江戸の天才数学者―世界を驚かせた和算家たち (新潮選書)

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著者 : 鳴海風
  • 新潮社 (2012年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106037122

江戸の天才数学者―世界を驚かせた和算家たち (新潮選書)の感想・レビュー・書評

  • 『和算の大家 関孝和(上毛カルタより)』

    といえば我が郷土、群馬県を代表する偉人だ。

    さて、我らが天才和算家の活躍でも読ませてもらおうか、と思って本書を開いたが、いきなり「関孝和の出生地は実はよくわかっていません」ときた。

    ま、マジで!?

    著者も書いているけど、もし江戸で生まれたなんてことになったら群馬県は大騒ぎになっちゃうよ。

    群馬県人にしか理解できない想いはひとまず横に置いといて……

    筆者も冒頭で書いているように本書に取り上げられている8人の和算家の選抜方式は、決して学術的な実績の優れている人物を上から8人選んだというわけじゃない。

    江戸時代に数学が人々の間でどういう風に楽しまれ、発展し、歴史に影響していったのかを俯瞰的に見るために選抜された8人である。

    関孝和目当てで本書を開いた僕だけど、一番興味深く読んだのは山口和の章だ。

    彼は学者としてトップを目指してしのぎを削るような道ではなく、全国を遊歴して地方の数学愛好家たちに数学を教えることに生き甲斐を見出した。

    彼はなるべく辺鄙なところを選んで行ったということだが、驚いたのはどこにいっても江戸の進んだ数学を教えて欲しいという数学愛好家がいるので宿に困らなかったというところだ。

    日曜画家ならぬ日曜和算家が全国津々浦々にいたなんて、理系離れなどと言われて久しい昨今、信じがたいようなことだが、同時にちょっと嬉しいような気がするのは何故かしら。

    読み書き算盤というように、ある程度の計算力は商人はもちろんそれ以外でも必要不可欠なものだが、それ以上となると現代でも実生活の中で役に立つことは少ないくらいだから、当時はもう完全に趣味の世界だ。

    可処分時間に数学をたしなむ。

    なんて豊かな生活だろう。

    サッカー界では日本より人口が少なくてもずっと強い国がある。

    そういう国には優れた選手を育む周囲の理解や審美眼がある。

    本書に取り上げられている8人の天才たちも彼ら独りだけの力で天才足り得たのではなく、その才能の種に発芽をうながすだけの土壌があってのことだろう。

    花を愛でるということは、土を知ることでもあるとわかった。

  • 和算の天才・秀才たちのエピソードではあるんだけど、
    それよりも、この時代に数学が習い事とか趣味、教養、もっと言うと一種の道楽? として普及してたというのが面白かった。僻地に旅した遊歴算家が庄屋さんや名主さんに「この辺で数学やってる人は……」って尋ねたら「それならあの人が」って分かるレベルで各地に愛好家が居たっていう。
    暦づくりや測量など実地で生きる技術としての数学は勿論だけど、この裾野の広さって本当にスゴイなぁ。
    今でも、余暇の愉しみのひとつに数学、がもっと一般的になってもいいのにな。余暇活動自体が細ってるから駄目なのかしら……?

  • かつて日本にはどんな和算家がいて、どんな風に活躍したのだろうかという興味があった。

    関孝和や渋川春海、建部賢弘などは小説などを通して多少知っていたが、遊歴算家として日本各地を歩き和算を広めた山口和の話は知らなかったので一番興味深く読んだ。
    数ヶ月から数年をかけ、また都市部を避けなるべく僻地を選んで歩いて回ったところに山口和の和算への想いを感じ、しかもそういう土地にも必ず和算愛好家がいたという江戸時代の事情に驚いた。
    和算に対して貪欲に知識を求める当時の人々に尊敬の念を抱かずにはいられない。

    会田安明も関流との論争については若干揚げ足取りというか粘着質のような部分も感じられるが、それでも関流もきちんと認めた上での反論であったり、会田安明の最上流が秘密主義に走らなかったお陰で和算が発展したところは素晴らしい。

  • 天地明察の主人公、安井算哲に興味を持っていたので、とてもおもしろかった。

    夏の数学課題図書

  • 『天地明察』に触発されてこの本を読んだのだが、思っていたよりもおもしろかった。
    『塵劫記』で有名な吉田光由に始まり幕末から明治にかけて活躍した小野友五郎まで、八人の和算家について書かれている。

    数学者というとなんとなく一部の頭のいい人達が何か難しいことを一生懸命やっているというようなイメージを勝手にいだいていたのだが、この本を読んで、数学というのは、土木、暦、操船術などにおいて我々の生活に無くてはならないものだったのだということを改めて気付かされた。

    そして、鎖国という他国の優れた知識から隔絶された不利な状況においても、楽しんで数学の未知なる分野に挑んでいった先駆者たちが多数いたことに大変感銘を受けた。

  • 数式はもうわからんけれども、建部賢弘の円周率の公式なんかうつくしい

  • 関孝和、建部賢弘、渋川春海など、和算の大家とされる彼らの足跡を紹介した一冊。(渋川春海は天文暦学者であるが、天文暦には高度な計算が必須であったことから紹介されている。)

    鎖国時代であったにもかかわらず、西洋数学に引けを取らない独自の発展を遂げた和算のことを知れば知るほど、その魅力に取りつかれてしまう。中でも「遊歴算家」と呼ばれる和算家たちが日本全国を歩き和算を広めていったことで、一般的な日本人の数学力が底上げされ、ひいては現代の科学技術大国の礎になっているという歴史のつながりを考えると、なんだか嬉しくなってゾクゾクするわ。

  • 系推薦図書 総合教育院
    【配架場所】図・3F開架 【請求記号】419.1||NA

  • 和算の天才たちがどんな数学を作ったのかなわからないのが残念。

  • 凄いよね!
    江戸時代の知的レベルの高さ‼

    遊びで高等数学やるなんて、かっちょいいぜ!!!!


    映画PRの前に読んじゃって、また先取りどすな‼

  • 『天地明察』を読んだところに、日経新聞の書評でオススメされていたので、読んでみた。江戸時代どのように日本の数学が発展してきたかがわかる。特に、『天地明察』の登場人物である渋川春海や関和孝の章は、興味深く読めた。それにしても、江戸時代日本でこれほど数学が発展したのも戦乱のない世の中になったからなのであろう。

  • ★3.5だが、今の日本人への激励的あとがきが気に入らなく★3つ。
    (このあとがきは正直言ってがっかりさせる。)
    すごく手軽で良質な読み物という感じ。
    逆に言えば、学者の書物に見られる怨念めいた主義主張は特に感じられないということ。

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江戸の天才数学者―世界を驚かせた和算家たち (新潮選書)の作品紹介

あの渋川春海はじつは策略家?捏造された関孝和伝説とは?8人の天才和算家の"実像"を描く歴史ノンフィクション。

江戸の天才数学者―世界を驚かせた和算家たち (新潮選書)はこんな本です

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