髑髏となってもかまわない (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
3.50
  • (0)
  • (4)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 29
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106037047

作品紹介・あらすじ

人は必ず死ぬ。にもかかわらず、現代社会はそれが不浄なものであるかの如く死を忌み嫌う。長生きこそ善とばかりに、いつしか「老病」に怯えながら、安寧の少ない晩年を生きるようになってしまった。死を見つめながら生きるとはどういうことか?死を覚悟した時に輝く生とは?鴎外、漱石、子規、茂吉、賢治、西行、芭蕉ら、先人たちの末期を読み、涅槃を想う。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 死ぬということについて。良寛や芭蕉から鴎外、漱石、子規、茂吉、賢治まで、先人たちの末期を読み、自らの結末を考える。

  • 願はくば花の下にて
    死に支度の時
    失われた鎮魂のこころ
    それでも山河あり
    ローソクの火が消えていくように
    漱石、最後の願望
    宮沢賢治の末期の声

    鴨長明 方丈記 風 涅槃願望
    インドの乾いた無常観 日本の湿った無常観
    グスコーブドリの伝記
    「暗い科学」と「疲れた宗教」の対置
    「冷たい近代化学」と「誤解から生じた信仰」の対比
    科学に命を吹きこみ、宗教に血を通わそうとする心の軌道(願い)

  • 髑髏となってもかまわない。凄まじい覚悟?

    死とどう向き合えばいいのか、先人たちの事例を丹念に追った著作。

    序章 願わくは花の下にて で始まり、正岡子規、茂吉、松本清張、森鴎外、夏目漱石、宮沢賢治における最期が描かれている。

    最後、ツイッターがわりに書かれている言葉がいい。

    いつなんどき、髑髏になってもかまわない。

    別に死と慣れあおうとしているわけではないのであるが、それはそれでかならずしも悪い気分ではないのである。

    80歳となった山折哲夫氏の気分であるが、62歳である自分にはまだ、時が熟していないような気がいたします(笑)。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

山折 哲雄(やまおり・てつお)
昭和6年サンフランシスコ生まれ。父は浄土真宗の海外布教使。震災の被災地岩手県花巻市で少年時代を送る。東北大学印度哲学科卒業。同大助教授を経て国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター所長などを歴任。むずかしいテーマを分かりやすく、かつ独得な視点から論じて読者を飽かさないユニークな宗教学者。専門の宗教学、思想史のほか、西行などの文学的テーマから美空ひばりまで、その関心とフィールドの広さは定評がある。『人間蓮如』『悪と往生』『ブッダは、なぜ子を捨てたか』『親鸞の浄土』など、著書は100冊を越える。

「2022年 『日本人の心と祈り 山折哲雄講演選集 CD版 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山折哲雄の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×