「密息」で身体が変わる (新潮選書)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106035630

感想・レビュー・書評

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  • 尺八奏者である著者が、腹式でも胸式でもない密息という日本古来の呼吸法を紹介し、そこに帰ることを勧めている本。著者によれば、無理に西洋式の体の使い方をしていることが、日本人の体の負担になり、パフォーマンスが上がらない原因にもなっているとのこと。

  • 難しすぎる。けどわくわくする。

  • 古くから伝わる呼吸法を忘れたことによって、日本人は知らず知らずのうちに、息だけではなく体全体の構え方、美的価値観まで欧米化してしまった。しかし日本人はいつまで経っても日本人であり、欧米人にはなれない。本来の型を忘れ、何にもなりきれない状態は、弊害しか生まないのではないか。今一度、持ち込まれたものではなく、日本人に合った姿勢、呼吸法を学びなおすべきだ。

  • 遠い昔に忘れてきたものを、今一生懸命再発見してる。

    芸術ってつい好き嫌いで見てしまいがち。
    個人の楽しみで見るならいいけど、そうでないなら、技術面、芸術面をもう少ししっかりと見ていくべきだと思う。

  • ちょっとやってみるだけでも効果あり。

  • 温泉に入った時に「ふ~っ」という吐息は、密息の名残だとか。
    呼吸のリズムで体調の変化にも気づくことがあります。
    日本人の呼吸は、日本の気候風土・文化が大いに関係しているとのこと。
    呼吸が整った瞬間、呼吸をしていることさえ忘れ、集中力を高める業。
    呼吸にとどまらず、音感、日本人自身が眠らせてしまっているのはもったいない!

  • 虚無僧尺八奏者がその研究で見付け出した、日本古来からの「呼吸法」を公開している。
    中村さんはなかなかの博学者で、その知識が難しい言葉や名前と共にちりばめられている。内容は「密息」の紹介から始まって、日本の文化の特異性を密息と言う呼吸法から紐解いていく。
    少しこじつけっぽくて無理を感じる所もなくはないけれど、なかなかユニークは発想があって面白い。
    腹式呼吸と胸式呼吸があることは誰でも知っているけれど、少し不自然にすら思える密息なる呼吸法があって、それが日本独自の物だということだ。
    読んでいる内に、密息を練習してどれだけ自分が変わるものか見届けたいという好奇心が沸いてきた。

  • 11/01/25。
    (・・;) 2冊買ってしまった(-_-;)。
    けっこう速読で。

  • ちょっと啓発本的な軽めのタイトルだけど、中身はバークレーも出た日本の伝統的尺八奏者である著者による、呼吸法から導かれる日本人の身体論であり文化論。骨盤の倒し方に長年伝えられてきた日本人の姿勢があり、呼吸法があり、それは床座の生活文化から培われてきたという至極あたりまえの指摘が、すうーっと腑に落ちる。

    明治以後100数十年を経て生活様式は洋式化したとしても、身体はそう簡単に変わるものではなく(でもやはり室内で靴は脱ぐのだし、床に座るのだし)、常に「過渡期」なんだなと。文句なく面白い。吹きもの楽器をやっている人は、是非読んでみると面白いと思う。

    でも、そういう呼吸法をトレーニングしようなんて思わないんだよなー。(←ヘタレ)

  • 呼吸を含めて身体的なことに興味のあるこの頃。別の対談形式の本で知ったのをきっかけに買ってみた。「密息」という日本古来の呼吸法についてのあれこれが書かれた本。そのやり方も載っているが、自分でやってみても合っているのかいまいちよくわからんかった。西洋化の途中で忘れてしまった日本独自の音楽や空間の関わり方など、考えてみるきっかけになったと思う。

著者プロフィール

尺八演奏家。作曲家。
虚無僧に伝わる尺八音楽の採集・分析・演奏をライフワークとしつつ、ロック、ジャズ、クラシック、現代音楽、等に幅広く活躍。世界30ヶ国余150都市以上で公演。世界40局余の放送局に出演。NHK大河ドラマ「天地人」の音楽などの尺八演奏を担当。
倍音奏法、多重奏法、また自ら捜しあて極めた日本古来の呼吸法「密息」と、独自に開発した方法による循環呼吸(吹きながら同時に息を吸い、息継ぎなしに吹き続ける技術)を駆使した演奏法を確立。
世界各国で「日本音楽の構造」、「倍音」、「密息」の講義を行う。
CD「虚無僧尺八の世界」シリーズは文化庁芸術祭優秀賞を2回受賞。第19回松尾芸能賞、ほか作品にて第18回文化庁舞台芸術創作奨励賞など受賞多数。
自らの極めた呼吸法から日本文化を論じた著書「『密息』で身体が変わる」(新潮社)で年間売上第2位(2010年、新潮選書日本論部門)。2010年10月には『倍音』(春秋社)を上梓。

「2023年 『日本人の呼吸術 深く・鋭く・美しく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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