アメリカン・コミュニティ―国家と個人が交差する場所 (新潮選書)

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著者 : 渡辺靖
  • 新潮社 (2013年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106037252

アメリカン・コミュニティ―国家と個人が交差する場所 (新潮選書)の感想・レビュー・書評

  • 著者自身が実際に多種多様なコミュニティを実際に訪れ、そこで取材したもの。学術論文ではなくエッセイであるため、また、連載をまとめたものであるため、非常に読みやすい。ただし、典型的にイメージされるアメリカ像を相対化しているため、前提としてアメリカ社会について一定の理解がないと新鮮さや面白さを実感できないかもしれない。

  • 全米9つの地域の調査を通してアメリカのダイナミズムや多様性の本質を探った現代アメリカ論。

    読んでてアメリカは広いなぁと率直に思ったこと。

    ただなんで9つの地域だけなの?
    9つの地域はアメリカを代表するコミュニティーという理解でいいのかな?9つのコミュニティ類型がアメリカを形作っているという話でいいのか。
    でも、ユタ州のモルモン教とか、ウォール街の住人やワシントンにたむろするロビー団体、シリコンバレーなど他にもコミュニティがありそうに思うんだけど、なんで9つだけなのかはっきり書かれていないので、よくわからん。

    で、本書に紹介されている地域は、自給自足で生活しつつもグローバル化の波に乗るブルダホフ。
    草の根保守の牙城のメガチャーチ。
    典型的な街として描かれたアメリカの町マンシー。
    コミュニティ再生に取り組み再興したダドリーストリート。
    巨大ビジネスの寡占状態に太刀打ちできない巨大農場のティンバー。
    ディズニーが作り上げた人工都市セレブレーション。
    セキュリティが至上命題の閉鎖的なゲーデッド・コミュニティ。
    刑務所の町・ハンツビル。
    もうひとつの米国、アメリカン・サモア。


    多様な社会と営みがあるが、良くも悪くも影響を受けコミュニティを貫く論理は資本主義で、アメリカにおいて市場主義の論理から自由に生きることは相当難しい。資本主義をベースにした方向付けのなかでの「社会の多様性」という点が米国の特徴だそうです。


    さらに著者はその多様性やアメリカのダイナミズムの本質とは「アメリカとは〇〇である」という定義づけを常に拒む対抗言語(カウンター・ディスコース)が存在する点にあるという。この指摘は面白い。社会という振り子の揺れ幅の大きさ。揺れ幅の激しさが9つのコミュニティに表れている。
    これがアメリカに活力を生み出している。でもそれは同時にアメリカ社会の統合の難しさをも表している。

    それだけアメリカは広く、多様な人種が暮らし、様々な結社と地域社会がある。であるがゆえ社会統合が困難で、だから個人主義が徹底しその個を支えるコミュニティー(中間共同体ってやつ?)が求められる。
    そして社会をまとめる大きな物語(自由・平等・民主主義とか)を渇望する。
    なるほど。

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アメリカン・コミュニティ―国家と個人が交差する場所 (新潮選書)の作品紹介

アメリカをより深く理解するための鍵は、コミュニティにある――。強固な外壁に囲まれたロスの超高級住宅街、保守主義の牙城・アリゾナの巨大教会など9つの地域を丹念に調査。国家と個人をつなぎ、多様性を象徴するコミュニティこそが、アメリカ現代社会を映す鏡である。なぜこの国はダイナミックに変化し続けるのか、真の力の源泉とは何か――現代アメリカ論の新しい名著、装いを改め選書化。

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