- Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106021190
作品紹介・あらすじ
だれもが認める20世紀建築における最大の巨人ル・コルビュジエ。でも、いったいどこがどうすごいのか?そもそもどこが巨匠たるゆえんなのか?安藤忠雄が「住宅」を切り口に、ル・コルビュジエの魅力に迫る。
感想・レビュー・書評
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建築家安藤忠雄による、コルビュジエへの想いや、裏話等が書かれた本。
コルビュジエは家具でも有名ですが、ここでは建築家に焦点があてられています。
この2人、いや1人でも興味がある人にはおすすめです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ル・コルビュジエの勇気ある住宅
(和書)2011年12月09日 16:35
2004 新潮社 安藤 忠雄
シーゲルこと飯島茂先生に借りたほんの一冊。
ル・コルビュジエさんから安藤忠雄さんが如何に影響を受けているかを知ることができる。
他に興味深いところは安藤忠雄さんの書棚を見ることができる点かな。 -
安藤忠雄は心の底からコルビュジエを尊敬して
影響をされているんだなというのが文面を通して伝わってきた。
コルビュジエの生涯を知れば知るほど
彼の頭のネジは一本か二本ぶっ飛んでいるんじゃないかって失礼なことを考えてしまった。
偉大な建築家ル・コルビュジエだけどそんな彼と
生涯を共にした奥さんのイヴォンヌも
ある意味凄い人だったんじゃないかって思った。 -
安藤さんがコルビジェ建築のことを、リアルで生活したらどういうことなのか、実際に体験してどうだったか、わかりやすく述べてます。
結構これが面白くて、実際コルビジェの作品をみる機会があったら、思い出して見てまわりたいなと思いました。 -
安藤忠雄がモダニズムの巨匠「ル・コルビジュエ」の半生を中学生でも分かる文体で解説しています。
非常に読みやすい内容。
二人の巨匠が「いかに建築に情熱を燃やしたか」を手に取るようにわかります。
キーワードは「勇気」
勇気をもって果敢にチャレンジし困難を突破する力は、まわりを引込み感動させる「熱」があります。
本書からもその「熱」を感じていただけます。
この本を読んで「建築」に興味を持ってくれる若者が増えたらとても嬉しいですね。 -
安藤忠雄が語るル・コルビュジェのヒストレー。
安藤氏は、本当にコルビュジュに感動しているのだ、とよくわかる1冊。
コルビュジジェが、17歳で初めて造ったファレ邸。初めて見た。コルビュジェは、好んでいなかったというけれど、キッチュでステキです。
後年、両親のために建てた小さな家と通じるものがあるような気がします。 -
2011.8.17 抜粋
ユニテ・ダビタシオンマルセイユ
施主と地域社会と技術者と建築家、この関係者みんながコラボレーションする -
以前、森美術館で開催されたル・コルビュジェ展を見たときに買った本。このたび上野の西洋美術館がめでたく世界遺産決定ということで読み直した(この本は住宅に特化したものなので西洋美術館のことは書かれていません)
彼の考案したドミノ・システムは建物を支えていた壁を無くし、鉄筋コンクリート製の床、柱、階段だけで構成する画期的なアイデアだった。それによって可能になった建築表現は主に5項目挙げられる。
1、ピロティ(支柱)
2、屋上庭園
3、自由な平面構造
4、水平連続窓
5、自由なファサード(立面)
これらの表現を実現したのが同様に世界遺産登録された「サヴォア邸」
文字で読んでも想像できないと思うので、知らない人はググってもらうとして、このサヴォア邸は若かりし頃の安藤さんが見に行ったときは、ほぼ廃墟同然で、わけのわからん東洋人が勝手に中に入っても誰にも咎められないような状態だった。取り壊して学校になるという寸前に時の文部大臣アンドレ・マルローが待ったをかけて、取り壊しを免れた。
でかしたアンドレ!
ちなみにアンドレ・マルロー氏は上野の西洋美術館とも因縁がある。
かの有名な美術商フェルナン・ルグロが贋作を売りつけようと西洋美術館に近づいたとき、ルグロの持ち込んだ作品を見たマルロー氏が「このような作品が海外に持ち出されてしまうことは非常に残念だ」といった趣旨の発言をしたことから、おぉ!マルロー氏がこう言ってるんだから真作に違いない!と確信した西洋美術館は、まんまと贋作を握らされた。
一言余計だアンドレ!(まあ、これはマルロー氏が悪いあけではないけど)
サヴォア邸以外に載っている建物は「ユニテ・タビタシオン」→あぁ、こんな団地に住みたい!
「ロンシャンの礼拝堂」→思わず改宗してしまいそう!
そしてル・コルビュジェの終の棲家となった「カプ・マルタンの休暇小屋」→こんな狭いとこは嫌だ!
今回の登録でおそらく、わざわざ行ったけど残念な世界遺産ナンバー1になるであろう「休暇小屋」 世界的な建築家がわざわざ作った終の棲家がこれっていうのがとても不思議だ。
ル・コルビュジェはこの小屋の前の海で泳いでいるときに心臓発作で帰らぬ人となった(自殺説もある)
彼の葬儀はルーブル宮で国葬として行われた。国葬に反対する声を説き伏せて挙行したのは文化大臣アンドレ・マルローだった。「彼はフランス文化の功労者だから」
マルロー氏がいなかったら今回の登録もなかったかもしれない。
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安藤忠雄の目を通してのコルビュジエ。もともとコルビュジエより安藤建築に馴染みがあったので、影響関係がわかるのは興味深い。個性の強い作品が8つ登場し、その建物に関する安藤さんのコラムが挟んでいるので、二人の作品を行き来しながらあっさり読み終えることができた。