地元菓子 (とんぼの本)

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著者 : 若菜晃子
  • 新潮社 (2013年5月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106022456

地元菓子 (とんぼの本)の感想・レビュー・書評

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  • お菓子の本もいろいろありますが、
    単に、和菓子・洋菓子・名店等の括りではない
    考察が多くて、ユニークで楽しめました。
    関東に“伊勢屋”が多い理由とか、
    松本や水戸のように地図でしめされると菓子店が多いのが
    一目瞭然だったり、地元の袋菓子、全国のカタパン、
    桜餅は道明寺派?長明寺派?
    お餅を包む葉のいろいろ・・・等、切り口が実に面白いのです。
    旅行に行ったとき、その地元菓子を見る目が変わりますね、
    きっと。

  • 誰しも幼い日の記憶の中には、大好きだったおやつ、おいしかったお菓子の思い出があるはずだ。
    なくても生きてはいけるけれど、あると人生が豊かになる。それがお菓子。
    本書は遠い日の記憶をそっと呼び起こすような、楽しい懐かしい1冊である。

    「地元菓子」とは何か。名物やおみやげの類かと思うとちょっと違う。
    土地には、その地に根ざした菓子がある。
    よそゆきでない、普段遣いの、派手さはないが、ほっとする、いつもの「あれ」。
    菓子好き、旅好きの著者が、実際に各地を歩き、見つけ、味わった菓子を、あれこれと集めたのが本書だ。
    薄いけれども内容はてんこ盛り。豊富な写真、詳細な地図、細かな文字のエッセイ。どのページをめくってもお菓子愛にあふれている。

    中には日本三代名菓の1つというようなよく知られているものも取り上げられているけれども、登場する多くは素朴な菓子である。
    カタパンと呼ばれる小麦粉に砂糖をまぜて焼いた堅い菓子。昔菓子と呼ばれるようなものだが、各地、各店で驚くほど違う。それぞれのカタパンはそれぞれの地の歴史の生まれ、生き抜いてきている。素朴な菓子の向こう側に気候や風土も見えてくるようでもある。
    桜餅は、東に多く見られるクレープ状の「長命寺」と、つぶつぶした道明寺粉を使う西の「道明寺」に大別される。さて、その境界はどこか。基本は天竜川/フォッサマグナだが、新潟は京文化の流れで「道明寺」が多いというのがおもしろいところ。
    旅人の疲れを癒したのが峠の餅、川越の餅。腹が減っては難所を越えられぬ。峠や川辺に餅を売る茶店が多かったのはそのためだ。安倍川餅、笹子餅、土地の名前が付く餅は、街道の名物として今も残る。

    人々に親しまれてきたのは、和菓子ばかりではない。
    バウムクーヘンやクッキー、ケーキやチョコレート。
    ちょっとハイカラ、ちょっと異国情緒を漂わせる洋菓子も多い。
    著者が旅先で懐かしさを覚えた洋菓子屋。店主と話をしてみると、実は著者が慣れ親しんでいた神戸の洋菓子屋で修行した経験があったという。
    大きな街で修行し、やがて地元へ帰っていった職人たち。あちらこちらで菓子の系譜は受け継がれ、続いていくのだ。地方の小さな店を守る、職人たちの矜恃とともに。

    読んでいて、ふと思い出した菓子がある。
    1つは和菓子の「蒸し菓子」。慶事の引き出物といえば、たいがいこれだった。どっかりと大きい鯛や松竹梅、めでたい意匠を象った餡もの。練り切りのようなものかと思うが、今の時代の練り切りよりもっちり堅かったような気がする。あれは、おそらく、自分の地元に特有のものだったのではないか。
    甘い物がそれほど好きではなかった母は、もらうと「またこれか」とうんざり顔だったが、自分は結構好きだった。とはいえ、重箱一段分のそれらは、確かにちょっと飽きの来るものではあった。甘い物が貴重だった時代の名残だったのか。そういえばあの頃、慶事・弔事ともに、角砂糖の引き出物も多かったように思う。

    もう1つの懐かしい菓子は、洋菓子の「マーブルケーキ」。家からちょっと離れた商店街にあった小さなケーキ屋のもの。今はもう廃業されていると思う。
    白い箱にみっちりとはいった四角いケーキ。下はマーブル状のスポンジ、上にやはりマーブル模様の薄い板状のチョコレートがコーティングされている。スポンジの間にクリームが挟んであったかもしれない。ポイントはピースではなく、ホールであること。これが食べられるのは、父の同僚のお客さんが来たときだけだ。当時は珍しい単身赴任だったこのお客さんは、うちにお呼ばれするときには、必ずこれをおみやげに買ってきてくれた。ケーキをもらったから言うわけではないが、子供好きで陽気な楽しいおじさんだった。もしかしたら一人暮らしがちょっぴり淋しくて、自分の子供が恋しかったのかもしれない、と今では思う。

    プルーストの「失われた時を求めて」では、記憶を呼び覚ますのはマドレーヌだった。
    心に眠る懐かしい思い出をそっと連れてくるのは、甘い香りなのかもしれない。

  • 5-1-5

  • 日本国内、各地の地元の菓子(主に和菓子)の本。
    写真中心ではなく、文章の方が比重が大きいか。
    でも、様々に美味しそうな、時に珍しいお菓子の数々。同じと思われる菓子も、地方により様々なバリエーションが。
    地元の風景や歴史・文化にも触れながら、店主や売り子さんたちの織り成す雰囲気を、これまた味わい深い文章で綴っていて楽しめる。
    はんなりと、ニヤニヤしながら読み進められるので、電車内とか人目のある所では見ない方が良いかも知れません。
    甘いお菓子に限られないので、辛党の方にも楽しめるのではと。

  • とってもよかった。日常生活に関係のない本。日々の色々を忘れさせてくれるのにうってつけ。

  • その土地の
    食べ物とか
    お土産とか

    すごく魅力的

    わたしの地元のお菓子も
    結構紹介されていて
    食べに行きたくなりました

  • 長命寺派の桜餅を食べてみたい!あくまきは小さい頃鹿児島へ行くともたされてたなぁ。一切れなら美味しいんだけど、あれ1本となると結構辛かった記憶(笑)きな粉砂糖かけて食べてましたよ。鼈甲色の飴の入った瓶を見たら食べたくなりました。あの素朴な味♪あと美味しい酒饅頭食べたい!←食べたいばかり(笑)

  • 日本全国の 地元に根ざしたお菓子の本です。スナック菓子ばっかりでない 懐かしい物が満載♪ 自分の近くの地元菓子も探してみたくなります。 

  • 暮しの手帖の「徒歩旅行」とそっくりだと思っていたら、なんと同じ著者だった。

  • 地元のお菓子っていうものは、全然知らない土地の知らないお菓子でも、郷愁を感じます。食べてみたいお菓子がたくさん。私のふるさと北海道のお菓子が少なかったのはちょっと残念。でも小樽のあのお菓子が食べたいなぁとか、懐かしい気持ちになりました。

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地元菓子 (とんぼの本)の作品紹介

初めてなのに懐しい。「地元菓子」をめぐる旅。ところ変わればお菓子も変わる。「そこ」に行かなければ出会えない、愛すべき「地元菓子」をめぐる旅。一色のえびせん街道、銚子の木の葉パン、桜餅は長命寺?  道明寺? バターせんべい伝播の謎、雪国の冬は水ようかん、各地の買い食い図鑑、東海地方のあんこ愛、そして九州へ餅の旅。「地方出身女子の甘い記憶」座談会も。

地元菓子 (とんぼの本)はこんな本です

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