- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106035661
作品紹介・あらすじ
少年による犯罪、モラルの崩壊、弱者に向かった凶悪事件。「壊れた日本人」の出現は、永年受け継がれてきた日本ならではの育児法が、戦後なくなってしまった結果だった。抱き癖をつけよう。善悪を理屈で教えてはいけない。浮気は厳禁。保育所はなるべく行かせない、等々。ベテラン小児科医がたどりついた日本人にふさわしい育児法。
感想・レビュー・書評
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【感想】
微妙な文明論にかぶれた育児書。少年犯罪の増加(実際は増えていない)を教育論に帰する点をはじめ、本書の論理展開には疑問符がたくさんひっついている。
「出産・育児についての言説には、スピリチュアルなものや、無根拠のものが紛れ込んでいる」という見解を、意図せず支持することになった本。
【書誌情報】
『真っ当な日本人の育て方』
著者:田下 昌明(1937-) 小児科医。
定価:1,430円(税込)
発売日:2006/06/23
シリーズ名 新潮選書
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 254ページ
ISBN 978-4-10-603566-1
C-CODE 0337
ジャンル 妊娠・出産・子育て
定価 1,430円
◆戦後、アメリカから輸入された「育児の常識」が、日本人をダメにした。救国の育児論。
少年による犯罪、モラルの崩壊、弱者に向かった凶悪事件……。「壊れた日本人」の出現は、永年受け継がれてきた日本ならではの育児法が、戦後なくなってしまった結果だった。抱き癖をつけよう。善悪を理屈で教えてはいけない。浮気は厳禁。保育所へはなるべく行かせない――等々、ベテラン小児科医がたどりついた日本人に合った育児法。
[https://www.shinchosha.co.jp/book/603566/]
【目次】
まえがき
第一部 基礎編
第一章 日本人を育てる
生命、四つの意味/子供は「かわいい悪党」/子育て三つの問い/文化はその国の人にしか作れない/赤ちゃんを人間にし、日本人にする/日本人への第一歩/夫の選び方/家庭では順位が大切
第二章 もともと日本に育児論がなかった理由
なぜ誤った育児論を輸入したのか/キレる子を多発させたジョン・デューイの思想/スポック育児論の誤り/科学だけで育児はできない
第三章 胎教をおろそかにしてはいけない
胎児はすでに学んでいる/胎児の発育の様子/好きなこと、嫌いなこと/意思も感情もある/朝寝坊の母は朝寝坊の子を産む/育児は胎教から始まっている/新生児に対する誤解/理想的な出産/母親がマスクをつけたら/感性豊かな母親になろう/母乳は「心の栄養」でもある
第四章 心はどのようにして正しく発育するのか
「刷り込み」理論を理解する/人間への出発/抱き癖をつける大切さ/母と子の一体感/愛着行動とは/子供の心の安全基地/三歳まではお母さんの一部/「時間」を知る/母親と離別すると/母親と別れて暮らせる限度/切り離すことのできない母子の心
第五章 父親は舞台の床である
まったくちがう母親と父親の役割/父の浮気と子の病気の関係/父親はとにかく子供と遊べ/父母と子供は対等ではない/父親は大いに人生を語るべし/宇宙飛行士の父親たち/父親は群のリーダーとして振る舞え
第二部 実践編
第六章 子供が本当に必要なもの
子供は必ずおみやげを持って来る/母親は朝寝坊をしてはいけません/連休や来客は育児の大敵/規則正しい生活が一番/母は空母、子は艦載機/出がけと帰宅時には抱いてやる/子供に嘘をついてはいけない/六本木ヒルズよりボロ家
第七章 母子はとにかく離れてはいけない
使わないところは発達しない/アタッチメントが堅固になるまで/母子の離別が非行の最大原因/親はされたことを子にする/なるべく保育所には行かせない/私が見た離別の実例
第八章 乳幼児に向いた衣服
寒くなく、暑くなく/手足を自由に動かせる/オンブのすすめ/素早く脱がせられるか/赤ちゃんはオムツ嫌い/指なし手袋は頭を悪くする/靴下は運動神経を鈍くさせる
第九章 さまざまに意味のある授乳
混合栄養にすると母乳が出にくくなる/人工栄養で育てるならば/赤ちゃんに与える物の味と匂いを知る/ゴム乳首の孔を大きくすると無気力人間を作る
第十章 食事の始まりは躾の始まり
薬を上手に飲ませるコツ/好き嫌いは親が作る/体罰は「やる」か「やらない」かの問題/食は朝昼軽く、夜重く/豪華な弁当は成績を下げる
第十一章 具体的な言葉で育てる
衣食住は文化そのもの/なぜ自国を知ることが大切なのか/法を守ることを教える/善悪は強制的に従わせるもの/突然、説教魔になるな/「他人に迷惑をかけない人になれ」は大間違い/「腕白でもいい」は育児放棄
第十二章 善悪を理屈で教えようとしてはいけない
人のため、世のため/頼られることの大切さ/善悪を教えるのに理屈はいらない/善悪の基準が人格を作る/「明るく豊かな子」は幻想/まともな日本人が国際人になる
あとがき
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2007年2月10日、4版、並、カバスレ、帯付き。
2014年7月1日、津BF。 -
小児科の先生が書いた育児の本。
日本人には日本人に合った子育てのやり方がある、という主張をされている先生です。
肝に銘じなければいけないことがたくさん書いてありましたが、母親は寝坊してはいけない、というのが一番ずっしりきたでしょうか。
もともと夜型、というほどではないかもしれませんが、朝が弱くて夜更かしする日が多い生活を送っていたので。
妊娠してからは、極力日付が変わる前に就寝するよう心がけていますが、寝つきが悪いこともあって、それが朝の起床に影響を与えることも。気を付けなければなりません。
親の姿勢や、子への接し方など、納得できることばかりなので、大いに参考にして子育てを頑張りたいと思います。 -
小児科医としての経験をもとに、
正しい子育ての方法について解説しています。
世に流布されている育て方の間違いなどもわかります。
すべての母親に読んでもらいたい一冊です。 -
米国式子育て法は誤りであった?!と驚きを隠せないほど衝撃的でした。まだ結婚も子育てもしていませんが、古き良き日本伝統の子育てが間違っていなかったことをベテランの小児科医が指摘しています。
「抱き癖」は満足するまでやってあげなさい、子供に嘘をついてはいけないなど、なるほど!と思える子育ての秘訣が分かります。 -
三歳までの母親の愛情が、その後の人生を左右するということを小児科医の臨床現場、実験、家庭での実体験を交えて、論理的にわかりやすい言葉で書いてあります。
子育てしている方もしていない方も「子供は誰のものか」「何のために子供を育てるのか」「どんな大人になって欲しいのか」を考えてみるといいかも。 -
「母親は朝寝坊してはいけない。」一番心にズシッと来た。確かに、何より大切なことかもしれない。まずはこれから必ず早起きするようにがんばろうと決めた。
私がこの本を読んだのは、息子が3歳になったすぐ後で、3歳という時期はある意味大きな転機だと知った。行動や気持ちが少し母親から離れて、外の世界へ向かい始める時。でも母親が心の安全基地であることはずっと変わらない。これからどんなに成長していっても、ずっと私は心の安全基地だということを胸に留めておきたい。
体罰についての記載も私にはしっくりきた。しないと決めたら絶対にしない。すると決めたら毅然として揺るがない。とにかくお母さんがダメだと言ったらダメだ、とこれでいこうと思う。