意見を読みたいと思い、「従軍慰安婦」の著者吉見義明と対立しているっぽいこの人の一冊を。
    「女郎の身の上話」「知力が低く、おだてにのりやすい」といったあのな的な表現が随所に飛び出してくるので選択を間違ったかな、と思いつつ。

    著者の主張はつまるところ、
    ・強制連行を「告白」した吉田清治の談話は詐話である
    ・朝鮮人「元慰安婦」の告発(強制連行)が事実であると確認できた例はひとつもない
    ということのようだ。たしかに前者は眉唾なようだが、日本軍の強制連行については、オランダ人女性が無理やり慰安婦にされたジャワ島スラマン慰安婦事件がBC級戦犯裁判で裁かれて死刑を含む有罪判決が出た、という話がこの本の中に入っている(冤罪だ、というならまた別の話だが)。オランダ人は強制連行したけれど、朝鮮人はしてません、というのは説得力のない話ではある。

    「やっていない」証明は非常に難しいが、「やった」証明はそれほどでもないはずなので、そこに焦点を絞って証拠調べをすれば済む話だと思う。吉見義明が論拠の一部としている「防衛庁防衛研究所にあった6点」を含む60数点の資料の評価が見当たらないのはなぜだろう?

  • クマラスワミ報告書は学生レポートなら落第点。官憲による「強制連行」の存在を申し立てているのは、日本人では吉田清治の告白のみ、後は元慰安婦たちの証言だけ。しかし最終的には、河野談話を引用する形で「慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが-官憲等が直接間接的にこれに関与したこともあった。」と女史は結論した。
    秦郁彦氏は、最も事情に精通する元憲兵からのヒアリングに重点を置いた。

  •  近代以前の性風俗から現代を考えようとするときに、どうしても立ちはだかるのがこの「戦時下の性」であるわけで。
     研究者のどなたかが言っておられたが近代以降の性風俗というのはややこしくて興味がわかないという指摘があったように、確かにこの戦時下の性はあまりにも周辺事項が多すぎて、純粋な考察が難しいだろうなという印象である。
     それこそ太平洋戦争となるといまだに生存者はいるわけだし、あるいは加害者被害者ともに暗い経験を持つ人もいるだろう。従軍経験者がほぼいなくなるだろう20年30年後となるとわからないが、現時点ではまだまだ熱を帯びているテーマでもある。

     筆者は極力中立な立場で、公的な資料や裏づけの取れる証言から事実を汲み取ろうとしているように見える。それゆえに信憑性が高いような気もするし、一方で正確な証言ができなければ考慮できないという姿勢は冷酷なようにも感じられる(司法ベースで考えればやむをえないとも思うけれど)。
     昭和初期なら、平時ですら女性蔑視の風潮はまだ強かったし、非常時である戦時下においてそれが悪辣かつ巧緻に長けた形で表出することもあっただろう。日本軍が組織的、公的に慰安婦を徴発することはなかったとしても、軍の関与をほのめかす業者はいただろうし、それゆえに「日本軍に騙された、連行された」と記憶している人だっているだろう。
     今に生きる私にとっては結局「だろう」の集合体でしかないのだが、こうした資料を誰かがまとめて、轟々とした非難を浴びつつもその先に残る「検証された記録」を残していくことは、ある意味戦後を生きる私達の責任であるのかもしれない。
     最近読んだ別の本の感想にも書いたが、いま養成すべきは「語り部」よりも「聞き手」の方である。

  • 【資料ID】146613
    【分類】210.7/H41
    地理・歴史のコーナーに並んでいます。
    貸出を希望の際は、学生証と資料をメディアライブラリーカウンターまでお持ちください。

  • 基本書としてとても良く出来ていると思う。しかしそこはかとなく漂う、オヤジ臭が…どんなヤリマンでも売春が平気かどうかは全く別問題だよ。あと、このこじれまくった現状を思うと、もう…柳美里の文章が何度かひかれていて、これが私の心情には一番フィットしたので、読んでみたい。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4106005654
    ── 秦 郁彦《慰安婦と戦場の性 199906‥ 新潮選書》
     
    http://booklog.jp/author/%E7%A7%A6%E9%83%81%E5%BD%A6
     秦 郁彦  現代史 19321212 山口 /元千葉大学法経学部教授
     

  • 読みやすかったヽ(・∀・)ノ

  • 現在も同じだが、日本人を中心に日本の過去を貶めようとする輩が出現し、「人権」という言葉にアリのように群がる欧米人と、とりあえず日本にたかろうとする朝鮮・中国人が、よってたかって嘘を積み上げて現在に至る、というのが慰安婦問題だ。

    歴史を観るまたは読む、判断するときに一番大切な視点は、「現在の価値観で過去を裁いてはいけない」ということだ。この視点を持ったまま歴史から何かを学ばなければならない。そして、ただしく学ぶためには「嘘」は可能な限り排除しなければならないと思う。

    イデオロギーとか感情に流されず、資料と証言を元に淡々と事実(予想もあるが)を積み重ねていく著者の手法には感心した。何が起きて何が起きなかったのか?誰が嘘つきで、誰が真実を語っているのか?知りたかったら読んでみるしかない。

    慰安婦関係の本を何冊か読んでみたが、一番信用できるのがこの本だ。

  • 非常に客観的で、証拠のないものについてはちゃんと「わからない」と書いてある。特定の政治的主張に誘導することもない。

    時間のない方、橋下市長の発言について手っ取り早く検証したい方は
    第十二章だけでも読んでほしい。

    少なくとも、ちゃんと勉強した人だったら
    「絶対にあった」or「絶対になかった」なんて堂々と言えないと思いますよ。

  • 冗談抜きで,軍隊にとって若い兵士の性欲をいかに発散させるかってのは切実な問題なわけで。戦場での性病の蔓延や一般人への暴行を防ぐというのは万国共通の課題だった(ソ連や北朝鮮は後者を容認(奨励)したてたみたいだけど)。感情論に陥らず,当時の諸外国や戦後の趨勢も含め事実に基づく対比をしててとても勉強になる。
    公娼制を否定していた英米の軍隊も,日本軍の慰安所を流用してたそうだし。別に必要悪というわけではないけど,後世の基準で当時を批判するのは筋が悪いと思うな。関心のない人が多いのはそういうことでしょう。現代の先進国なら,本国の女性市民の監視の目,女性兵士の増加,技術革新なんかで,再び起こることはないんだろうし。不幸な時代だったんだよ。

  • いわゆる従軍慰安婦問題についての第一人者による、決定版とも言うべき一冊。<執筆に当たっては、一切の情緒論や政策論を排した。個人的な感慨や提言も加えなかった。事実と虚心に向き合うには、そうするしかないと考えたからだ>と後書きにある。「吉田清治の詐話」の章には前言はどうも当てはまらない気もするが、その他についてはおおむねそのとおりだと思う。てっとりばやく中心的な主張をつかむには、第十二章「七つの争点――Q&A」を読めば足りる。いわゆる「強制連行」が軍の手によって組織的に行われた形跡はないこと。慰安所は、戦地近くにある売春施設であり、女性は女衒が集めていたこと。前借金で縛られて自由がないこと、悪質な業者もいたことについては、戦地でも内地でも同様であったこと。慰安婦の民族については多彩で、比率としては筆頭が日本人であり、大部分が朝鮮人という説は誤りであること、などが主張である。この問題を「図式に当てはめる」ために読んだり、自己(自分を含む日本人)正当化のための読み方をすることもできる本だが、できればそうした読み方をしてほしくない。本書の記述する「戦場の性」問題を「みんなやってた」「当時はしかたなかった」ではなく、ではどうするべきだったかという問いを持ちながら、読むべきだと考えるからだ。

  • 韓国政府は、日本の植民地統治を「清算」した上で、外交関係を確立した1965年の日韓条約において、対日請求権問題について、日本から3億ドルの無償供与を受けることで「完全かつ最終的に合意されたこととなることを確認」した。さらに合意議事録には、韓国政府が提出したすべての請求は「いかなる主張もなしえないこととなることがを確認された。との文言が入った。
    山崎朋子 サンダカン八番娼館
    戦後良家の子女を守るため、連合軍兵士用に性の防波堤をという思いつきで、内務省は有力業者に話をつけ、警察力を動員して、「特殊慰安施設協会 RAA」を結成する。
    猪瀬直樹の総括 それにしてもたった一人の詐話師が、日韓問題を険悪化させ、日本の教科書を書き換えさせ、国連に報告書までつくらせたのである。虚言を弄する吉田という男は、ある意味ではもう一人の麻原彰晃と言えないか。吉田清治

  • 従軍慰安婦問題の名著とよばれているらしい。
    作者は否定、肯定の意見を言うでもなく、
    資料から実際はどうであるか検証しているので、
    あったかなかったか考えるのは読者にゆだねられている点が
    すばらしいと思う。
    検証能力も非常にすばらしく、
    そのため、非常にいい本だと思った。

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慰安婦と戦場の性 (新潮選書)の作品紹介

日本人にとって、「性」とは何か?公娼制度の変遷から「慰安婦」旋風までの全てが分かる!日本の慰安婦制度の歴史と実態をもとに、豊富な資料・証言と諸外国の事例から、拡散する慰安婦問題の論点を全て解説した決定版百科全書。

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