ビートルズへの旅 (とんぼの本)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106021701

感想・レビュー・書評

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  • かつてビートルズが過ごした場所の写真と、現在のリリー・フランキーさんの旅情を感じる文章。

    不信感と喪失感を持って生きているリリー・フランキーさんにとって、ジョン・レノンがオノ・ヨーコと出会って変わっていく姿は、憧れだったそうだ。

    リリー・フランキーさんだって大きな愛に囲まれているひとのように見えるけどなあ。
    (写真に添えられたリリーさんの手書きの文章は気取ってる感じがして、読みながらすこし照れ臭かった)

    愚直に愛を信じることは恥ずかしい。なぜかといえば、自信がないからだと思う。自分を信じることができないから、他者に不信感を持って、勝手に喪失感を味わっている。自分のことだ。

    ビートルズのベストアルバムを近所の中古CD屋で買ったころのことを思い出す。当時、バスケ部の地区選抜に選ばれた自分は、選抜チームの練習にビビっていた。
    母親の車で練習会場まで連れて行ってもらうとき、ビートルズを録音したテープを流した。ハイポジと書かれたテープだった。
    車のスピーカーから流れてくるビートルズは、自分の部屋のステレオから流れるときとまったく変わらずにシーラブズユーイエ―イエーイエー!と歌っていた。
    2時間くらいの練習を終えて、迎えに来てくれた母親の車のなかでも同じようにジョンとポールは歌っていた。
    いま、ワイヤレスヘッドホンで聴いてもビートルズはビートルズだ。あの頃の母親はどんな気分だったんだろう。中学生だったころの自分より、当時の母親のほうがいまの自分の年齢に近いことに気づく。
    母親も中学生くらいでビートルズに出会ったのかな。

著者プロフィール

1963年生まれ、福岡県出身。 武蔵野美術大学を卒業。 俳優業のほか、文筆家、小説家、絵本作家、写真家、アートディレクター、作詞・作曲など幅広く活躍。自身初の長編小説『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』(扶桑社)が06年、本屋大賞を受賞。200万部以上の大ベストセラーとなり、映画化をはじめ、ドラマ化、舞台化された。著書は『美女と野球』『エコラム』など。初のひとり芝居に挑んだ映画『その日、カレーライスができるまで』が公開中

「2022年 『細野晴臣 夢十夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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