海図の世界史―「海上の道」が歴史を変えた (新潮選書)

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著者 : 宮崎正勝
  • 新潮社 (2012年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106037177

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海図の世界史―「海上の道」が歴史を変えた (新潮選書)の感想・レビュー・書評

  • 中学生(小学生?)の頃、「コロンブス、インドと間違え(現)西インド諸島を発見」を習ったとき正直「コロンブスwww着いたとこ全然違うwwwしかも気付いてないwwwバカじゃねーのwww」って98%くらいの人は思ったと思います。私も思い切りバカにした人間の一人です。しかもなんだか残虐だしね彼。
    けれどもやはり、当時の人には当時の人なりの論理的な考え方や合理性があって
    行動していたんだな、と非常に詳しく考察出来たので、この本との出会いに感謝感謝です。

    「世界」と言えば自分たちの生活圏でしかなかった時代からの地図(マッパ)からいかにヨーロッパ人の「世界」が広がっていったか、そこに海がどう関係していったか非常に詳しく理解できる本です。古代から中世、ポルトガル、スペイン、オランダ、英国、そしてついには米国へと海の上の覇権争いが描かれており特に古代、中世は感覚が現代のそれと乖離が激しいため面白いです。

    海と陸の割合は7:3だとか、陸地の形だとかを知っている現代の自分らが読んでいると、こんなことも昔の人は分っていなかったのか!とか、
    なんでそこに水路があると想像出来るんだろう(本当はないのに)・・・とか、
    毎回未知の島に黄金があると信じてがっかりしてるけど、いつ学習すんの?とか、色々驚きもあるのですが、緯度は分れど経度の分らない時代(ひぇ~)、
    海図片手にいつ島に出会えるのか、いつ食料が尽きるのかわからないのに夢とか
    自分の合理性とか一応の論理性を信じて新しい富のために命を懸けて
    船に乗って行かれた方々の人生ははただただ凄いなと思うばかりです。
    非常に面白い本でした。

  • 海図が精緻化して行く歴史をヨーロッパ中心に描く。

    新しい情報を誰が書き加えていき、どう更新されていったか。地図更新に伴う世界観の変化をもっと知りたくなる。

  • 地図の本は読まねば、ということで・・・
    地図はMapであるが、海図はChart。
    Chartは「二つ以上の対象の相互関係や変化の状態を図形的に表現したもの」と言う事でChartで示されるのは方位と距離である。海図の歴史は航路開発の歴史でもある。そして本格的な遠洋航海はこの方位と距離がいかに正確に測れるかという技術の進歩とともにあった。

    本書は、ヨーロッパの列強がアジアへの海路、新大陸への航路、そこから太平洋を越えて世界を繋ぐ航路の開発とその目的である交易そこから派生する植民政策の拡大の歴史を描いている。

    本書の欠点は図版が少ないことである。電子書籍だから図版を省略しているのかと思ったが、人様のレビューをみても判りにくいと言う意見が散見され、どうも書籍版の方にも図版はあまり無いようだ。地図を文章で説明されてもピントこないのである。

    面白いと思ったのは、古代ギリシャの時代から地球は丸いと言うことが天体観測の結果として判っていたと言う事である。いつの間に世界の果てでは水が瀧のように落ちているという世界観が出てきたのだろうか。

  • どうしても西洋史に偏りがちなのは仕方ないか、でも第二次大戦は宣戦したのはアメリカではないのでそこは訂正されたい。
    海図とともに世界観がどう形成され、世界が繫がり歴史が織り成されてきたかってとこで自分にとっては新しくて面白い視点だった。ギリシャ人のプトレマイオスの世界図、これが人々の世界観に影響を与え続けたこと。その中でポルトラーノになり開拓されていく海。大航海時代の探検。少ない誤差で大洋を渡るために生み出されたメルカトル図法。英海軍による世界の測量、そして海を通して繋がる世界。

  • SLBA選定図書 2012年度 第3期 Bセットから

    新大陸発見、産業革命、資本主義の誕生、世界大戦・・・
    世界史の陰にはいつも1枚の「海図」があった。
    海からの視点で描く新しい通史。

    分類 557/ミ

  • 【配置場所】工大選書フェア【請求記号】557.78||M【資料ID】91123498

  • 地中海・大西洋、インド洋、太平洋をそれぞれ第一、第二、第三の海として、ヨーロッパの航海者の行動範囲が時代とともに広がっていく様子を海という視点からまとめ上げた歴史書。
    膨大な資料に基づく興味深い逸話が数多く盛り込まれているにも関わらず、全体の構成がしっかりしていて散漫になることなく、最後まで興味深く読むことができた。
    西洋史の視点に偏っている点、著者の専門外と思われる現代の海図に関する記載がやや貧弱な点は気になった。

  • 世界最古~現代(GPS)に至るまで、水路誌・海図の歴史をカバー。さまざまな文明圏の商人、探検家、国家が、間違った水路誌・海図に騙されて超ヒドイ目にあわされながらも、これを訂正し相互接続して、世界の全体像を描き出してきた歴史が生き生きと描かれる。近代史好きでポルトガル・スペイン萌え、オランダ萌え、イギリス萌えの方にはオススメ。時空間情報系の方は、ソーシャルマッピングの歴史(原点)として楽しめる。

  • 本書は、航海や海運に関する歴史を概観しつつ、地理的な発見がどのように海図に反映され、各時代の人々の地理観・世界観がどのようなものだったかを明らかにしていく。古代についても丁寧に説明されているが、やはり、バスコ・ダ・ガマ、マゼラン、コロンブスなど大航海時代が中心になる。彼らが行った新たな航路や大陸の発見のほか、帆船時代に大洋を航行する方法であるモンスーンや偏西風を利用した航路についても詳しく記載されており、なかなか興味深かった。
    著者は、ユーラシア・アフリカとインド洋を「第一の世界」、南北アメリカと大西洋を「第二の世界」、太平洋を「第三の世界」と位置付け、この3つの世界が「海上の道路」により結び付けられる過程を描こうとし、従来の世界史については、第一の世界の歴史を中心に、南北アメリカ、サハラ以南のアフリカ、太平洋地域を付け足す傾向にあったとしている。ただ、本書が果たして著者の主張するような世界史として描けているかというと、疑問が残る。つまり、本書においても、第一の世界、特にヨーロッパ中心の歴史となっているように思われる。ただ、それは仕方がないのかもしれない。というのは、3つの世界の結び付きを主導したのは第一の世界の人間であり、アメリカ原住民が大西洋を渡ってヨーロッパに到来したわけではないという歴史的事実が存在するからである。
    それはさておき、領土を持つ「国」の興亡という観点からの世界史に慣らされた身には、海洋史は新鮮であった。

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海図の世界史―「海上の道」が歴史を変えた (新潮選書)の作品紹介

古来、地図には二種類あった。陸上で自分たちの知りうる範囲を描いた「マップ」、何もない海上での航海のために正確な経線・緯線を付した「チャート」。「チャート」すなわち海図を描くこととは、世界を俯瞰する試みでもあった。新大陸発見、産業革命、資本主義の誕生、世界大戦…海の視点から読みとくと、全く新たな通史が見えてくる。

海図の世界史―「海上の道」が歴史を変えた (新潮選書)はこんな本です

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