学生と読む『三四郎』 (新潮選書)

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著者 : 石原千秋
  • 新潮社 (2006年3月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106035616

学生と読む『三四郎』 (新潮選書)の感想・レビュー・書評

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  • 成城大学で著者が担当している通年授業「近代国文学演習Ⅰ」における、著者の大学教育の実践を語っている本です。本書全体が、「鬼教授」の大学内での戦いと、その教え子たちの成長物語になっていることに、くすりとさせられました。

    本書で紹介されている学生のレポートのレヴェルの高さに、まずは驚かされました。もちろん著者のゼミに入ろうとする学生たちなのですから、読書量は豊富だとは思いますが、著者自身も本書で述べているように、高校までの国語教育における「人格形成」にどっぷり浸かってきた学生たちが、1年間の授業の間にテクスト論やフェミニズム批評のスタイルを身につけていくことには、やはり目を見張らされます。

    わがままな大学の講師たちとの格闘や、学生たちを相手にオシャレやギャグにも気を配らなければいけない著者自身の姿も描かれていますが、こちらはあまり関心が持てませんでした。ユーモア・エッセイのようなスタイルで綴られていたら、もう少しおもしろく読めたかもしれません。

  • 2006年刊行。タイトルに騙されるといけない。本書は文学部において文芸評論を学んでいる学生を素材にした、大学教育論である。というより、大学生(文系に限られようが)の学び方、学生生活のノウハウ本に近いかも。◇今の学生さんたち、実によく勉強しているなぁ、というのが正直な感想。◇ちなみに、本書でも強調されるが、本屋をきちんと巡ること、また、文章を実際に書くということはとても重要なので、ぜひ頑張ってほしいところである。

  • <閲覧スタッフより>
    大学教員が学びのおもしろさを語った本、学生がゼミや授業で学んだ成果をまとめた本を集めました。大学での学びがよく分からない方、さまざまな学びに興味のある方、ぜひご覧ください!
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    所在記号:377.15||イシ
    資料番号:10221768
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  • ここまで三四郎を多様に読み込めるのか。感情移入して読むだけが小説ではないのだ。また、大学生への指導も興味深い。大学教員としての仕事に触れた部分はいまいち。

  • 成城大学という明治時代の学園を思い出させる長閑な環境で、「三四郎」を教えていたことを語るこの人はきっと三四郎の世界との共通点を読者にも意識させたいのだろう。現代の大学生の生態を感じさせる前半、そして後半はゼミ生たちの「三四郎」理解の論文の紹介など飽かせない。学生たちが深く「三四郎と美彇子」の関係を理解しているのには驚いた。この作品を読み込むだけで、教育史のみならず日本史全般、心理学など幅広い学びができる格好の作品なのだ。「冷たいようだが、大学のレポートは人間としての君たちを知ろうとは思っていない。知りたいのは、君たちの思考である。「私は~思う」ではなく、「~は~である」という形式の文が求められる。」という学生への指導の言葉は大賛成である。このような鍛え方で、2年と4年のギャップを語っていることは興味深い。20歳前後の2年間の伸びしろの大きさを物語っている。「オンデマンド授業」への著者の厳しい批判は正にその通り。学生との触れ合いを実践している著者だからこそ迫力がある主張だ。

  • なんだか学生時代にかえった気分。もう一度、「三四郎」を読み返してみたくなった。それにしても、法学部における女子大生の割合は、一割足らずだった…

  • 「知的な文章が書けない大学卒業生」では、洒落にならないではないか。
    という一文に、大学生としての意識が足りないと自覚した。
    もっと知的に物事を考え、文章を書けるよういなりたいと思った。
    残りの大学生活をストレイシープにならないように過ごさなくては後悔する。

  • 成城大学文芸学部の「近代国文学演習I」での大学生のリポート・発表用のレジュメを実践例に、テクスト論を通して夏目漱石著『三四郎』を読み解いていく。

    著者は「はじめに」で、「いまどきの大学生」が『三四郎』を一年を通じて読み、成長していく記録と本書を位置づけている。また、「いまどきの大学教員」の姿を描くことも本書の目的としている。

    成長記録としては、下田大助君という好例からもわかるように、成功してる。テクスト論ではこのように『三四郎』が読み、解釈できるのかと勉強になった。ちなみに、私は従来の文学研究の主流である作家研究には不信を抱いていたから、著者が採用する文学理論がテクスト論じゃなければ読もうとは思わなかったはず。

    成長記録として、テクスト論の入門書・実践例としては、題名や裏表紙の概要に沿った内容である。しかし、「いまどきの大学教員」の生態や大学の裏事情などは、それらに興味がない私としては不要。

    本書で一番興味深かったのは、道徳的教訓を読み取ろうとする読み方、感情移入のみの読み方などの画一的で柔軟性に欠ける読み方への批判である(P67~P71の「ふつうの良い子が不良になれるか」)。これらの読み方と全く異なる三四郎を始め登場人物を突き放した読み方もちゃんと学生のリポートを提示されていて、参考になった。

    ☆x3.5

  • 2011年3月

  • 一年間の授業の記録のようなもので面白い。
    学生の論文を読んで自分のと比べてみたり。

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学生と読む『三四郎』 (新潮選書)の作品紹介

ある私大の新学期、文芸学部教授の授業「近代国文学演習1」に十七人の学生が集まった。「いまどきの大学生」が漱石の『三四郎』を教科書にして、講義の受け方、文章の書き方、テーマの絞り方、資料の収集など文学研究の基本を一から学んでいく。実際に提出されたレポートと辛口の採点結果を交えながら、テクスト論の実践が理解できてしまう一年間の"物語"。

学生と読む『三四郎』 (新潮選書)はこんな本です

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