新潮選書 零式艦上戦闘機

  • 62人登録
  • 3.56評価
    • (2)
    • (8)
    • (4)
    • (1)
    • (1)
  • 6レビュー
著者 : 清水政彦
  • 新潮社 (2009年8月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106036460

新潮選書 零式艦上戦闘機の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 船橋図書館
    「1000馬力の非力なエンジン、攻撃性能のみに傾注し、機体強度ろ防弾を疎かにした欠陥(人命軽視の思想)。これにより優秀なパイロットを消耗したことが、大戦後期の惨めな敗北の原因である」という通説に丹念に異論を唱える力作。
    細かい点を捉えて本書を批判する意見もあるようだが、大筋として至極まっとうな分析だと思う。
    即ち、
    ・総力戦では、一握りの熟練パイロットもいずれは消耗するのであり、ベテランだけに依存した戦い方はできない。(米軍機の初期の損耗率も日本に劣らず凄まじい)
    ・大量のにわかパイロットを、素人のままで戦力にできるかどうかが勝敗を分ける。
    ・相対的にチームワークを欠いた日本側は、無線機の不備がさらに拍車をかけた。集団戦術での劣勢。
    ・末期を除き、海軍機は火力と弾数で米軍機に劣っていた。(20ミリ弾は破壊力があるも片側65発)
    にわかパイロットを戦力かするためには、少ない好機に大量の弾丸をばら撒くことがポイント。
    ・米軍も前期は防弾に配慮していなかった。欧州大戦での消耗戦から学び、後期から防弾に着手。日本も検討はされたが実現せず。

    未だ納得いかないことがただひとつあり。
    機首に装備された7.7ミリ機銃。なぜ銃身の直前で回転するプロペラに弾丸がぶつからないのか? 連動してナントカとか説明はあるけれど、疑問は残ったまま。あんなに速く回転するプロペラに機銃弾がぶつからないわけがないと思うのですが…

  • データに基づく零式戦闘機の考察。

  • 第二次世界大戦の傑作戦闘機、零式艦上戦闘機をこれでもかとばかりに詳細に解説している。
    よく零戦を神格化するような説を耳にすることがあるが、本書は結構辛辣に「そうでもないよ」と訴えている。しかし、良いところは絶大に褒めてそうでもないところはそうでもない感をしっかり述べている。その客観性が素晴らしい。また、装甲が薄くて人命無視的な意見に対してもそうでもないよと主張している。
    一番興味深かったのは、日本が負けてアメリカが勝利したのは、戦術レベルでアメリカは「割り切った」からだとしている点。戦争が総力戦となると自然、素人パイロットが増えてくるわけだが、アメリカはそれならチームワークで戦う、素人ケンカと割り切るという腹があったが、日本は玄人による格闘戦への拘りが捨てられなかった。それが勝敗をわけたという。ま、勿論、両国の物量の差などもあったかと思うが。

  • 今までのゼロ戦の認識に、別の見方を教えてくれます。
    例えば、
     1.防弾がよわい。⇒設計当時は、世界がそうだった。
     2.性能は最高レベルだった。⇒日本軍の快進撃にのって、その見方が定着した。  等。

    また、戦闘機での戦闘は、飛行機の性能よりも、集団で連携することや相手よりも有利なポジションにいることがより大切ということも分かります。

  • ゼロ戦には神話がある。開戦時の圧倒的な戦果、非力なエンジン、人命軽視の思想、優秀なパイロットの消耗、大戦後期の惨めな敗北。
    本書は従来の定説を新たな視点で見直した本である。初戦の戦果は攻勢の優位にあるとし、勝敗を分けたのは性能(だけ)ではなく運用にあったという。
    特に、太平洋地域における飛行場等の施設が劣悪であった事、戦果を過大に評価した弊害には言葉も無い。
    この新しい零戦像が広がって欲しいものである。

  • 全く新しい零戦像。

全6件中 1 - 6件を表示

清水政彦の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島 由紀夫
村上 春樹
池井戸 潤
有効な右矢印 無効な右矢印

新潮選書 零式艦上戦闘機を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

新潮選書 零式艦上戦闘機を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

新潮選書 零式艦上戦闘機の作品紹介

20mm機銃の弾道は曲がっていたか?最初は無敵だったのか?防御軽視は本当か?撃墜王の腕前は重要か?最期は特攻機用だったのか?初期の栄光から激闘の珊瑚海・ミッドウェイ海戦、南太平洋の消耗戦をへて、マリアナ・レイテ、本土防空戦までの推移を追いながら、飛行性能だけでなく編隊・戦術などの用兵面を検証し、全く新しい零戦像を提示する。

新潮選書 零式艦上戦闘機はこんな本です

ツイートする