ラッシュライフ (新潮ミステリー倶楽部)

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著者 : 伊坂幸太郎
  • 新潮社 (2002年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106027703

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ラッシュライフ (新潮ミステリー倶楽部)の感想・レビュー・書評

  • 泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体・・・。併走する4つの物語、交錯する10人以上の人生、その果てに待つ意外な結末とは・・・。

    最近怒涛の勢いで映像化されている「伊坂幸太郎」作品の中で、僕の最も好きな作品です。点と点が見事に繋がっていく中盤以降の展開が、読み手を「早く次のページへ!」という感覚に誘ってくれます。そして、バラバラだった物語が一つに結集したとき、表紙の絵柄(ハードカバーではエッシャーの騙し絵でしたが、文庫本では違うようなので残念です・・・)に、各人物の物語が収まったときの爽快感はもう格別です。その結果を踏まえて更に読み直すと、登場人物の行動や言葉に秘められた伏線、作者によって微妙に構成された時系列に気づき、一回目読んだときより更に深い面白みが出てきます。

    読了後、ふと考えさせられるのは「人生は誰もが主役で、誰もが脇役なのである」という点です。普段生活していて、至極当然なのですがあまり意識することの無い「脇役である他人」の行動がもたらす自分への影響。そして他人にとって「脇役としての自分」の行動が与える影響。誰かの人生が僕の人生の端っこで繋がっていて、結果的に自分の人生を作り上げていっているのだな、と再認識しました。

    このレビューを読んでいるアナタは「僕にとっての脇役」で、僕は「アナタにとっての脇役」。一生顔を合わせることがないかもしれないですが、もしかしたら、アナタがこのレビューを読む前にとった行動が、僕の運命を大きく左右しているかもしれません。もちろん、僕がこのレビューを書き上げた瞬間にとった行動が、アナタの人生を大きく左右する出来事になる可能性も・・・。って考えると意外に面白く日々を過ごせそうな気がしませんか?このレビューを読んだ方の人生には、脇役の僕がどう関わっていくのでしょうか?

  • 「読み終わると爽やかな気分にさせられる」というのが、自分の中での著者の作品の共通の印象です。
    本作も読後は「爽やかで痛快」、そんな気分になりました。
    爽快感とはかけ離れている、バラバラ殺人やら強盗やら泥棒やら、異常な場面が次々と展開されるのに不思議なものです。

    後半になってから、前半に思い描いた何気ないシーンが別視点で繋がるのを知った時は、ただただ感心させられました。物語の全員が何かしら繋がりを持っていますが、それぞれは自身の世界の中では自分が主役です。
    個々の目の前で起きる不思議な現象の数々に一喜一憂する登場人物と、その姿を眺めている読者の立場は、エッシャーのだまし絵を見ている人と中の兵隊の関係と一緒ですね。

  • 勢いで読み終えた。頭がグルグルする。

  • 暇つぶし図書館本。面白い……んだろうけど、私にはあわなかった。読みにくいよ……

  • バラバラに始まった5つの話が、次第に「あれ?」という違和感を見せつつ、最後に一つに組み上がってく。
    そして表紙のエッシャーと、リレー、なるほどなと思いました。
    後半は「あっ」「これ」と読んでいて思わず声を上げるほど。
    一つ一つの話に現実感があまりなかったので、没頭するまではいかなかったですが、これは一気に読んで良かったです。

    個人的に黒澤のポリシーが一番のやすらぎどころでした。
    あと高橋は一体何者だったのかが最後まで気になりました。

  • すごい!面白い!!!
    ・・・と思うんだけど、必要なのはわかるとはいえ陰惨なシーンがけっこうあって苦手なのと、ここまで伏線回収しなくてもよいのでは?(しなきゃいけないほど散らかった感アリとも思えなくはない)という2つ分で★1つ減らした感じです。

    それにしても、このピースがハマっていくパズル感はやっぱり凄い。

  • 2016年7月12日読了。
    まさに伊坂さんの真骨頂と呼ぶべきかな。どこでどう繋がるんだろうかとワクワクしながら読み進められる。時間軸がいろいろあるから、ん?なんかおかしくないか?とも思うところがあったけど、しっかり整理したらきっとおかしくない。
    時間があったら次に読むときには紙に書いて整理してみよう。と思ったけど多分やらない。

  • イロイロな話が展望台に集まる話。
    イロイロ解決してなかったりするけど、こんな感じで終わるのがいい気がする。
    希望がもてる終わり方が多い。
    泥棒が好きだけど、主役は犬だな。

  • つじつまのあわないぶっ飛んだ話なのか、時間コントロールした錯覚なのか?途中で悩みましたが、いいようにまとめてくれました!さすがです。

  • これを読んだのは高校生のときだっけ?
    この群像劇にびっくりしたんだよなぁ

    昔は夢中で読んだのに、今回はなかなか読みきれなかった
    作品の空気は今も昔も変わらないけど作品を読む僕は変わったのかな
    老犬と豊田は幸せに暮らせたんだろうか
    黒澤は他の作品にも出てくるけど老犬の行き先が気になるな

  • 泥棒を働く黒澤と彼と再会した佐々岡、
    神を信じる河原崎と彼に近づく塚本、
    不倫するカウンセラー京子と不倫相手の青山、
    リストラされ求職中の豊田とボロボロの犬。
    そして女画家と全てを金で手に入れる戸田。

    仙台の街で彼の運命が複雑に交差する数日の話。

    ------------------------------

    4人の視点が交互に入れ替わるスタイル。
    時間がずれてるっていうことに気づかなくて、気持ちよく騙された。気持ちのいい読了感だった。

    郵便局に強盗しに行った豊田が銃を突きつけたのは、泥棒だったってことなんだな。とても納得。さすが。

  • 伏線回収が凄まじい。
    ラスト数十ページで一気に視界がはっきりするイメージ。
    伊坂さんの才能があますところなく発揮されている名作。

    ちなみに、この作中のある人物が別の伊坂作品(重力ピエロ)に出てくる。

  • 金が全てか?魅力の群像劇

     志奈子…画家。恩人(佐々岡)を裏切り、画商戸田と契約を結ぶ。
     戸田…画商。「金で買えないものはない」という心情で生きているが…。最後に、豊田を動かせない。
     黒澤…泥棒。一見当たり、20~30万円を取り、証明書と領収書をおいてくる。
     白人女性…大学の留学生。好きな日本語を日本人に聞いている。
     河原崎…ブラジルのサッカー選手がトレードマークにしていた真っ赤な帽子をかぶっている。父が自分とおそろいでくれたもの。その父は、3年前、17階から飛び降り自殺している。高橋に心が救われて、彼のグループにいるが…。
     塚本…高橋グループの幹事。高橋が神であることを証明するために高橋を殺し、バラバラにする。
     高橋…超総力者。連続殺人事件を解決して、有名になる。スリムな体型。背中に×印のような傷をもっている。
     京子…夫(豊田)を愛人と殺すつもりが、電話で愛人から別れ話を持ち出される。あとは愛人(青山)の妻を殺すのみなのだが…。拳銃をネットで購入するが、手違いで手に入らない。精神カウンセラー。膀胱炎をもつ。
     青山…サッカーの現役選手。京子を愛人としているが…。
     青山の妻…青山より5才年下。
     豊田…無職。再就職を希望してハローワークへ通うが、40回連続で不採用。京子の拳銃を手に入れる。「here comes the sun」と聞いて、奮起する。駅前の野良犬を拾うことで、彼の中で変化が訪れる。
     舟木…豊田を首にした上司。黒澤が泥棒に入る。
     野良犬…仙台駅前をさすらうが、豊田になついていく。
     タダシ(泥棒の若い男)…黒澤を尊敬している。自力で引力の法則を発見する。
     電話の男…京子に「カウンセラーになりたい」と電話する。実は、黒澤。
     鋏をもった女…30代。細身のパンツに紺のセーター。「人の身体がばらばらになって、いつのまにかくっつくのよ。バラバラがくっつくのよ」という。実は、京子。
     老夫婦…拳銃を持ち、強盗を路上でしている。「人生の思い出」として実行している。河原崎や黒澤と会う。
     親分…黒澤より10歳年上。泥棒グループの管理職。
     河原崎の父…動物園に毎日通う。深夜の動物園に忍び込み、「動物園のエンジン」といわれる男を見る。
     佐々岡…戸田のところにいて、独立するが、戸田につぶされる。黒澤の家に泥棒に入る。黒澤とは大学の同級生。
     井口…豊田の同期。リストラされる。

     こんなメンバーが入り乱れて、個々の物語を展開するが、時間軸がバラバラなので、初めはわからないのだが、全てがつながっていき、最後に「お金が全て」という戸田の信念が壊される。

     伊坂幸太郎、レギュラーメンバー総出演、という感じ。ファンにはたまらない!
    2009-04-18

  • 読み進めるに連れて、登場人物同士の関わりが明らかになっていくところがおもしろかった。

  • 5組の登場人物の非日常が絡み合い、複雑怪奇なストーリーが展開されていきますが、ラストはキレイに着地してて、流石の一言。
    少しずつ、少しずつ、登場人物たちの物語が交錯していく展開には興奮しました。
    読後に、伏線や人物の心情、作者の思惑を整理したくなる作り方が、数々の作品が映像化される理由なのかもしれません。

  • またもう一回最初から読んで確認したくなる。ああ、そういうわたしはまんまと伊坂幸太郎のワナにはまっている…。

  • 後半話が繋がってくると、ページをめくるのがもどかしいほど夢中になって読みました。暗い人生が集まった話だな、と思う一方で、どの登場人物の展開も誰の人生にも起こり得る事なのかもしれないと思いました。面白かった。

  • 11ヶ月前に文庫本を読んだ。
    話の締め方などは覚えていたが、トリックの内容はほとんど忘れていたので楽しめた。
    文庫本にはない豊田の名言。

  • 最後の最後であー!となりました(笑)物語が平行に進んでいくという感覚を逆手にとった作品でした。なーるほど。と、まんまと騙されたわけです。

  • ☆以前に読了

    私が伊坂作品に出会った最初の物語であり、伊坂作品に惹かれた一冊でもある。
    多種多様な人々が交差し物語が進んでいく様は読んでいて気持ちがよかった。
    バラバラに散りばめれたピースがパチパチとはまり、一つの軸を作り上げていく快感がこの作品の魅力だと思う。
    卒業論文にも使わせていただいた記憶に残る一冊である。

  • 話しの整理をちゃんとしながら読まないと、大変なことになります

  • メチャメチャ面白かった!。

    伊坂幸太郎ならではの伏線の結び付き。

    ラストのしめかた!。

    今日はラッシュライフでした(笑)。

  • すごい!伊坂幸太郎さんはこういうのが上手いです!!

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ラッシュライフ (新潮ミステリー倶楽部)の作品紹介

解体された神様、鉢合わせの泥棒、歩き出した轢死体、拳銃を拾った失業者、拝金主義の富豪-。バラバラに進む五つのピースが、最後の一瞬で一枚の騙し絵に組み上がる。ミステリを読む快感と醍醐味がここに!新潮ミステリー倶楽部賞受賞第一作。

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