写楽・考 (新潮エンターテインメント倶楽部SS 蓮丈那智フィールドファイル 3)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106026584

作品紹介・あらすじ

表層に囚われては、未知を射抜くことはできない。理性に拘泥しては、あり得べき真実に至ることはできない。想像を放棄しては、歴史を覆すことはできない。まったく新しい切り口で「あの絵師」の謎に迫る、民俗学ミステリ、シリーズ最新刊。またしても暴かれる歴史の闇。異端の民俗学者が、日本美術史上最大の謎、「あの絵師」に挑む。

感想・レビュー・書評

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  • 蓮丈那智フィールドファイルシリーズ第三作。
    憑代、鳥居、保食神、そしてカメラ・オブスキャラ。
    狐目の存在感が更に増していて、表題作ではついに彼の名前が明らかになる。今まで敢えて伏せていたことに意味があるのかどうかは不明だが、彼が民俗学研究者として再スタートを切ることになるのか。
    冬狐堂の陶子も再登場、助手の佐江も頑張っていて、なんだか内藤の役回りが三枚目以下になっているような。
    那智はますます唯我独尊、どれほどのトラブルにも臆せず内藤らを振り回す。
    内藤の胃の状態が心配。
    鳥居と破壊される神の説は面白かった。

  • 回を重ねるごとに登場人物たちの関係性が深まり面白い。

  • 神社本体が付属物で鳥居そのものが信仰の中心…?
    絵師になりたかった写楽が箱を持ち出した…?
    面白い!
    何故ずっと高杉の名を伏せていたのか。今回も名前を出す前に「…さん」と、思わせ振りな箇所があり、最終話で存在感を増した高杉が気になります。

  • 民俗学ミステリ、第3弾。新しい助手、佐江由美子がレギュラーになったり、事務員の狐目さんが本名を明らかにして謎解きに関わってきたりと、いろいろ新しい展開になっています。その分那智の支配力が薄れてきた感じで、ちょっと寂しいですね。全体的に最後の表題作が美味しいところを全部持って行った感じで、他の話はかわいそう。それにしても「仮想民俗学序説」、すごいですね。民俗学の新たな一歩になりそう。こういう探究を忘れないのが、このシリーズの好きなところです。

  • 蓮杖那智シリーズ3冊目。本書で初めて教務課のキツネ目の男の名前が判明し、かつ出番も俄然多くなる。また、那智と三國の距離も少しだが、また近づいたような気がした。本書表題の短編、「写楽・考」の発想が凄し。

  • 3巻も面白かったーこのシリーズは淡々としてるとこが好き
    時々カタカナ混じりの口調とか気になるんだけど今回は最後の一文がめっちゃ気になった…あれはない…

  • シリーズ第三弾。
    短編集で物足りなかったが表題作は面白かった。
    他の方の感想を見ているとシリーズ外で読んでおくべき作品があったようで残念。

  • 蓮丈那智フィールドワークシリーズ第3弾。
    話の展開がやや強引というか、急に降って湧いた感じもあって最初は??という感じでしたが、後半はなかなか面白く読む事が出来ました。
    謎の提示がイキナリな感じですが、謎解きに至っては今までのシリーズ同様に楽しかったです。

  • 短編が4話でどれも面白かったです。タイトルはその短編の1つですが、「写楽」という点ではちょっと肩すかしだったかな。という気はしました。写楽では島田荘司さんの本が一級品というか、一番「ありえそう」な話かなと思ってます。この本で語られる「写楽・考」も根幹の考え方は同じなのかもしれません。ただ、話そのものは「肩すかし」はくらいますけど。

  • (収録作品)憑代忌/湖底祀/棄神祭/写楽・考

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著者プロフィール

1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。’95 年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川 哲也賞を受賞しデビュー。’99 年『花の下にて春死なむ』(本書)で第 52 回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門を受賞した。他の著書に、本書と『花の下にて春死なむ』『桜宵』『螢坂』の〈香菜里屋〉シリーズ、骨董を舞台にした〈旗師・冬狐堂〉シリーズ 、民俗学をテーマとした〈蓮丈那智フィールドファイル〉シリーズなど多数。2010 年 1月逝去。

「2021年 『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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