- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106027703
作品紹介・あらすじ
解体された神様、鉢合わせの泥棒、歩き出した轢死体、拳銃を拾った失業者、拝金主義の富豪-。バラバラに進む五つのピースが、最後の一瞬で一枚の騙し絵に組み上がる。ミステリを読む快感と醍醐味がここに!新潮ミステリー倶楽部賞受賞第一作。
感想・レビュー・書評
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5つの物語がそれぞれに進んでいくお話。
登場人物が多かったですが、特に混乱することなく読み進められました。
話が進んでいくにつれて全てのお話がきれいにまとまっていったのでとても気持ちが良かったです。
伊坂さんの作品を初めて読んだのですが、他の作品も読みたくなりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あえて、文庫も単行本も買うほど
好きな作品
初期の伊坂幸太郎ってコレだと思う。
当時au のケータイかなんかのCMで
流れていた曲が気に入ってCD買って
聴いてたら、その曲ではないけど
ラッシュライフという曲が
収録されていた偶然も
いい思い出 -
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体・・・。併走する4つの物語、交錯する10人以上の人生、その果てに待つ意外な結末とは・・・。
最近怒涛の勢いで映像化されている「伊坂幸太郎」作品の中で、僕の最も好きな作品です。点と点が見事に繋がっていく中盤以降の展開が、読み手を「早く次のページへ!」という感覚に誘ってくれます。そして、バラバラだった物語が一つに結集したとき、表紙の絵柄(ハードカバーではエッシャーの騙し絵でしたが、文庫本では違うようなので残念です・・・)に、各人物の物語が収まったときの爽快感はもう格別です。その結果を踏まえて更に読み直すと、登場人物の行動や言葉に秘められた伏線、作者によって微妙に構成された時系列に気づき、一回目読んだときより更に深い面白みが出てきます。
読了後、ふと考えさせられるのは「人生は誰もが主役で、誰もが脇役なのである」という点です。普段生活していて、至極当然なのですがあまり意識することの無い「脇役である他人」の行動がもたらす自分への影響。そして他人にとって「脇役としての自分」の行動が与える影響。誰かの人生が僕の人生の端っこで繋がっていて、結果的に自分の人生を作り上げていっているのだな、と再認識しました。
このレビューを読んでいるアナタは「僕にとっての脇役」で、僕は「アナタにとっての脇役」。一生顔を合わせることがないかもしれないですが、もしかしたら、アナタがこのレビューを読む前にとった行動が、僕の運命を大きく左右しているかもしれません。もちろん、僕がこのレビューを書き上げた瞬間にとった行動が、アナタの人生を大きく左右する出来事になる可能性も・・・。って考えると意外に面白く日々を過ごせそうな気がしませんか?このレビューを読んだ方の人生には、脇役の僕がどう関わっていくのでしょうか? -
複数の登場人物のバラバラだった話が段々と繋がっていく。
時系列が読むままじゃないと気付いて何回か場面を振り返った。
もう一度時系列を踏まえた上で読み直したくなる。 -
「読み終わると爽やかな気分にさせられる」というのが、自分の中での著者の作品の共通の印象です。
本作も読後は「爽やかで痛快」、そんな気分になりました。
爽快感とはかけ離れている、バラバラ殺人やら強盗やら泥棒やら、異常な場面が次々と展開されるのに不思議なものです。
後半になってから、前半に思い描いた何気ないシーンが別視点で繋がるのを知った時は、ただただ感心させられました。物語の全員が何かしら繋がりを持っていますが、それぞれは自身の世界の中では自分が主役です。
個々の目の前で起きる不思議な現象の数々に一喜一憂する登場人物と、その姿を眺めている読者の立場は、エッシャーのだまし絵を見ている人と中の兵隊の関係と一緒ですね。 -
それぞれの人物が「こんなところで関わっていたのか」と思わせるラスト。
過去と現在の内容が行きつ戻りつするところは少しわかりにくかったかな。
実は伊坂作品は2作目なのですが、最初に読んだ「重力ピエロ」は読み終えるのにけっこう苦労してしまい、
この2作目を手に取るまでにずいぶん時間がかかりました。
ちょいちょい入ってくるスタイリッシュな感じが、
いまいちわたしのタイプじゃない気がします。 -
伏線を張り巡らし、後半でスピードで回収。
今回の悪は戸田だったのか -
最近、伊坂幸太郎を読み、やっぱり面白い!と思い、
昔の作品から読みたくなり、図書館で貸し出し。
伊坂幸太郎の初めて読んだ作品ふ、チルドレンだった。
初めて読んだ時、主人公陣内が強烈で、ストーリーも面白くあっという間に読んだ。
本を開くと、二段組になっており、読めるか不安だったが、
4日ほどかけて読んだ。
そうだった。伊坂幸太郎の本は、登場人物が多くて、最初特にわかりづらく、
日にちが空くと、更にわからなくなるから読まないと!と思った。
私はその中でも、デザインの仕事をしていたけど、
リストラにあい、駅の近くで犬と会った、
人物が好きだった。
小説の中の物語は、知らない現実の中でも起こってそうだった。
ニュースで見る事件は、起こった出来事で、
その背景はなかなか映らず、
何が真実かさえも掴みづらい。
中盤で物事の展開が面白く、バラバラ死体など結構ミステリアスで、
読んでてゾワっとした。
最後は結局、よくわかんなかったけど、
登場人物が出会った、白人女性が好きな漢字を問われたり、
表紙の絵にもなっていた、エッシャーの展覧会にみんなが足を運んでいた。
参考資料に養老先生の著者が2作品あった。
ラッシュライフが、ジョン・コルトレーンの曲名で驚いた。
ジョン・コルトレーンを知ったのを、
施設の利用者さんの部屋で流れており、教えてもらった。
サックス奏者だったかなぁ?
それを、音楽好きの叔父に聞いたら知っていて、
なんだかとても嬉しくなったのを思い出した。
訳すと豊潤な人生にもなるらしい。 -
仙台を舞台に、様々な人のドラマが一つに収束する。
うーん。
面白い、気がしたけど。
それぞれに救いがあったり破滅があったり、個々の事件が狭い空間で絡み合っていく。仕掛けは面白いんだが、なんとなくその仕掛け通りという感じで。いや、当然といえば当然なんだけど。
視点と、時間軸がくるくる切り替わっていくのがあんまり肌に合わなかったのかもしれない。
ドラマ感もあまり感じなかった。
各場面の時間を、説明も無しに切り替えていく手法が、活きて入るんだろうけど。
面白いけど、好みの作風ではない、というオチかも。
文章は、読みやすいです。 -
スカッと出きる本、かなんかで検索して引っ掛かった本。時間かけてページをいったりきたりしながら一気読みしたら楽しそうだったんだけど、何日にもわけて読んじゃったので、ちょっとん?あれ?どうだっけ、って思いながら読み進めてしまった。それぞれの結末が気になるところではあるけど、まぁ誰も完璧には幸せではなくても豊潤な人生を楽しんだんだろう。