ひらがなの美学 (とんぼの本)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106021589

作品紹介・あらすじ

「ひらがな」ほど、私たちにとって身近なものはない。でも、「ひらがな」には、謎が一杯。漢字からこの新しい文字が生まれたのは、今から千百年前、『古今和歌集』成立の頃。ただし、詳細は不明?しかし、それは、『源氏物語絵巻』から春画にいたる日本文化のかたちを決定づけた未曾有の大事件、日本の"ルネサンス"だった。「ひらがな」から日本を読み解く、知的刺激あふれる本。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の、矢鱈に中国を持ち上げようとする姿勢には若干違和感というか、嫌悪感を抱くものの、掛字という技法については素直に敬服した。
    濁点半濁点が付かない昔の平仮名ならではの技法が、平仮名の整理統合に依って失われたのはやはり残念に思う。

  • しばしば古筆にみられる脱字は、本当に単純なケアレスミスなのか。もしかしたら、これは掛字とでもいうべき極めて意図的な技法ではないのか。ひらがなとは一体何なのか、謎と魅力が深まっていく。歴史を振り返り美しい現字に触れながら「ひらがな」の世界を存分に堪能した。

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著者プロフィール

書家。京都精華大学客員教授。1945年福井県生まれ。京都大学法学部卒業。1990年『書の終焉 近代書史論』(同朋舎出版)でサントリー学芸賞、2004年『日本書史』(名古屋大学出版会)で毎日出版文化賞、同年日本文化デザイン賞、2009年『近代書史』で大佛次郎賞を受賞。2017年東京上野の森美術館にて『書だ!石川九楊展』を開催。『石川九楊著作集』全十二巻(ミネルヴァ書房)、『石川九楊自伝図録 わが書を語る』のほか、主な著書に『中國書史』(京都大学学術出版会)、『二重言語国家・日本』(中公文庫)、『日本語とはどういう言語か』(講談社学術文庫)、『説き語り 日本書史』(新潮選書)、『説き語り 中国書史』(新潮選書)、『書く 言葉・文字・書』(中公新書)、『筆蝕の構造』(ちくま学芸文庫)、『九楊先生の文字学入門』(左右社)、『河東碧梧桐 表現の永続革命』(文藝春秋)、編著書に『書の宇宙』全二十四冊(二玄社)、『蒼海 副島種臣書』(二玄社)、『書家』(新書館)、作品集に『自選自註 石川九楊作品集』(新潮社)、『石川九楊源氏物語書巻五十五帖』(求龍堂)などがある。

「2022年 『石川九楊作品集 俳句の臨界 河東碧梧桐一〇九句選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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