- Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106027475
感想・レビュー・書評
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原子力は人類が手にした叡智なのか。神のみに与えられた「火」なのか。
震災を乗り越えた日本人にとっては、それ以前とは異なる読み方になっているのではないか。それが作者の本来の意図により近づいたのではないかと想像する。
原子力という力。しかしその力を振るうための準備は整っているのか。平和を前提に、さまざまなリスクに片目をつぶり、経済効果のみに目がくらんでいるのではないか。
元スパイが原子力という大きな波にもまれ、ソヴィエト、アメリカ、北朝鮮の各国が権謀術策を繰り広げる。が、スパイ小説というジャンルで読もうとすると的外れな思いがする。
淡々と続く内省が、読み急ごうとする読者の思いにブレーキをかける。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
週刊ブックレヴューで、児玉清さんが「高村さんの書く小説は、食べ物がおいしそう」というコメントをしていたが、そのとおり。
ウォッカを飲んでレバにらが食べたくなった。
細かいところがていねいに書かれているので、登場人物の個性が際立ち、魅力的である。 -
正直つまらんなーと思いながら読んでたけど、読み終わるとストーリーからキャラから色々覚えてる不思議な本だった
ふつうの技術者がいろいろあって突然核融合炉に飛び込みたくなる話
主人公の隠し子(かもしれない人)が散々名前出てきて結局登場しなくて妙な余韻が残った -
島田と日野、この二人に尽きる。
ここまで人に執着してみたいと思える一冊。 -
恐らく緻密であっただろう取材の上になりたつ話。こんなのを書くには凄まじい集中力が必要なんだろうなぁ。
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基本的に男わかってね
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上下巻で文庫版もアリ。