林芙美子―女のひとり旅 (とんぼの本)

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  • 新潮社 (2010年11月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (135ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106022128

林芙美子―女のひとり旅 (とんぼの本)の感想・レビュー・書評

  • 林芙美子って、誰に植えつけられた印象だか、フーテンのだらしない人っていうイメージだったんだけど、この本で印象が変わった。彼女の作品を読んでみたいと思うようになった。
    世の中にはどうしても放浪してしまう人がいる。本人が旅好きというのでなくても、落ち着くことと縁がない人というのがいるものだ。林芙美子もそんな人のような気がする。それは言い方を換えれば、常に変わろうとしている人ということでもあるのかな。
    中井に彼女が建てた家へのこだわりや養子にした男の子と食事をしている写真などを見ると、ちょっとセンチな気持ちになった。「ああ、ようやく落ち着きどころが見つかったんだね」と。
    ところで、エッセイ1編寄せただけで著者にされてしまうとは、角田光代さんが気の毒な気がしてしまう。こういう本の作りかたってしてほしくないな。本への信頼が揺らぐと思う。

  • たとえば門司も尾道も行ったことがないのに、芙美子の文章を読んでいると煤けた炭鉱町や、山を背にして臨む光る海が鮮やかに浮かぶ。よく日に焼けた畳のような懐かしさを感じ、私も同じ風土の人間なのだとつくづくと思う。十二の時に直方で一つ一銭のアンパンを売り歩きながら見た炭鉱夫や露店商人達の様子を活写する。銀座の木村屋の前では、紫色の餡入りの甘いパンは一体何処のどなたさまの胃袋に、とつぶやく。淡々とした描写の中に、困窮しながらもしっかりと働く生活者の眼差しがあり、その素直さに虚をつかれた思いがした。

  • 女のひとり旅というタイトルなので、もっと旅ログ的なものかと思ったら、彼女の文章とともに、彼女の人生にゆかりのある場所を辿る一冊でした。

    苦労されて人気作家になり、その地位を守るためにさらに苦労されるといった暮らしだったのでしょうか?
    食べるものや住む家に困らないということの大切さ、ありがたさは、わたしも共感するところであります。

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林芙美子―女のひとり旅 (とんぼの本)の作品紹介

芙美子が人生の節目に旅し、愛した場所を、彼女自身の時にわくわく、時にしみじみとした紀行文を読みながらたどる。

林芙美子―女のひとり旅 (とんぼの本)はこんな本です

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