ふたつの故宮博物院 (新潮選書)

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著者 : 野嶋剛
  • 新潮社 (2011年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106036828

ふたつの故宮博物院 (新潮選書)の感想・レビュー・書評

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  • 北京と台北にある故宮。その歴史は蒋介石の意志によるところが大きそうです。中華思想を体現する宝物として、文化資産が北京から出て、南京そして中国各地を転々とし、国民党軍の台湾への退却に伴い、船に載せ海峡を越えて台湾に運び込まれる!日本軍、中共軍との戦いの中で、良くあれだけの資産を損傷することなく、運び込んだという執念に驚きです。蒋介石にとっては三種の神器のようなものだったように思います。そしてこの2つの故宮の合体が今では大陸・台湾の和解という政治的な意味合いを持って語られることに歴史の皮肉を思います。元の黄公望という書家の風景画「富春山居図」という長大な絵巻の作品が焼け残って台北と杭州の博物館に分かれており2011年の文化交流として杭州から台北に片方が運ばれたというのは感動的な話です。しかし中華思想は元々台湾の本省人にとっては迷惑なものでしかないのも理解できました。人口700万人の島に200万人の本省人が49年に渡ってきたということは、考えてみれば恐ろしいことです。

  • 地元の図書館で読む。

  • ふたつの故宮の歴史を振り返ることで、中華思想について触れている。台湾の故宮に一度は行ってみたいなと以前から思っていて、その思いを強くしました。

  • 故宮博物館の文物とは、正統な歴史を持つ国としての証でもあるという見解は目から鱗。日本のような万世一系の天皇のもとという歴史の解釈がないゆえの文物へ固執具合が良くわかりました。二つの故宮博物館の文物が日本で一緒に公開される日を楽しみにしたいと思います。

  • 故宮博物院というテーマからみた台湾と中国

    台北と北京、同じ故宮がこの地球上に二つ存在する。
    どちらかホンモノか?それは、立場が違えばそれぞれの回答がある。
    そう、故宮も政治的運命に翻弄されながら存在しているのだ。

    もともと、北京にあった故宮博物院の文化財は日中戦争が激しくなり、箱詰され中国の奥地をさまよう。そして日中戦争後は共産党と国民党の内戦により蒋介石が重要な文化財を台湾へ運んだ。

    この二つの故宮という視点から、中国・台湾というものを理解するきっかけとなる力作だ。

    旅先で訪問した二つの故宮。
    この本を読んだ後の訪問は、また違った視点から二つの故宮博物院を楽しめそうだ。

  • (要チラ見!)

  • このところ、台湾に興味津々。台北故宮が展示施設というより、宝物の保管施設として建てられたことに注目。大陸から逃れてきた国民党があくまで一時的な避難地としてしか台湾を考えていなかったことを如実に物語っている。本省人と外省人の意識の違いの淵源がよくわかる。

  • 1977年に台北、2006年に北京の故宮博物院を訪れた。自分でもいろいろ考えることがあったが、この本を読んでみたい。

  • 北京と台北。戦争と政治によって引き裂かれた故宮の秘宝の運命をたどる壮大なノンフィクション。著者は朝日新聞の元台北特派員。

    故宮に収められている文物を所有することは、単なるモノを所有することではなく、そこから導かれる歴史、そして、権力の正当性を手に入れることだという。

    今後、中国と台湾の歩み寄りが故宮の歴史とどう絡み合っていくのか。個人的には、北京と台北の両方を集めた「日本展」の開催を期待したい。

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ふたつの故宮博物院 (新潮選書)の作品紹介

戦争と政治に引き裂かれ、「北京」と「台北」に分かれた、ふたつの故宮。同じ名をもつ東洋の二大博物館が、相容れない仲となって約半世紀が経つ。しかしいま、中国と台湾の歩み寄りが、両故宮をにわかに接近させつつある。数々の歴史的秘話や、初の「日本展」へ向けどのような水面下の動きがあったかを明らかにしながら、激動を始めた両故宮に迫る最新レポート。

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