- Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106036767
作品紹介・あらすじ
水は不公平に存在している。だから、国境紛争の原因にもなるし、国際ビジネスのターゲットにもなっている。世界を旅し、辺境の地も数多く訪ねている著者が、改めて「水の今」を知るために旅に出た。水格差、淡水化装置、健康と水、雨水利用、人工降雨、ダムや河川の問題-。現場を歩き、水に触れ、口に含み、話を聞き、驚き、考えた、警鐘のルポルタージュ。
感想・レビュー・書評
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水は不公平に存在している。だから、国境紛争の原因にもなるし、国際ビジネスのターゲットにもなっている。世界を旅し、辺境の地も数多く訪ねている著者が、改めて「水の今」を知るために旅に出た。水格差、淡水化装置、健康と水、雨水利用、人工降雨、ダムや河川の問題-。現場を歩き、水に触れ、口に含み、話を聞き、驚き、考えた、警鐘のルポルタージュ。
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日本の水資源の豊かさは外国へ行った時に初めて分かる。水道をひねると飲める水が出てくるなんて国は極めて少ない。その豊かな水脈を日本人は次々と破壊してきた。なくしてから分かるのかな。そのありがたみを。
実際の体験も織り交ぜて、ブログに感想書きました。お時間ある方ぜひいらして下さい。お金はとりません(笑↓
http://zazamusi.blog103.fc2.com/blog-entry-580.html -
日本中、いや世界のイロイロな所を旅してきたシーナが地球の水の未来を憂いて現した作品。
将来の地球では「水」を巡り争いが起こるだろう、いやこの日本でも中国資本等が日本の貴重な水源地を狙って土地の取得に動いたりしているらしい。われわれ日本人は当然のように水道の蛇口をひねれば美味しい飲める水が出てくる、そんな美味しいタダの水があるのに、ガソリンより高いようなペットボトルの水を買っている。
「水」に対しての無頓着を直し、地球の水危機、日本の水危機について、真剣に取り組もう。 -
椎名誠による、水問題を足元から見た、ジャーナリズムを感じる一冊です。
日本における水道水とボトルウォーターの話、世界の河川の話、森林から水を守ろうとする人々、など興味深い話が散らばっております。
著者自身が述べているように、もっと詰め込みたい話題がたくさんあったんだろうな、と思えるような興味深い話題が盛りだくさんです。
自身の野営や辺境訪問などの際の飲料水問題も交えており、足元から問題を捉えている人の文章だと思いました。
治水・利水行政に関しては少し批判が偏っている気もしますが、それにしても読みごたえがあります。
参考文献に、どういった内容かの紹介も述べられていますし、著者自身が読んで参考になった書籍も紹介されています。
「若い人に」と書いてあるように、水問題を知る一冊目にはベストだと思います。 -
水に携わる仕事をしていることもあり、なんとなく手に取ってみた。
海外の水事情をたくさん見てきた著者の体験したエピソードが生き生きしていてたいへんおもしろく読めた。ウィスキーの流氷割りはイメージするだにうまそうだ。
また、外から見た日本の水事情という視点も新鮮だった。水をありがたいものと感じるようなシチュエーションに身をおくことはこの国に住んでいる限り、そうそうないからだ。しかし、国内においても、離島などはまったく事情が異なるというのも知らなかったなぁ。 -
I understand the importance of water and our country is rich in good natural water. In the former part of this book, the author wrote what he listened to at first hand. I liked the attitude. I felt proud of some companies in Japan such as 'TORAY' which lead water purifying industry in the world.
Meanwhile, I felt disappointed when reading the latter part. He argues that almost all dams and river banks are harmful to nature and human life. Those view was what he has made over and over again. I think Mr. Shiina's opition is too extreme and I cannot agree with him. -
今、日本の水が危ない。世界でも特に恵まれた水環境にある日本。しかし、その環境が見えないところで、破壊され始めている。
元々、自然環境について、世界の辺境を旅してきた経験から、様々な提言をしている椎名さんの言葉は、読んでいて、とても説得力がある。
内容自体は重く、難しいテーマでもあるが、椎名さんの分かりやすい文章で読みやすくなっている。
日本だけでなく、世界でも何十年後かにはもしかしたら、とんでもない水環境になっているかもしれない。四万十川の流れる市に住んでいる自分も、遅ればせながら自然環境のことを、もっと真剣に考えようと思う。 -
椎名誠のエッセイ。世界中を旅してきた著者が、現代の「水事情」について考える。「水」の重要度は今後益々高くなっていく。地球上の「水」は、そのほとんどが海水であり、人間が飲める淡水はわずか数パーセントしかない。その淡水でさえも、ダムの開発や工業化による汚染が進み、安心して飲める水はわずかしかない。世界中で水不足になっている中、日本の水政策は無策に見える。川の上流には外国資本が徐々に進出し、水源を押さえようとしているのに、それを規制する法律が無いらしい。国土が簡単に売り買いできるのも、先進国の中では日本だけの特徴であり、著者は今後の日本の水資源確保に不安を感じているようです。日本は水に恵まれ過ぎていて、国民も水が当たり前に有るので、水不足に対する自覚が無い。もし水が手に入らなくなると、石油不足以上の問題になると警告している。
自身が世界中を旅行した時の「水」体験を含め、水に纏わる話題を多く取り上げており、読みやすくて勉強にもなるエッセイです。水について改めて考えさせられました。