沢村貞子の献立日記 (とんぼの本)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106022364

感想・レビュー・書評

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  • 沢村貞子さんというと、ちょっと意地悪でキツイお姑さん、というドラマのイメージが強い名脇役でいらっしゃいましたが、【「女優」と「家庭」のどちらをとるか・・・などと悩んだことはありません。女優はやめることがあっても、暮らしをやめることはないからです。】
    とおっしゃるとおり、実に家庭的な方です。
    沢村さんは、57歳から84歳まで27年間、1日も欠かさず「献立日記」というものをつけておられました。
    それは大学ノートを5段ほどに区切って、日付(天気と気温が書いてあることも)と献立が書いてあるだけですが、
    献立に使った材料だとか、誰それからの頂き物だとか、ちょこちょこと書かれていたり、それらを眺めていると、まるで沢村さんの丁寧な暮らしぶりがうかがえるようです。
    その中から、フードコーディネーターの高橋みどりさんが、ある日の食卓、というように献立を再現されています。
    それは豪華ではないけれど、彩りよく、バランスよく、しみじみ日本の食卓だなぁ、と思わせるものです。
    沢村さんのご主人は、新聞記者だった大橋恭彦さん、熱愛の末一緒になられた、その時から沢村さんは献立日記をつけられているのだろうと思います。
    家族のおいしそうな顔、家族の健康を気遣いながら、主婦はそういう張り合いを持って、日々食事作りをしていると思いますから。
    献立日記は、ある年の11月の朝食で途切れています。
    多分、ご主人がもう普通の食事がとれなくなったんだと思います。
    こういう暮らし方をされる沢村さんですから、自分ひとりになっても、食事を抜いたり、出来合のものですましたりそんなことはされなかったと思うのですが、やはり張り合いというものを無くされたんだと思います。
    「女は泣いてちゃいけないよ、おまんまの支度ができないからね」こう言って小さい頃からお母さんに台所仕事を仕込まれたといいます。このお母さんもえらいなぁ。

  • 『第三者から見た沢村貞子』を紹介する本。

    黒柳徹子さんの沢村貞子さんに寄せる思いに、古い民芸カレンダーに包まれた献立日記がずらり勢ぞろいしている様に、心打たれました。

  • 沢村貞子のエッセイの中の献立が、実際写真付き、分量付きで載っています。昭和の食卓です。沢村貞子の日々の細やかな心配りを感じます。

  • 黒柳氏の文章で号泣。

  • ステキだったけど、やはり本人による文章で読むほうがいいね。佐島のマンションを葉山て編集で書いてたりね、気になります。

  • 沢村貞子・入門編と言える一冊。とても丁寧にまとめられている。

著者プロフィール

スタイリスト。1957年群馬県生まれ、東京で育つ。女子美術大学短期大学部で陶芸を専攻後、テキスタイルを学ぶ。大橋歩事務所のスタッフ、ケータリング活動を経て、1987年にフリーで活動をスタート。おもに料理本のスタイリングを手掛け、100冊以上の本にかかわる。著書に『うちの器』、『伝言レシピ』、『ヨーガンレールの社員食堂』『おいしい時間』、共著に『毎日つかう漆のうつわ』、『沢村貞子の献立日記』などがある。栃木県の黒磯でセレクトショップを営み、現在は東京と黒磯の二拠点生活を送っている。

「2021年 『人と暮らしと、台所~夏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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