- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106036729
作品紹介・あらすじ
坪内逍遙以来、男たちはジュリエットの娘ごころをどう訳してきたのか?マクベス夫妻の絆はいつ断ち切られたか?シェイクスピアで一番感動的な台詞とは何だろう。蒼井優の疑問に答え、松たか子の解釈に教えられ、唐沢寿明の演技に目をみはる。シェイクスピア個人全訳に取り組み、稽古場に日参する翻訳家が、演劇の魅力を深く平易に語り尽した快著。
感想・レビュー・書評
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翻訳者として、セリフをどのように訳すのか?オフィーリアの松たか子、ジュリエットの佐藤藍子、デズデモーナの蒼井優、レオンティーズ(冬物語)の唐沢寿明、マクベス夫人の大竹しのぶらの役者に示唆を受けて脚本を変更していくというのは、訳者がギリギリまでベストを追求している姿だと感じた。シェイクスピアが名セリフだけではなく、さりげないオセロ夫婦の会話の言葉にまで、深い意味を持たせていること、それを蒼井優たちが感じ取っているというのは、凄みを感じる。マクベス夫人が主要人物の中で唯一名前が書かれていない人として夫妻の一体性を「We」という言葉の訳し方から深読みしていく説明にも唸らされる。凄い!
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あるいは翻訳者の精読、あるいは役者の直感によって、たったひとつの言葉に籠められていたシェイクスピアの深い人物造形が明らかになる、その発見の瞬間の喜びを手軽に共有できる楽しい本。一語であっても、わずかに感じる違和感から目を背けずに考え・調べつづけると、かならず新しい発見で応えてくれる懐の深さが古典の魅力であり、それは源氏物語にもシェイクスピアにも共通している。
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資料ID:W0160550
請求記号:932||Ma 85
配架場所:本館1F電動書架C -
「深読み」と称するのが相応しいかどうかは措くとして、
翻訳者が、稽古場に日参して隈なく付き合えば、其処はさまざま発見の場となろうことは、容易に察しがつく。
「ハムレット」「ヘンリー六世」「リア王」「ロミオとジュリエット」「オセロー」「恋の骨折り損」「夏の夜の夢」「冬物語」「マクベス」が交々語られる。 -
劇を通して訳し方に気付くとか、翻訳を通してネイティヴの人が気がつかなかったところに気付くとか、おもしろい。