形態の生命誌: なぜ生物にカタチがあるのか (新潮選書)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106036835

感想・レビュー・書評

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  • おそらくこの著者の長沼さんは、かなりの「フカオイスト」なのではないかと。

    各章、おもしろい展開だったけど、第12章は、読んだ当時思わず「エキサイティング!」と読書メモにも残した「眼の誕生」を思い出して楽しかった。

  • カタチへの問い。ちょっと分野違いの専門家による生物の形態の話。専門性が低いという意味では読みやすい。

  • 140111 中央図書館
    あちこちに話が飛び火しながら進んでいくようにみえて、発生生物学、古生物学、数理的(構造主義的?)な生物形態論まで、綺麗にまとまっていく。
    タテクチ、ヨコクチの話、アノマロカリス、フラクタル、生成文法、L-システムなど興味をそそられる内容が多かった。

  • テレビでのちょいちょい見かけるようになった長沼先生 @NaganumaTakeshi が季刊誌に寄せた連載の単行本。著者本人のキャラに比すると表紙が地味だし、長沼さんの専門分野ではないようだが、「生命=コト、生物=モノ」というスキームの中で、後者のモノ ---- つまりカタチに注目したあれやこれやの話が、面白く脱線しながら進められてる。
    どの章も面白いが、読んでいて個人的に盛り上がったのは第6~8章。フィボナッチ数列~黄金比~チューリング・パターンの件だ。生き物のカタチや模様は不思議だけれど、それを解きほぐす人間の知見も大したものだと感心してしまう。もう一点印象に残ったのが昆虫の変態。蛹の中では、各組織がドロドロに溶けてから再構成されるという。それでも同じ個体と云えるのかい?
    唐突にゲーテが引用される箇所がいくつかあり、それは理解できなかったけれど、総じて楽しく読み進められた一冊だった。

  • 辺境生物学者の長沼毅による、形態と進化に関するエッセイ(雑誌連載)。エッセイなのでテーマの一貫性にはやや難があるが、内容的には面白い。著者の専門分野ではないため、他書からのネタがほとんど。自分も既読の本が多いが、あらためて重い出せてくれたことに価値がある。
    旧口動物と新口動物の命名由来は、恥ずかしながら今回やっと理解した。
    著者の希望する食べる口と呼吸する口の分離については、おそらく現在の内鼻口が咽喉部に開口しているメリットがあるのだろうと思う。酒好きならば含み香の重要性を知っているが、これは口に含んだあとで匂いを確認すると言う点で必要な機能だったろう。
    数学的なカタチのフィボナッチ数。
    亀の中間化石が発見されていたこと。

著者プロフィール

1961年、人類初の宇宙飛行の日に生まれる。深海生物学、微生物生態学、系統地理学を専門とし、極地、深海、砂漠、地底など、世界中の極限環境にいる生物を探索する。筑波大学大学院生物科学研究科博士課程修了、海洋科学技術センター(JAMSTEC、現・海洋研究開発機構研究員)、カリフォルニア大学サンタバーバラ校海洋科学研究所客員研究員などを経て、現在、広島大学大学院生物圏科学研究科教授。『宇宙がよろこぶ生命論』(ちくまプリマー新書)、『形態の生命誌――なぜ生物にカタチがあるのか』(新潮選書)、『辺境生物探訪記 生命の本質を求めて』(共著・光文社新書)、『地球外生命 われわれは孤独か』(共著・岩波新書)、『生命の始まりを探して僕は生物学者になった』(河出書房新社)ほか著書多数。

「2016年 『ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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