- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106036712
感想・レビュー・書評
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読みやすいです。
タイトルとは直接関係が無い雑多な内容が主ですが
著者の考え方が分かりますので、著者に興味がある方にはお勧めです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
将か-31
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若手だが舌鋒鋭い岩田教授が「お医者様」ごっこを勧めています。医師と患者が対立関係になると医師は萎縮して治療が思うようにできなくなるので、「お医者様」ごっこをして患者さんは患者らしく振舞い医師をおだて、医師は医師らしくふるまうことでよい医療がやりやすくなると考えています(ピグマリオン効果)。
また医療の世界でよくみられる対立構造が問題だと指摘しています。相手を説得すると恨みを買うことになるので、そうではなく自分の言っていることは正しいかと問いかけるかたちで対話をすることを勧めています。 -
日頃感じていることとして共感。
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特に第一章が白眉。
「お医者さんごっこ」とは、何とも印象的なネーミングだった。
「医療」を「教育」に言い換えれば、教育の本としても読める。 -
第2章の、医療現場にみられる対立構造、が面白かったです。
医師の立場は、一時代前とずいぶん変わりました。
横柄な医師が減った代わりに、横柄な患者が増えました。
でも、「お医者さんをたてる患者」を演じることが、周り廻って患者のメリットになる、というのが著者の主張(
それを「お医者さんごっこ」と著者はよんでいます(^^))。
僕もその通りだと思います。
教師に対するクレームも、構造は同じようなもの。
クレームを付けると、周り廻って害を被るのは自分、ということになると思います。
内容は重い内容を、口語体の軽さで読みやすくしてくれています。 -
内田樹っぽい。語り口が好き。
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スマートな大人の対応、「お医者さんごっこ」をしましょう、という提案。
着眼点が興味深く、成程と思わされるところが多々あった。
書いてある内容は様々で、題名から離れているようで離れておらず、周囲を廻っている感じがした。良い意味で。 -
「患者中心の医療」は根本的に間違っている,「医者は偉い」というフィクションを信じることで,患者も医師ももっと幸せになれる!という一風変わった視点の本。
著者は感染症が専門の医師。『予防接種は「効く」のか?』で,ワクチンの一面だけをみて嫌悪する人たちの思考を論じていたのを読んで,なかなかいいこと言うなと思いこれも手にとってみた。読み進むにつれ何か内田樹の雰囲気を感じたが,案の定あとがきに大ファンであることの告白があった。
内田樹って何か常識的な考えに対して,肩透かしをしてピントをずらすような言説が多いが,この本もそんな感じがして結構違和感もあった。まあ言いたいことは分かる。モンスターペイシェントとか猜疑心の塊のような患者が増えてて,そういう人たちは医師をほとんど敵と考えてる。
そういう人たちは不幸にも「患者の権利」というものをはき違えているんだろうな。極端。でそれに対して著者は,患者は全面的に医師を信頼した方がお得ですよ,と説く。粘着的に医師のあらさがしをしたり,自分の病状を悪い方悪い方に考えるのは,体に差し障りがあるのは確かにそうだろう。
著者が言う信頼は,信頼ごっこ。本気で医者が聖人君子だと信じるのも,悪逆非道だと弾劾するのも,どちらも小児的。大人なんだから,医者は偉い,というフィクションをお互い信じてるふりをして,それに身を任せるのが最善ですよね,という話。
そのフィクションをフィクションとして捉えられないために,様々な不幸が出てくる。医療過誤など,結果ありきでそこから「原因究明」とあらを探されれば,医者は圧倒的に不利。「正しい治療」などないしできないのに,そういう追求をされてはたまらない。
もう皆さん本当はわかってるんだから,もっと大人になりましょうよと著者は呼びかける。大筋はまあまあ納得なのだが,物言いがなんだかふんわりしていて,モンスターペイシェントが読んだら大激怒しそうな感じ。アマゾンのレビューは結構好意的ですな。