誰も知らないラファエッロ (とんぼの本)

  • 新潮社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106022425

作品紹介・あらすじ

ルネサンスの「理想美」を描いた早世の天才画家の未だ知られざる貌とは? 柔和で穏やかな聖母子像、登場人物たちが完全に調和した大壁画。目も綾な色彩の妙と抜群の構成力で、古典主義の範を創り上げ、西洋美術史にレオナルド、ミケランジェロをも凌駕する多大な影響を及ぼした。美丈夫で人柄も良く、万人から愛された天才画家の、意外な前衛性や企業家としての才覚、建築の仕事などにスポットを当てる。

感想・レビュー・書評

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  • 読書録「誰も知らないラファエッロ」3

    著者 石鍋真澄、堀江敏幸
    出版 新潮社

    p46より引用
    “つまりラファエッロは、中部イタリアの優
    れた画家を広く学んだと思われるのであ
    る。”

    目次から抜粋引用
    “優雅な首
     知られざるラファエッロ
     神童、飛翔をはじめる
     ヴァチカン宮の壁画でブレイク
     ラファエッロ&カンパニーの躍進”

     美術史家と作家二人による、ルネサンス期
    を代表する画家・ラファエッロについて書か
    れた一冊。
     生まれ故郷についてから各作品の解説や彼
    を中心とした人物相関図まで、彼が偉大な画
    家になる背景などが詳しく解説されています。

     上記の引用は、ラファエッロの初期作品か
    ら見える他の優れた画家の影響について書か
    れた一節。
    どんな優れた才能の持ち主でも、まず最初は
    先人をしっかりと真似ることから始めるよう
    です。本当の意味で独創的なものは、誰にも
    理解してもらえないとは、何処かで読んだ気
    がします。人に認めてもらうためには、周り
    の人が理解できるように、何かをしなければ
    ならないのでしょうね。
     巻末にラファエッロの絵が見られる場所が
    紹介されていますが、まあ当たり前かもしれ
    ませんが、海外ばかりです。実物を見に行く
    ためには、貯金とスケジュール調整に本気で
    とりかからなければならないでしょうね。

    ーーーーー

  • ラファエロの絵画と生涯を簡潔に描いた一冊。
    ラファエロをめぐる7つの質問がコラムとして書かれていてわかりやすい。
    彼のゆかりの地、ウルビーノ、シエナ、フィレンツェ、ローマも紹介され、ラファエロの作品が観れる場所も紹介されている。

    ラファエロの絵の背景や細かいところをよく見ると、思いもよらない発見があって面白い。
    背景に隕石が落ちてるのはびっくり。
    こういう細かいところを学んでから見に行けばよかった。

  • (2013.05.24読了)(拝借)
    ラファエロの展覧会が開かれています。
    ラファエロ
    主催:読売新聞社、日本テレビ放送網
    会場:国立西洋美術館
    会期:2013年3月2日(土)~6月2日(日)
    観覧料金:一般1,500円
    本展にはペルジーノらの影響が色濃く残る修業時代の作品から、ローマ教皇のもとで数々の大規模プロジェクトに携わった晩年の作品まで、20点以上のラファエロ作品が集結します。さらにラファエロの周辺で活動した画家たちや、彼の原画による版画、それを図案化した工芸品等に至るまでを合わせ、計約60点が会場に並びます。(ホームページより)

    この本は、この展覧会に合わせて出版されました。岩手県の沿岸南部に住んでいるぼくには、なかなか見に行くことはできないので、本でも眺めて我慢するしかありません。
    とはいえ、ラファエロの絵画は、1974年のヨーロッパの美術館巡りのツアーで結構見ています。この本に掲載されている絵画作品も見覚えのあるものが多々あります。
    見た事があれば、もう見なくてもいいというわけではないのですが。
    この本の最後の方にもラファエロの作品が見れる美術館が紹介してありますが、そのうちのイカの美術館は、ツアーで見ています。
    イタリア・ローマのヴァチカン宮殿、ヴァチカン美術館、ボルゲーゼ美術館、フィレンツェのウフィツィ美術館、ピッティ宮殿・パラティーナ美術館、ミラノのブレラ絵画館。
    スペイン・マドリードのプラド美術館、フランス・パリのルーヴル美術館、イギリス・ロンドンのナショナル・ギャラリー、ドイツ・ミュンヘンのアルテ・ピナコテーク、オーストリア・ウィーンのウィーン美術史美術館、ロシア・サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館。
    ラファエロの魅力はなんといっても聖母子像でしょう。いろんな聖母子像を描いていますが、どれも、どうしてこのような理想的な聖母描くことができたのでしょう。ちょうどそのようなモデルがいたからというわけではないでしょう。

    【目次】
    優雅な首 アンリ・フォションのラファエッロ  堀江敏幸
    知られざるラファエッロ  石鍋真澄
    第Ⅰ章 神童、飛翔をはじめる 故郷ウルビーノからフィレンツェまで
    第Ⅱ章 ヴァチカン宮の壁画でブレイク 教皇ユリウスⅡ世の時代
    第Ⅲ章 ラファエッロ&カンパニーの躍進 教皇レオⅩ世の時代
    ラファエッロを囲む人びと
    ラファエッロをめぐる七つの質問
    1どのようにして絵を学んだのでしょうか?
    2レオナルド・ダ・ヴィンチに会いにいった?
    3ミケランジェロとはライバルだった?
    4パトロンだった二人の教皇は、どんな人たちでしたか?
    5女たらしだったとか?
    6経営者としてのセンスもあったのですか?
    7後世、とくに影響を受けた画家は誰?
    ラファエッロ四都物語
     ウルビーノ
     シエナ
     フィレンツェ
     ローマ
    ラファエッロ三十七年の生涯
    ROMAラファエッロ散歩
    ラファエッロの主な作品が見られるところ

    ☆関連図書(既読)
    「ラファエルロ」若桑みどり著、新潮美術文庫、1975.08.25
    「ラファエロ―その愛」里中満智子著、美術出版社、1996.06.20
    (2013年5月25日・記)
    内容紹介 amazon
    ルネサンスの「理想美」を描いた早世の天才画家の未だ知られざる貌とは? 柔和で穏やかな聖母子像、登場人物たちが完全に調和した大壁画。目も綾な色彩の妙と抜群の構成力で、古典主義の範を創り上げ、西洋美術史にレオナルド、ミケランジェロをも凌駕する多大な影響を及ぼした。美丈夫で人柄も良く、万人から愛された天才画家の、意外な前衛性や企業家としての才覚、建築の仕事などにスポットを当てる。

  • 優美なる全体

    近々ラファエッロ展へ行く予定があるため、予習として読んだ。
    何となくイメージとして、聖母子像の柔らかい絵を描くイメージがあった。
    その印象はもちろん解説されたが、それ以外にもダイナミックな活躍を表す作品もあり、時代の寵児としてさぞもてはやされたことだろう、と思う。

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著者プロフィール

【石鍋真澄】成城大学文芸学部教授

「2016年 『ピエロ・デッラ・フランチェスカ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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