新潮選書 日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学

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著者 : 原田泰
  • 新潮社 (2009年9月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106036484

新潮選書 日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学の感想・レビュー・書評

  • データを元に議論することは難しいのだろうか?

  • 日本はなぜ貧しい人が多いのか。
    それは日本の所得再配分が、個人への支給が限られた人だけにとどまり、公共事業のように組織に通してなされるから。
    こういったことを、データを積み上げながら説明する。
    少子化は経済成長があり、年金制度を改革すれば、別に困ることではない、という主張だったか。
    理屈としてはそうなのか、と思うけど...。

    経済学の素養がないので、その論証が正しいのか自分で確認することができない。
    完全にこちらの問題だけど、もどかしく思った。

    個人的には社会的な問題を扱った第一章が面白かった。
    もちろん経済学のアプローチの特性というか、限界もある訳だけど。
    なお、本のカバーにある「日本の地方に豪邸街がないのはなぜ」については、本文に明確な答えは出されていないように思う。
    データにより地方に豪邸街がないことは明らかにされ、アメリカの住宅供給事情と比較され、日本の富裕層間の競争が起こらないことを指摘しているが、なぜないのかは説明していない。
    まあ、それが経済学のアプローチなのだろうと思う。
    というわけで、カバーの惹句には気をつけなくちゃ。

  • 巷に流布する説は間違いであるということをデータによって示す。こういう反論や検証は、何をするにしても必要。

  • 統計から真実を見つけていこうの趣旨。だが、果たしてこの統計処理が正しいのか微妙に思うところも。話としては面白い。

  • 発想のキーワード:言論の自由は証拠に基づかなければならない/人々が自らの意志で努力し、リスクを負担するのを制約すれば、高齢社会に向かう日本は、貧しくつまらない国になる/普通の人々にとって重要なのは、一人一人の豊かさであって、日本全体の経済力ではない

  • 正直タイトルと内容は関連しない、副題が正しい内容。

    巷に流布している都合の良い真実。それらは全て誤りである!(帯から)
    の示す通り、一般的に言われている事を統計資料をしっかりと読み込んで判断したらこうなりますよってのを個々丁寧に解説がなされている。

    数字は嘘をつかないが数字を使って嘘はつける。
    この手の本全般に言えることだが、こういう物の見方、手法が大事であって、結論部分を数字の意味を理解しないままうのみにするのは大変危険。
    そういう意味で大変難しい本でした。

  • 【感覚ではなくデータ】
    話が細切れになって、つながりがなく、ストーリーがよくわかりません。
    しかし、データで客観的確認する、すばらしいです。

  • 通説に対してデータから説明した本。
    経済政策によって国の行く末が決まる。
    こうすれば日本は良くなるといった内容が書かれていた、自分には理解できなかったが…

  • 通説の嘘を指摘しているところは面白かったけど、図表が見にくかったのにムカついた。

  • いろんな「定説」に対して、数字をもとに考えてみよう、という趣旨の本。
    ドイツワールドカップで日本が敗退したのは、ストライカーがいないからではなく、守備が悪いからでは?というのは面白かった。たしかに他の国と比べても失点が多くなっていた。
    ストライカー産業の育成はどうすれば良いのかわからないから、インフラ系の投入産業のコストを削減することで、ストライカー産業への良いアシストをするのが大事なのでは?という観点は面白かった。コストは低ければ低いほど色々できるからな。
    生活保護:給付総額はOECD平均の8分の1だが、非扶助人数は10分の1で、一人あたりは高額になっている。より広く薄く配分すべきであって、審査を厳しくすべきではないだろう。
    日本の年金給付額は世界一高く、児童手当は先進国中一番低いというのは、ほんとうにもうクソジジイのクソジジイによる、クソジジイクソババアのための政治だなぁと。。。
    医療費増大というけれど、質が向上するのであればそれは負担が増えるわけでもないだろう、という指摘。ただし、コスト削減のための試みはもっとあってしかるべき。

  • 著者はいろんな世間一般で言われていることは、
    真実ではないと主張する。

    たとえば、
    「高齢化により医療費が増大する。」
    これも増大はするが、GDPが2%づつ成長するので、
    GDP比はむしろ減るので、心配することではない。
    と語っている。

    本当にそうか?
    GDPが伸びても我々国民の収入が増えなければ、
    やっぱり負担が増えるので問題なのではないだろうか?

    全体にわたって、なんかだまされ感が残った本だった。

  • データ、データ、データ。ひたすら仮説、統計データ、検証、考察の論文形式なので工学系には慣れ親しんだ形式だ。紙面の都合か、検証のデータ選択の妥当性の説明が少し不十分かな。

  • 一般にマスコミなどで言われていることが、データと付き合わせてみると、必ずしもそうとは言えない、ということが書かれている本書。「格差は高齢化によるもの。しかし近年は若者の格差もやや大きくなっており、雇用の援助が必要」「増税するなら子ども・若者対策を。高齢者に対する費用は先進国の中でもダントツ」など、なるほどと思える内容だった。一次情報に当たる(そしてそれを読みこなす)ことが必要だと感じた。

  • ベーシックインカムにも言及?

  •  本書は「意外な事実の経済学」として、いくつかの論点を提起して、それについて考察する手法をとっているが、内容は理解しにくく同感できない。
     第1章で「日本は大丈夫なのか」とのテーマで、「地方の豪邸街」「サッカーの強弱」「投資の総量」「労働生産性の低下」等々があげられているが、これらは、多くの人が危惧する事項とは思えない項目が多い。
     第2章で「格差」を取り上げているが、いろいろデータをあげて「格差はあまり問題にしなくても良い」と思われる主張につなげているが、全く理解できないレトリックと感じた。
     第5章で日本経済の「大停滞の犯人」として、労働生産性の低下ではなく「デフレで実質賃金が高止まっている」ことが原因であると主張しているが、そうであるならば、非正規社員が増えて、実質賃金が低下すれば大停滞は克服されるはずであるが、現実はそうはなっていない。まったく評価できない主張だと思った。
     本書の内容は評価できないと感じつつも、本書が引用しているデータには興味を持った。「成長会計」「人口の変化と労働投入の変化」「産業別生産性」等々のデータ表には興味を覚える。本書で目を引くのは、このようなデータがあることを知れることのみであると思った。

  • この本では日本について常日頃から言われてきている内容について、著者の原田氏が実際のデータで証明することで解説を加えています。議論している内容は、日本経済や格差問題、人口減少、現在の不況の問題等、多岐に渡っています。

    特に1800年代の中国のGDPが世界最大であったという事実は何かの本で読んだことがあったのですが、その根拠が示されていた(p161)のは、私にとっては収穫でした。

    また、「10年前に100万円投資した場合、各年にいくらの価値になっているのか=2007年からは金投資が1.5倍以上で最高」(p175)は初めて見たグラフでした。

    ただし、日本の輸出に占める国別、品目別のシェアのグラフ(p194)についてはシェアのみが議論されていて、金額に関する記述がなく、誤解を招きやすいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・アメリカのサブプライムローンでの悲劇は多いが、2004年までに購入した人の4分の3はなんとか返せているp17)

    ・1990~2007年までの日本の労働生産性の上昇率は、労働者一人当たりではなく、実際に働いた時間当りの実質GDPで計算すると、2%成長でほぼ変化なし(p34)

    ・少年兇悪犯は戦後から1970年にかけてぞ増加したが、1996年頃迄は減少している、それ以降2002年にかけて増加したが、警察の路上犯罪対策強化により減少している(p39)

    ・給食費未納問題について、払われるべき4201億円のうち、未納金額は22億円であり、0.5%(p42)

    ・1700年ころまでは、世界はほとんど一様に貧しかったが、その後の300年で格差が生じた(p71)

    ・日本はジニ係数に比べて、相対的貧困率(所得の中央値の半分以下の所得しかない人の比率)が高いことが問題である(p99)

    ・日本の女性が28歳で出産育児のために会社をやめて2人の子供を34歳まで育てた後にパートで働いた場合、この女性の家族が諦めなければならない所得は、2.37億円(p119)

    ・日本の現在の年金制度は、世界一気前のよいもの、典型的な日本の年金給付額は23.6万円/月(p135)

    ・GDPを国別に比較する場合において購買力平価を用いたGDPを使うのは、所得の低い国ではサービス価格が低いなどの内外価格差が調整されて一人当たりの生活水準が明確になるから(p155)

    ・1840年までは中国のGDP はイギリスの4.4倍、アメリカの8.5倍、日本の11倍、19世紀末にイギリスは中国のGDPに近づいた、日本は4分の1程度(p160)

    ・10年前に100万円投資した場合、各年にいくらの価値になっているのかにおいて、1995年から2005年までは米国株式、それ以降は「金投資」が投資効率が良い(p175)

    ・日本の輸出に占める国別、品目別のシェアは、乗用車では米国が40%強で中国の2%より大、資本財は20%である(p194)

    ・日本は名目金利が低いので下げられないという意見があるが、量的緩和を行えば金融はいくらでも緩和できる(p197)

    ・消費者物価は、資源価格(含む食糧)、サービス価格、ハイテク価格(耐久消費財、通信料)の3要素で構成される、資源価格は2008年に乱高下したが、それ以外はあまり上がっておらず、総合的には上がらない(p249)

    ・日本のエネルギー効率は、為替レート基準ではアメリカより大きく、欧州レベル、購買力平価ではアメリカよりも高いが欧州よりも低い、 低いエネルギー投入で一定の生活水準が得られることを意味する(p271)

  • 社会学の本かと思ったら経済学でした。とはいえ、不況になったら就職率下がるし、税収減でも社会保障が云々ってなるから経済と社会は裏表の関係。テーマが細分化されててなかなか面白かったけど、俺はあまり経済自体には興味ない。

    人口問題、格差問題、失業問題なんかの社会問題の方が読みどころがあった。

  • ユニークな考察があったのでメモ。
    日銀総裁は日銀出身と財務省出身でどちらがパフォーマンスが良いか。パフォーマンスの定義はグリーンスパンの言葉から高成長率で物価が安定していること。結論は有意な差はない。

    本書を読む場合は6章のみを読めばおk。後はオマケ程度。

  • いまいち。
    データに基づいて「若年失業率が高い」日本は平等な国である」といった俗説を否定するまでは良い。しかし、その後の反駁が、著者に都合のよい仮説と前提を用いてあげられているように感じ、ほとんど納得感の持てる内容ではなかった。

    中でも明確に間違っている、と思ったのが、「アメリカは地方にも高級住宅街がある→裕福な人が地方に移り住む→地方も活性化する」だ。
    そんな訳はない。
    アメリカは広い国土の各地に個別の産業が発展しているからだ。ウォール街といえは金融だが、ボーイングはシカゴ、Googleはカルフォルニア、など。だから富裕層が各地に住んでいるのに、都合の良いように解釈しすぎだ。

    他にも多々おかしなところがあって、どうも読んでいて気持ちの良い本ではなかった。

    とは言っても、いくつかは為になるところもあった。
    日本人の貧しさは、「相対的貧困率」が低い、つまり、格差が大きいという問題よりも、平均よりも貧しい人の割合が多いことが問題である、というところなど。

    結論。あまり読む必要性はなかった。

  • 思い込みに囚われている世論に対して、データを多様しながら別の視点を提示している本。
    この本と同様に別の視点から命題に答えている著者は多いが、この本では別の視点で結論づけることが目的化している印象を受けた。その結果、一部のデータを提示して、そのデータのみを用いて短絡的に結論づけている個所が散見され、疑問や反論が生じた部分が多かった。
    ただし、批判的な視点を磨くという意味では読む価値がある。

  • 面白いのし、データを駆使していて科学的っぽいが、いつの間にかヨタと区別がつかなくなってきてしまった。テレビを見てるみたい。

  • 最近統計モノを読む機会が多い。読むたびに、事実を基に分析することの重要性を再認識する。ここに何かを書くためにメモしたんだけど、メモだらけになった。知らない事実が多かった。


    公的扶助給付額は際立って高いが、公的扶助が実際に与えられている人は少ない。

    公的扶助の給付額は、主要先進国の中で高い一方で、生活保護水準以下の所得で生活している人は15%で、実際に生活保護を受けている人は0.7%なんだそうだ。

    また、市場所得で見た場合の相対貧困率は低いが、可処分所得で見ると不平等になる。これは、日本の社会制度が、公的扶助をうまく配分できていないという事実を表していると思う。

    今ある分配の仕組みを見直すだけでも、改善される余地はある。


    子ども一人を育てるコストは1億円ぐらい。

    子どもを育てるコスト=働いていたと仮定した場合にあきらめる所得。そう考えると、子ども一人当たり1億円のコストがかかる計算になるらしい。子ども手当でも、とても足りない。こういうコスト感覚は、みんな気づき始めてるんじゃないのかな。共働きの方が生活は楽になるし、子ども一人持った途端に、時間とお金への制約が劇的に増える。


    労働生産性の低い産業を輸入する。

    各産業の労働生産性も計算されているんだけど、繊維産業などが効率悪い部類になっている。岐阜でも、昔は繊維業が盛んだったけど、海外の安い製品などに押され、最近は見る影がなくなったという話を聞いた。

    労働生産性の伸びにくい産業から、労働生産性の高い産業に切り替え、これまでの産業は輸入することで、国の産業は伸びる。これは、経済学の基本。


    官民賃金格差が高い県ほど、民間の平均所得が低い。

    これは少し驚いた。こういう事実があるらしい。これは、地方の財政が公務員の給与に反映されていないことを示している。

    こういう事象があると、地方で優秀な人材は公務員を目指すようになり、地方産業に人が集まらなくなる。すると、余計地域産業は発展しない方向に向かってしまう。

    確かに、自分が就職活動するときも、公務員志向が高い人が多かったなあ。公務員が悪いとも思わないけど、公務員志向が高まる仕組みは、地方経済にとって勿体ないとは思う。

  • library jun 5 reserve

  • 世の中の常識にデータの裏付けは必要ない

  • 日本経済に関心ある人にはとても面白い。日本経済の現実の分析の冴えが素晴らしい。

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新潮選書 日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学の作品紹介

日本の地方に豪邸街がないのはなぜ?北欧は本当に日本より年金制度が充実しているのか?人口が減少すると国力も衰退する?世界金融危機の影響はどうして日本で大きいのか?日本のエネルギー効率は断トツに高い?経済政策、少子高齢化、国際競争力、教育、年金制度について流布している通説を統計データと経済学的思想で「逆説的」に覆す。

新潮選書 日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学はこんな本です

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