ヒトはなぜ拍手をするのか: 動物行動学から見た人間 (新潮選書)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106036699

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  • ヒトはなぜ拍手をするのか、なぜサングラスをしていると生意気に見えるのか、なぜ女性は男性の左側を歩くのか、、、などの疑問を動物行動学の観点から考察されている。

    議題は面白いが、いまいち頭に入ってこなかった。
    ・立場が上の人に「あなたに対してエネルギーを使っている」と示すこと
    ・男は狩猟、女は採集
    ・自分の遺伝子を残すためには
    ざっくりこのあたりが起点となって行動に現れてるのかな、というのはわかった。

  • 動物行動学の視点から、日常生活で見られる人間の行動や感情の原理を説明している。

    一つ一つが独立しているので、読みやすい。

    特に興味深かったのは、笑いの原理。
    笑い声は遊びであるという事を示す手段という視点は面白かった。

    著者の推論である部分も多いが、
    気軽に読めて面白かった。

  • 推論の域を出ないが、人間の些細な行動を動物行動学的に解説。

    簡単な読み物としては面白いかな、と。

  • なぜ女性は内股、男性は外股なのか。なぜ友好的な気持ちを示すとき拍手をするのか。なぜ葛藤状態のとき、頭を掻くのか。並んで歩くカップルは、なぜ女性が左側になるのか。デート中なのにどうして男性は綺麗な女性に目移りしてしまうのか。なぜ、男子と女子で動物に対する接し方が違うのか。・・・・・・・・・これまで気にもとめなかった「なぜ」。言われれば無性に知りたくなる「なぜ」に明解に答えてくれる。実に興味深くおもしろく読んだ。人間の日常的な生活の中に見られる「動作」「行動」「心理」について、進化論の仕組みに照らして科学的に解説している。女性をより理解できるようになったし、人への理解も深めることができた。

  • 「動物行動学」という視線で、我々の日常的な振舞いや言動を分析したもの。学術書というより、著者の想像も含めたエッセイの色合いが濃い内容。
    心理学と動物行動学の境界が、ちょっとよくわからなかったが、普段は気に留めない何気ない仕草などにも、様々な説明がつけられるのが面白い。印象的だったのが「芸術」「品格」「悪」といった、抽象概念に、動物行動学的な定義付けをしていること。納得できるかどうかは微妙だけれども、興味深い試みだと思う。

  • 動物行動学の学者氏がヒトの些細な行動をくそまじめに掘り下げて分析する本。
    大学時代の友人の勧めで購入。

    人間の行動や振る舞いには大原則的には、
    人がまだ狩猟採集生活を営んでいた頃にDNAに組み込まれた、
    「自分の遺伝子を後世に遺す」という本能によるものが多い。

    例えば書名にもなっている「拍手」をはじめ、「デート中でも男は美人を見てしまう」、
    「幽霊を怖がる」、「人にリズム感がある理由」などは全て、
    こうした本能によるものであることを、実証実験結果などを交えて解説する。

    自然科学分野の学者の持つ実証性のクリエイティビティは、
    目の前の現象にどう軸を入れると、検証可能な問いとなるかという、
    現実への敬意の裏返しと思う。

    ド文系の僕には、こうした自然科学分野の視点に、
    とりわけ原理的なヒトの営みへの解析姿勢に、畏怖に近い感情を覚える。

著者プロフィール

1958年岡山県生まれ。
岡山大学理学部生物学科卒業。京都大学で理学博士取得。
岡山県で高等学校に勤務後、2001年鳥取環境大学講師、2005 年教授。
2015年より公立鳥取環境大学に名称変更。
専門は動物行動学、進化心理学。
これまで、ヒトも含めた哺乳類、鳥類、両生類などの行動を、動物の生存や繁殖にどのように役立つかという視点から調べてきた。
現在は、ヒトと自然の精神的なつながりについての研究や、水辺や森の絶滅危惧動物の保全活動に取り組んでいる。
中国山地の山あいで、幼いころから野生生物たちとふれあいながら育ち、気がつくとそのまま大人になっていた。
1日のうち少しでも野生生物との"交流"をもたないと体調が悪くなる。
自分では虚弱体質の理論派だと思っているが、学生たちからは体力だのみの現場派だと言われている。

「2023年 『先生、ヒキガエルが目移りしてダンゴムシを食べられません!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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