宇野千代 女の一生 (とんぼの本)

  • 新潮社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106021503

作品紹介・あらすじ

桜の着物の似合うひと。いっぱい恋をしたひと。とっても長生きをしたひと…。宇野千代は明治三十(一八九七)年、山口県の岩国生まれ。名作『おはん』を生んだ作家として、モダンな着物のデザイナーとして、九十八年の生涯を夢中で駆け抜けた。その波瀾の道のりから、暮らし、食卓、ファッション、宝物、本の装いまで、"人生に恋した女"のすべてを紹介。美しく、凛々しく、幸せに生きていくことを、いま私たちに教えてくれる。

感想・レビュー・書評

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  • 宇野千代の交友関係、大事にしていたもの、着物、原稿などが、綺麗な写真とともにわかります。
    宇野さんの養女で秘書だったかたの話からも宇野さんの人柄がわかります。

  • 向田邦子とか白洲正子とか興味があるし好きなので、宇野千代のような女性も好きなんだろうけどいままであんまり触れたことがなく、ふと目に留まったこの本を読んでみた。
    かわいいおばあちゃんになってからの宇野千代さんの姿は知っているけど、何というか……ご長寿スターみたいな印象で、年を重ねても元気かくしゃくだから世のなかで受けているのかなという気でいたんだけど、戦前から活躍していた人だったんだ。しかも恋愛至上主義で奔放な恋愛で興味関心を引かれている人という印象でもあったんだけど、ファッション誌や文学誌を主宰し、着物のデザイナーであり、小説家でありと多様な場で八面六臂の活躍ぶり。文才もしっかりと備えた人だったよう。これはちかぢか、宇野千代さんの小説も読んでみないと。
    この本を読むと、恋多き女としての宇野千代さんの像が薄くなる。恋愛に限らず好きなものには何でも突っ走る人だったんだ。そして好きな人や物はとことん素直に無邪気に大切にする。そんな生き方だからあんなかわいらしいおばあちゃんになれたんだろうなあ。

  • 表紙のハイカラな衣装が一等好きです。
    文学というよりは、彼女の人生をカラー写真で追った感じ?

  • 千代の人生を彩る恋の文様や生き様を、写真つきで端的に紹介しており、とても分かりやすいし、千代の人柄をくみとれるように感じた。
    なぜ、そういう行動をとったのか?…などといった、想像をまじえることなく、表面的事実に徹しているので、読み手側なりの解釈に“千代”像が委ねられており、資料として読む側にとっては非常にありがたい。
    もっと彼女の人生を知りたくなったので、彼女をモチーフにした小説世界に踏み入ってみようと思う。

  • 宇野千代さんの一生は、美輪さんがオススメだから。

    恋愛に関して、こんな考え方もあるんだな、と思うフレーズがちょいちょい。

    8 おしゃれすれば、新しい恋はすぐみつかる。
    10千代の好奇心と行動力が、別れも引っ越しも愉しみに変えた。
    16オリーブオイルは小豆島産がお気に入り
    26「自分をほめてくれる人のそばに寄りなさい」・・・ケチをつけるような人からは「どきなさい。」
    27稼ぐという事は、先生は大切なことだと考えていた。

  • 気持ちのままに情熱的に恋をすること、宇野千代さんの大胆さはみならいたいことも。恋愛の大先輩

  • 息を呑むほどに美しい写真が満載の、まさに
    宇野千代さんのバイオグラフィー。

    着物や小物、筆箱や生原稿など、宇野千代さんの
    人柄とセンスのよさがしのばれるアイテムの数々
    は、美を怠りがちな私には強烈な刺激でさえ
    ありました。まさに、色と美に彩られた艶やかな
    人生を送った人なのだなとため息が漏れます。

    米寿のお祝いで見せた渾身の笑顔は、憎らしい
    ほどに魅力的。素敵な年の取り方をしなければ
    とてもできない美しい表情でした。

    日常のあらゆることに手を抜かず美しくあろうと
    する人生への姿勢が、こんなふうに静かに激しい
    生き方に結実したのだなと思わされる一冊。

    いつもいつも、手元において開きたい宝物の
    ようなムックといえるでしょう。

  • 雑誌編集長、モデル、小説家、デザイナーと幾つもの顔を持ち、波乱の人生を送った宇野千代さんの一生を多くの写真とエピソードで紹介している一冊で、昨年秋に発行されたもの。

    「泥棒と人殺しのほかは何でもした」と自らの人生を表現する宇野千代さんを表現する言葉は他にもたくさんある。
    「桜の着物の似合う人」「いっぱい恋をした人」「とっても長生きをした人」。
    彼女が好きだったことは、小説を書くこと、着物をデザインすること、お洒落をすること、恋をすること、とにかく人生の全てに夢中で生きていた。

    宇野千代さんが「何故、桜の花が好きか?」という問いにこう答える。
    「一言で言えば、その単純明快な形の美しさです」と。
    桜のその単純な美しさは、デザインによってさまざまな表情を生むらしい。

    桜文様の着物をたくさんデザインし、自身の米寿のお祝いにも桜の花を全身に配した桜吹雪の大振袖をまとった。
    素敵な女性です。

  • 宇野千代って…宇野千代って……おしゃれ!かくありたいと思わせる女性。

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著者プロフィール

宇野千代
明治三十年(一八九七)、山口県に生まれ岩国高等女学校卒業後、単身上京。自活のため、記者、筆耕、店員など職を転々とし、芥川龍之介はじめ多くの作家に出会い、文学の道へ。昭和三十二年(一九五七)『おはん』により女流文学者賞、野間文芸賞。四十七年、芸術院賞受賞。平成二年(一九九〇)文化功労者に選ばれた。八年(一九九六)死去。ほかの主な著書に、『色ざんげ』『生きて行く私』『宇野千代全集』(全十二巻)など。

「2023年 『九十歳、イキのいい毎日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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