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- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106036453
感想・レビュー・書評
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東京裁判の被告人選定の経緯、それに絡む特に米国の政治的な影響、事後法で敗戦国を裁くことを正当化するための苦労と無理なレトリックなどが資料をもとに示されている。
やはりナチスドイツを裁くニュルンベルク裁判と整合させることで正当化しようと策略がめぐらされた経緯はなるほどと思った。
原爆で無辜の民を大量に虐殺した勝者が人道に対する罪という名目で敗戦国を裁く。裁判自体の正当性は限りなくゼロに近いと思わざるを得ない。
時系列で詳細な資料を掲げた本書は東京裁判という出来レースの総括には大変有用だろう。
あとがきに書かれた様に筆者は、東京裁判を「事後法」による裁判であることは否めないとしながらも、「東京裁判」全面否定には必ずしも同調しないとして、裁判により日本人は自分たちが中国はじめアジアの人々に与えた苦難と被害の詳細を知ったとする。
この立場には賛成したい。
極端なナショナリズムや非現実的な自虐史観に偏らない公平を志した目で資料を検証してくべきですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示