科学嫌いが日本を滅ぼす―「ネイチャー」「サイエンス」に何を学ぶか (新潮選書)
- 新潮社 (2011年12月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106036958
感想・レビュー・書評
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2016/02/15
The winner takes all
ロングテール
ダークレディ: ロザリンド・フランクリン詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
俗世と科学
以前、理系と文系の比較を書いていた著者で、その新書の感想も書きたい放題書いたけど笑
本書もはじめから首を傾げる所が多々あったにも関わらず、読んでしまった。
おそらくこの手の本を私が他に知らないためだろう。
ともかく、
本書はネイチャーとサイエンスの比較、科学誌の(いい意味ではない)事件、日本世論と科学の付き合い方の3本構成。
色々突っ込みどころはあるものの(比較する時代が異なっている、とか。南方を持ち上げて種明かしで落とす、とか。)、読みやすくてよかった。
こういう専門分野を分かり易く書くってありがたい!著者としては大変かもしれないが。
科学誌を揺るがす大発見(理論の発見ももちろん含む)は意外にも前述二誌以外が結構あったり、ピアレビューがダメダメでも編集部の独断で載せたものが大穴だったり、学問の世界も理論通りには行かない。
もちろん、システムとして整備するのは大事だけど、そのシステムを構成するのは人だからセオリー通りに行かないことは多々ある訳で、当たり前な訳で。
そういう「例外」も科学のカンフル剤の一つなんだろう(広い意味で捉えると)。 -
辛抱強く諭してきた筆者もそろそろ切れてしまいそうだ。
もう、いろんな分野で、聡明な人たちが、この国が本当に危ないと言い出している。
小ネタとしては、社内英語公用語化への切り返しは見事。 -
一般人として。あんまりタイトルと本文は関係なく、ネイチャーとサイエンスの違い、科学史や現在の科学トピックに関するざっくりエピソードいくつか、著者の科学との関わり方がメイン。
前半はネイチャーとサイエンスの正直どうでもいい違いを延々と言ってて、ちょっと飽きた。科学エピソードは門外漢にとっても非常に読みやすい。著者の原発、英語、エセ科学に関する意見もふむふむなるほどーと納得できるものだった。けど、個人的にはラストの対談が一番面白かったかも。分野の違う科学者同士が自分の研究内容を相手に説明する様子って、むちゃくちゃわかりやすい。