「患者様」が医療を壊す (新潮選書)

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著者 : 岩田健太郎
  • 新潮社 (2011年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106036712

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「患者様」が医療を壊す (新潮選書)の感想・レビュー・書評

  • 落語好きな人のようで、軽妙な語り口でとても読みやすい。説いているのは大人の知恵ということにある。こうした考え方が常識化すれば、医療分野に限らず日本社会は随分ましになるのではないだろうか。医療の世界にある対立構図について述べた第二章は、やや蛇足に感じた。

  • 人を評価しては行けない、相手の言いたいことを推し量り、それをプッシュする、健康に関する価値交換

  • 患者様みたいな呼び方が患者を偉くして、医療の恩恵が受けにくくなった、と言う本。
    心理学も織り交ぜながら、なかはか面白く書いてある。
    でも、なんかそれだけ。

  • タイトルがキャッチーすぎる、というか。わざとそうしているんだろうけど、そういう対立構造の話じゃない。

    お医者様ごっこという言葉は、内容は理解できるんだけど、そりゃそうだ、その通りですと思いますが、語感としては好きになれないんだよね。本音とたてまえ、それはそのままアメリカ風のpolitically incollectというつまりは建前論に同じように思うし。

  • タイトルに惹かれて読んだが、内容はそれとは大分違う印象を受けた。
    また、読んでいてだらだら書かれているような気がして、まどろっこしさを感じた。
    患者と医者に始まり、医療業界内の対立構造など、結局は相手の意見を尊重した上で、謙虚になることが大切だということだ。
    引用した文章を見ていただければ分かるが、そのことが状況や言い方を変え何度も繰り返されている。
    著者のポリシーは、非常に生産的で合理的だが、そのことばかりが強調されているようで少し食傷してしまった。

  • タイトルとは裏腹に「先生、丸くなったな」と感じてしまう曖昧な書きぶり。これは誰に需要があるんだ…

  •  今日の、「医師は患者の希望を出来る限り優先し、物腰は柔らかくすべき」という考え方に疑問を呈し、「お医者さんごっこ」をキーワードに、医療のあり方を論じている本。
     ここでいう「お医者さんごっこ」とは、「患者は医師を信頼し、医師は目の前にいる患者にとって適切な医者像を振る舞い、良好な関係を築いで治療にあたろう」というものである。

     言葉の正しさについて「安易な言葉狩りが危険なのは、言葉の萌芽=語源の部分ばかりに注目して、時代を経てどのような文脈で使われるのかという流れが読めなくなっているため(言葉は出自ではなく、「今」の捉えられ方が大切)」、呼称について「友人の黒人女性曰く、黒い肌を黒いといってダメという言い方こそ差別的だ(悪意を込めていう人こそ問題)」、「レトリックを駆使して相手を説き伏せるのではなく、対話をしなければいけない」、アメリカは実績を挙げるために「医学生は褒めて伸ばせという一方で、劣等生は退学処分にすべき」という教育方針を持っている、(医療に携わる)官僚は国民やメディアに不審がられない為にも自ら情報を発信し、かつ現場を知らないのに薬の使用の可・不可を決めるのではなく、「ワクチンのメリット・デメリットの情報」を開示すべき、国民も官僚に頼り切っている実情に疑問を持つべきなど、筆者の持論が易しい文章でふんだんに込められている。

     筆者は「医師と患者は厳密には対等でない、ネットで情報を収集するのは大いに結構だが、医師の言いつけを最優先すべき」とも述べている。これはネットで有名(?)な林公一精神科医も以前自分のサイトで強く主張しており、いくら私達が情報をかき集めた所で所詮素人なのだから、「どのような考えのもとで医師はこの処置を施したのか」など分かるわけでもなく、自分・身内の健康のためには、指示を素直に聞いておくのが一番だということなのだろう。そして、医師と患者の関係が良好になることは、結果的に治療が進んですぐに治るようになっていくのだ、と述べている。
     もっとも、だからといって医師は横柄・傲慢に振舞って良い訳がなく、一生をかけて患者との対話とやり取りを学び続けて実行していかなければいけない、とも主張している。

     「医師と患者の良好な関係を作るのは一朝一夕には行えるものではなく、「何が正しいやり方なのか」という解答も簡単には見つからない。双方が必死に暗中模索することで、病の治癒というゴールを目指していくのが、望ましいあり方なのだ」、というような主張で本書は締めくくられている。至極当たり前の話なのだろうが、一部の迷惑なモンスターペイシェントのために、こんな本が生まれたのだろうか。

    自分用キーワード
    ニューヨークのジョーク:「僕はアラブの王様だ。3000万人の国民の為に働かなければいけない」「私はニューヨークの市長なのですが、2000万人の王様のために働かなければいけない」(世界一要求度が高いということを示唆している) Nevre say never(「絶対に、絶対と言うな」。アメリカで研修医はこう教わるという) ダイアレクティク(dialectic:対話のこと) ピグマリオン効果 内田樹(筆者はこの著者のファンであり、本書の内容の多くを著書から引用していると、後書きで述べている) 張良と黄石公の沓のエピソード 『House』(アメリカの医療ものドラマ。このドラマが好評を受けたことから、アメリカ人も「医師と患者は正確なやり取りが求められる」という風潮に嫌気がさしているのではと推測している) ドクターショッピング(筆者の指導医曰く「一人、二人と医者を変える患者は医者の方に非があったのかもしれないが、三、四人となると、大抵患者側に非がある」) 「病気を診ずに、患者を診る」「全人的に患者を診る」(筆者の大嫌いな言葉。病気と... 続きを読む

  • カタカナ多い。

  • 読みやすいです。

    タイトルとは直接関係が無い雑多な内容が主ですが

    著者の考え方が分かりますので、著者に興味がある方にはお勧めです。

  • 若手だが舌鋒鋭い岩田教授が「お医者様」ごっこを勧めています。医師と患者が対立関係になると医師は萎縮して治療が思うようにできなくなるので、「お医者様」ごっこをして患者さんは患者らしく振舞い医師をおだて、医師は医師らしくふるまうことでよい医療がやりやすくなると考えています(ピグマリオン効果)。
    また医療の世界でよくみられる対立構造が問題だと指摘しています。相手を説得すると恨みを買うことになるので、そうではなく自分の言っていることは正しいかと問いかけるかたちで対話をすることを勧めています。

  • 日頃感じていることとして共感。

  • 特に第一章が白眉。
    「お医者さんごっこ」とは、何とも印象的なネーミングだった。
    「医療」を「教育」に言い換えれば、教育の本としても読める。

  • 第2章の、医療現場にみられる対立構造、が面白かったです。
    医師の立場は、一時代前とずいぶん変わりました。
    横柄な医師が減った代わりに、横柄な患者が増えました。
    でも、「お医者さんをたてる患者」を演じることが、周り廻って患者のメリットになる、というのが著者の主張(
    それを「お医者さんごっこ」と著者はよんでいます(^^))。
    僕もその通りだと思います。

    教師に対するクレームも、構造は同じようなもの。
    クレームを付けると、周り廻って害を被るのは自分、ということになると思います。


    内容は重い内容を、口語体の軽さで読みやすくしてくれています。

  • 内田樹っぽい。語り口が好き。

  •  スマートな大人の対応、「お医者さんごっこ」をしましょう、という提案。
     着眼点が興味深く、成程と思わされるところが多々あった。
     書いてある内容は様々で、題名から離れているようで離れておらず、周囲を廻っている感じがした。良い意味で。

  • 「患者中心の医療」は根本的に間違っている,「医者は偉い」というフィクションを信じることで,患者も医師ももっと幸せになれる!という一風変わった視点の本。
     著者は感染症が専門の医師。『予防接種は「効く」のか?』で,ワクチンの一面だけをみて嫌悪する人たちの思考を論じていたのを読んで,なかなかいいこと言うなと思いこれも手にとってみた。読み進むにつれ何か内田樹の雰囲気を感じたが,案の定あとがきに大ファンであることの告白があった。
     内田樹って何か常識的な考えに対して,肩透かしをしてピントをずらすような言説が多いが,この本もそんな感じがして結構違和感もあった。まあ言いたいことは分かる。モンスターペイシェントとか猜疑心の塊のような患者が増えてて,そういう人たちは医師をほとんど敵と考えてる。
     そういう人たちは不幸にも「患者の権利」というものをはき違えているんだろうな。極端。でそれに対して著者は,患者は全面的に医師を信頼した方がお得ですよ,と説く。粘着的に医師のあらさがしをしたり,自分の病状を悪い方悪い方に考えるのは,体に差し障りがあるのは確かにそうだろう。
     著者が言う信頼は,信頼ごっこ。本気で医者が聖人君子だと信じるのも,悪逆非道だと弾劾するのも,どちらも小児的。大人なんだから,医者は偉い,というフィクションをお互い信じてるふりをして,それに身を任せるのが最善ですよね,という話。
     そのフィクションをフィクションとして捉えられないために,様々な不幸が出てくる。医療過誤など,結果ありきでそこから「原因究明」とあらを探されれば,医者は圧倒的に不利。「正しい治療」などないしできないのに,そういう追求をされてはたまらない。
     もう皆さん本当はわかってるんだから,もっと大人になりましょうよと著者は呼びかける。大筋はまあまあ納得なのだが,物言いがなんだかふんわりしていて,モンスターペイシェントが読んだら大激怒しそうな感じ。アマゾンのレビューは結構好意的ですな。

  • 特に第1章が面白かったです。
    医療の話というよりは、他者との関わり方について多くのことを
    教えてもらいました。
    結局は医療行為も医者と患者の関係性の中でしか実施されない訳ですから
    より良い関係性をつくっていく事は治療上不可欠な訳です。

    医者と患者が対等でないという著者の意見にとても賛成です。

    たまに病院に行く時があります。
    病院に行ってどの科を受診するか分からない時などは
    正直教えてほしいです。何故なら相手はプロだからです。
    ですから、受付で「どの科を受診ですか」と聞かれると
    時々戸惑います。逆に教えてと言いたくなります。

    患者さんの意思を尊重するのは良いと思いますが、
    病院は病気に対応する専門家の集団ですから、
    病気に対する情報の量・質は患者と非対称で然るべきです。

    お医者さんに対して卑屈になる必要はないですが、
    プロなんですから「お任せします」で、ある程度済む話ではないでしょうか。

    そもそも「医者と患者が対等」とはどのような状態かイメージしにくいです。
    同じ人間というの当り前で、医者ー患者の枠組みで考える必要もありません。
    よく見かける「患者様の権利」なのでしょうか。
    それは患者については述べられていますが、医者ー患者の関係性を謳っているとは思えません。

    ちょっとした気遣い、配慮なのかと思います。
    少なくとも自分自身が医者でない以上、病気の事は医者が圧倒的によく知っています。
    しかも、その知識と経験を持ち寄って、自分の病気を診てくれる訳です。
    謙虚な気持ちで「よろしくお願いします」ではダメですか?

    これを著者は「お医者さんごっこ」という表現で伝えていると思います。
    「お医者さんは偉い」という幻想と著書は言いますが、
    相手に対して敬意を払うという、コミュニケーションを円滑に進めるべく
    必要不可欠な自分自身の立ち位置だと思うのです。

  • お医者さんごっこというファンタジーってわかりやすいような、わからないような。それこそファンタジー。

  • 岩田先生の提唱する「お医者さんごっこ」という考え方を知るために多くの人に読んで欲しいと思った。お互いに良い関係が築け、医者においても最大のパフォーマンスが発揮できると思う。もちろん賛否両論ありそうだが。
    第三章の「人はしばしば、善悪・正邪の問題と好悪の問題を取り違える。」この話題が印象に残った。
    医療だけに限らず、日常的なコミュニケーションにおけるヒントがたくさんあると感じた。

  • 米国的な「患者中心の医療」の問題点、「全人的医療」という言葉の矛盾、などなど、私自身、もやもやと感じていた違和感がそういうことか!と解決できた。

  • ・量的研究=二重の量(変動パラメータ量とサンプルの量)による統計処理
    ・質的研究=・・・

  • その道のプロにゆだねる、ってのは大事よね。音楽で言うと、マスタリングとかね。

  • 研修医の時に岩田先生の感染症の本にお世話になりました。これは医療系の雑誌で載ってたのを見て興味が湧いたので購入。わたしの勤める病院でも患者に「様」呼称を用いており常々違和感を覚えていたのタイトルに共感を覚えた。内容はわたしが想像していた接遇的なものではなく、「お医者さんごっこ」というファンタジーを患者と医者が能動的に演じ、楽しむことで治療というパフォーマンスがあがる、ということを中心に書かれたものでした。煙草の話やEBMなど同様のことを感じていたので、そうそうと思いながら読みました。岩田先生は頭がブーンブーンと速い回転数で回っていますね。

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