新潮選書 ゲーテに学ぶ幸福術

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著者 : 木原武一
  • 新潮社 (2005年1月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106035456

新潮選書 ゲーテに学ぶ幸福術の感想・レビュー・書評

  • 世界を一変させるもの:一人の人間を本当に心の底から愛しさえすれば、他のすべての人までみんな愛らしく思えてくるものだ。恋する者の幸福。恋がなければこの世は闇。プラトニックラブこそ真実の愛。永遠の女性、我らを高く引きゆく。

  • おもしろかったです。
    共感するところがたくさんありました。

    ゲーテというと、
    学生時代に「若きヴェルテルの悩み」を読んだくらいで、
    ドイツの偉大な文学者、くらいの知識しかありませんでした。

    「ファウスト」が歌劇になってますが、
    みたことがなく、
    でも、いろいろなところにゲーテの著作物の一節が引用されていたりして…
    というくらい。

    ここのところドイツ歌曲を歌い始めたら、
    有名な作曲家がゲーテの詩に曲を作っているのを知りました。


    そのくらいの知識でこの本を読み始めたら、
    びっくり!

    なんとゲーテは
    マルチ人間だったのですね。
    詩や小説を書くほか、公職について社会的にも活躍。
    さらに色彩学、植物学など自然科学にも造詣が深く。

    そして、若い頃の失恋を小説にしたことは知っていましたが、
    生涯通じて、恋愛にどっぷりな人だったのです。。。

    この本は、そんなゲーテの残した言葉を
    詩や小説、対話集からとってきて、
    すこ~し解説を加えてます。

    今の私にも直接語りかけてくれてるような一言が
    (登場人物のせりふだったりするのですが)
    ずらずらと出てきました。

    たとえば

    「私の詩はすべて機会の詩だ。すべて現実によって刺激され、
    現実に根と土台をもっている。
    雲をつかむような詩を私は少しも重んじていない」
    (エッカーマン「ゲーテとの対話」)

    は、この言葉だけだときっとさらっと読み飛ばしてしまっていたかも。
    でもゲーテの研究者である著者が
    抽象画のような詩を書く友人たちと
    写実画を描くような詩を書く自分とを比べながら
    このゲーテの言葉の持つ意味を書いているのを読んで、

    これは私が歌う「歌」にも通じることだ!っと思いました。

    直後にシューベルトの「野ばら」の詩(ゲーテのもの)が載っていて、
    その詩を読むと
    急にゲーテの心情が迫ってくるような気がしました。

    バラを折ろうとする少年、
    それに抵抗してとげで刺すも
    折られてしまうバラ。

    これは、ゲーテが21歳の頃の恋愛を題材にしているとのこと。


    野ばらを歌うときに
    この詩を書いたゲーテの、そのときの気持ちを考えて歌うのと、
    ただ、言葉を音楽にのせて発声していくのとでは、
    ぜんぜん別物になっていくだろうということは
    容易に想像できます。


    ちょっと自分の世界が広がった…というか、
    広げるヒントをくれる本のような気がして、

    また、何度か読んでみたいと思い、
    手元に残しておくことにしました。

  • ゲーテの作品に表現される彼の思想が著者によって噛み砕かれて解説される。具体例が多く、古典と自らを結びつけるのに良い。現代語られるまっとうな考え方や行いの作法は、古典の時代に語られたそれと変わっていない。常に我々に問われるのは、それを実際にどう行うか、だ。

  • 人生を知らない若者たちもいずれは煩わしく過酷な現実に直面することになるだろう。ふと、そんな人生など知らない方がいいのかもしれないと思う。
    常に努力するものををわれらは救うことができる。
    我々の願いは、われわれのうちにある可能性の予感であり、われわれがなしうるであろうことの先触れである。
    願望を持つことは大変スリリングなことでもある。それは未来に向けて自分を試すことに他ならないからである。
    何か意味あることは孤独の中でしか創られないことを痛感した。
    誰しも自分に理解できることしか耳に入らないものだ。
    本当に他人の心を動かそうと思うなら、決して避難してはいけないし、誤りなど気にしてはいけない。良いことだけを行うようにすればいい。大切なのは、ものを壊すことではなく、人間が純粋な喜びを得られるようなものを建設することだから。
    欲のない人は騙されない。
    素晴らしい人生を築きたいと思ったら、過ぎ去ったことは気にせず、腹を立てないようにつとめ、いつも現在を楽しみ、とりわけ誰も憎まず、先のことは神様に任せること。
    自分知らずの人間の最大の不幸は自分で自分の生き方を決めることができないところにある。
    自分を知るということは、自分がいかに不完全な人間であるかを知ることでもある。

  • ゲーテの文章を引用しながらその哲学について考え、現代の私たちの生活を考えている面白い一冊。私は一生の「生きた、愛した、悩んだ」に感動しました。
    『ぼくはまるで神が聖者のためにとて置いたような幸福な日々を送っている。自分がこの先どうなろうとも、人生の喜びを、もっとも清らかな喜びを味わったのだと言っていい。』恋。

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新潮選書 ゲーテに学ぶ幸福術の作品紹介

偉い文学者の小難しい格言集ではありません。文豪も人の子、日々の悩みは我々と同じでした。老いるということ、孤独の効用、借りる技術などなど。ゲーテの言葉を題材に、今の日本で彼の考え方がどう生きるか、どんな時に役立つかを、身近な例で分かりやすく解説。辛い局面も、考え方一つで劇的に変わります。幸せになるためのちょっとしたコツ、教えます。

新潮選書 ゲーテに学ぶ幸福術はこんな本です

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