光の場、電子の海―量子場理論への道 (新潮選書)

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著者 : 吉田伸夫
  • 新潮社 (2008年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106036224

光の場、電子の海―量子場理論への道 (新潮選書)の感想・レビュー・書評

  • 著者の努力と物理学に対する真摯さが伝わってきます。

  • 粒子から場の理論への発展史。それぞれの学者の思考の跡を辿りながら、その卓越性、限界を鮮やかに描いてくれている。巻末に原著論文一覧が掲げられているのが、すごい。今まで想像の域を出なかった理論物理学のあり様が初めて分かった感じがする。見通しがついたのが楽しかった。数式の意味は大学教養レベルの物理的な知識がないと何が書いてあるかすら分からないでしょうが。

  • 著者は東大で物理の博士号を取った後、非常勤講師などをしながら本を書いている方。科学哲学や科学史などで研究をしているそうである。本書は物理の専門知識のない人向けに量子場理論をわかりやすく解説することを試みたとのこと。量子力学から場の量子論、そして標準模型、超弦理論まで、歴史的経緯を細かく交え解説しています。

    量子力学史としてはおもしろかったのですが、肝心の場の量子論は難しくてなんだかよくわかりませんでした。あと、縦書きの文書に混じった数式は読みにくい!縦書きで書いて欲しかった。しかしながら、量子場の理論では、"世界の見え方は、空虚な空間内部を原子が運動するという19世紀的なものとは全く異なってくる”そうで、もっと知りたい、と非常に興味を持ちました。勉強していきたいものです。

    ”現在でも、一般の人は、19世紀的な原子論とそれほど変わらない世界像を持っているだろう”とのことですが、そのとおりでしょうね。私もそうです。さすがに電子などがボールのような単純な粒子のようなものとは思っていませんが、それでも空間の中になにかがある、というイメージを持っています。しかしながら、量子場の理論では、”空虚な空間すら前提としてない”そうです。量子場が空間的な広がりも作り出すそうです。なんだかよくわかりませんが、おもしろそうです。こういう興味を喚起する副読本、重要ですね。

  • 原子、光、波動、電子、量子場といったキーワードを追って20世紀物理学の発展を辿る。沢山の物理学者が出てくる。中でも自分はアインシュタインとシュレーディンガーが好きである。20世紀の大切な到達点である標準理論には根拠のない仮定がいくつも含まれている。究極理論の目指す場所は遥かに遠くにある。それにしても数学や物理は社会常識と時に激しく軋轢を生み、学者仲間からも攻撃され、ボルツマンのように自ら命を絶つヒトもいた。なんと過酷な稼業だろうか。紛れもなく神ではなく人間の為せる業だ。

  • 物理学者の皆さんには易しい数式なんだろうけど、サッパリ意味不明。でも、文章やイメージでガンバって現代物理学を説明してくれる大変な名著だと思う!

  • 場の量子論、というものに少しでも近づきたいと思って。求めていた理論に手が届くかもしれないと思っていたがやっぱりちょっと違っていた。量子論の本はこのほかにも何冊か読んだけれど、わかりやすさではこの本がよいかな。「高校生でもわかるシュレーディンガー方程式」は高校生だったころのワタシじゃ無理だと確信した。吉田武氏の「虚数の情緒」と言う分厚い本の最後のほうの量子論の解説もよかった。もちろん理解できたとはまったく思わないけれど。

  • 近代の物理史・人物史がエキサイティングに書かれていて非常に面白かった。

  • 場の量子論の歴史解説。

  • 2011/2/26(土)記: 去年いちおう「目を通した」レベル。 自己の今の実力では少々難しかった。 ただ 場の量子化とか繰り込み理論とかを勉強する前に読むガイドにはもってこいの本だという感じがした。

  • 2009年にも読んでいる!

  • 科学的な自然理解の極致であり、人類の英知の到達点である、量子場の理論。20世紀の天才科学者たちは、いかにして「物質とは何か」という謎を解き明かしたのか? その思考の筋道をわかりやすく解説している。

    量子力学はよく出てくるが量子場理論はあまりふれる機会がない。
    素粒子物理につながる全体感をつかむのに良い良書です。

    この先生のほかの本も読んでみようと思います

  • 量子論の起こり、量子場理論、くりこみ、素粒子論まで歴史に沿って解説してある。素晴らしい出来だと思う。量子力学あれこれといった本や最新素粒子とかという本は多いけれどここまで包括的に書かれた本はないでしょう。ということですが、内容は深遠で素人にはあまりお薦めできません。啓蒙書というには、やや難解です。

    -以下引用(最終章から)-
    量子場の理論は「空間の中を運動する小さな粒子」という19世紀的な道具立てを必要としない。原子論では原子の存在がそもそもの前提となるが、量子場の理論では、あらゆる物理現象が場から生起する。粒子的な振舞いをする素粒子は、量子場の振動がとびとびのエネルギーを持つことに由来する。(中略)量子場の理論は、空虚な空間も前提としていない。(中略)ニュートン力学では別個の概念として扱われていた空間-時間-物質-力が、量子場というひとつの概念に集約される。
    -引用終り-

    しかし、著者は東海大、明海大で非常勤講師をしていると著者紹介に書いてあったが、こんな講義が受けれる学生がウラヤマシイ。

  • 文系大学生(や社会人)に向けて書かれたらしいけど難しいだろ、これ
    すっごい面白いんだけど書かれているレベルが、所謂啓蒙本でもないし、勿論最先端の研究者向けの論文でもないし、その中間に位置する自分のような物理やってる学生がちょうどいい気がする、参考書には全くならないんですけど
    もう一度言いますが、中身は歴史的な軸に基づいて書かれているのでものすごく面白いです。パウリvsディラックの顛末なんか引き込まれます。だけどターゲットとしては中途半端な気がする。読む人いるのか不安になる。よっけいなお世話ですけど

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光の場、電子の海―量子場理論への道 (新潮選書)の作品紹介

量子場理論-それは量子力学の完成形である。物理学専攻の大学院生にとってさえ理解が容易ではないこの超難解な理論を、本書はあくまでも一般読者のために解説してみせる。20世紀の天才科学者たちは、いかにして「物質とは何か」という謎を解き明かしたのか?その思考の筋道が文系人間にも理解できる画期的な一冊。

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