金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書)

  • 340人登録
  • 3.81評価
    • (13)
    • (23)
    • (20)
    • (2)
    • (0)
  • 18レビュー
著者 : 板谷敏彦
  • 新潮社 (2013年5月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106037283

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
佐々木 圭一
ジャレド・ダイア...
トマ・ピケティ
有効な右矢印 無効な右矢印

金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書)の感想・レビュー・書評

  • 世界史の中で金融に関する話を抜き出した本。

    前半はお金の成り立ちから始まって中世、近代と流れる中で大きな出来事を取り上げてる内容。
    中盤で戦争と絡む部分は日本に関する話が多くなり、一般的な話と違った世界観を感じ、また、戦争と金融の密接な関係が描かれている。
    最終章は投資理論の展開となっており、複雑怪奇になった現代の金融の理論的背景の解説となっている。

    雑誌に連載、寄稿したものを基にしてるので、全体的に小話の集まりといった印象。
    小話として容量が膨らまない話は取り上げられていないようで前半部分は金融の世界史と言うには物足りないが、副題にもある通り戦争と株式市場を巡る話はかなり具体的に書かれててとても興味深かった。

  • まさに「お金で歴史は動く」がわかる良書

  • 13章以降、金融の基礎知識がないため挫折気味。しかし、前半の大航海時代などの話は胸踊る楽しさだった。金融の世界史

    世界史をお金の観点から考える本。自分自身来年から金融業界で働くことに決まったので、金融の起源に興味をもって読んだ。大航海時代が、いまでいうベンチャー投資のような時代であったという話が面白い。航海を志す人々が、資金力のある王家にプレゼンをして、資金援助をもらい、航海が成功した場合に香辛料などの売買で生まれた富を配当金として受け取るという仕組みであったという。コロンブスはインドへの計画を様々な王家にプレゼンテーションをして何とか資金援助を受けて航海に出ていった。そうした歴史的航海の数々がほんの5年ほどの間におこり、いわゆる大航海時代がスタートし、最終的に多くの植民地を持ちえたために産業革命に成功し、西洋がその後の世界の覇権を握るという流れがある。ここで面白いのが、当時の中国において鄭和の大船団がアフリカまで到達していたということ。そしてその船というのが当時の西洋とは比べ物にならないほどの技術力と規模を誇っていたという事実。しかし、結果としてモンゴル帝国の拡大による国防費の増大により、鄭和の航海計画は志半ばとなった。筆者は東西の権力の在り方について語り、東洋はおうおうにして意思決定機関がとても限定されていて、統率力がある反面、一人のトップの判断で歴史が変わってしまう。一方西洋は、意思決定機関が複数あり、コロンブスの様なベンチャー青年がほかに断られても結果的に航海に繰り出せるという点で、統率力こそないが一か八かで大発見や大成功が起こるという見解を述べている。歴史にIFは禁物というが、鄭和の大艦隊が喜望峰を回り、ヨーロッパ、さらには大西洋を渡りアメリカ大陸まで到達していたらと思うと、なんだか面白い。その他、歴史的事件をお金の側面から描く本作は、歴史好きにとってはとても面白い読み物だろう。ただ、自分は金融に関する用語や経済学について無知であったゆえに現代になるにつれて理解度が加速度的に低下してしまったのが悲しい。いずれ読み直した時には、現代の金融史を楽しめるようになりたい。

  • 金融の歴史を概観。全体の流れがあるというよりは細かいトピックに分けているので気楽に読める。金融関係者であればどこかで聞いたことのある話でサクサク進む。

  • 金融とは何か。デフレ、インフレ、バブルが繰り返される。人間の欲が生んだ悪弊か、叡智の営みか。金融を考えるきっかけになる。

  • 時間切れ 借りたのは2回目か 大阪の先物の歴史も

  • この分野は特に巷に乱雑な本が溢れているので、日本人の書いたものを読もうという気はあまりしていなかった。しかし、これはなかなかよい本で、脱線しない程度によく調べてあるという印象を受けた。
    どの本からの引用かというのがわかりやすいので、概要を掴むのに良い。特に国内の事象については海外の本だとあまり言及がないので、そういう意味でも理解が深まってよかった。

  • ◼︎2014/08/17 読了
    ◼︎金融に関する歴史を概観できる。
    ◼︎特に55話以降は現在にもつながる歴史であり、読み応え十分。

  • メソポタミアで農耕が始まった頃に原始的な徴税のしくみが生まれた。穀物の再分配のためには記録が必要になりシュメールの粘度板には在庫管理だけでなく不動産取引も記録され所有権移転のしくみがあった。ハムラビ法典には銀や穀物の貸し借りに対する利子の規則が定められている。ちなみにまだ貨幣は発明されていない。小麦であれば順調にいけば1年後には当時のメソポタミアでは20倍以上に増える。1年後の小麦が貸した方から借りた方に移転していると考えれば返す時には量を増やして返すのは当然のように思える。これが利子の発明だったのかもしれないのだ。

    コインの発明は金、銀を一定の比率で同じ重さに切り分けたものから。原料費と額面の差額が発行者の利益になった。紙幣の場合は素材には価値が無く信用が元になっている。宋の時代には手形が発達しこの証書が貨幣の変わりとして使われたことから紙幣が使われる下地になった。政権の権威が凋落すると紙幣は流通できなくなり金貨や銀貨が復活する。ミクロネシアで使われた大きな石の貨幣も信用が元になっており現物の引き渡しは無くてもよかった。有る時には先祖が削りだした石を持ち帰る時に船ごと沈没したが証言者がいたため貨幣として認められた例もあるらしい。島に来たドイツ人は石にX印をつけ返して欲しければ道路整備のために働けと脅した。島民は破産を怖れて一生懸命働いたそうだ。道路完成後にはX印は消され島民は金を取り戻した。笑い話の様だが同じことは先進国でも起こっている。大恐慌の直後にフランスはニューヨーク連銀にある手持ちのドルを金に換えた。金本位制の停止を怖れたのだが金はそのまま連銀に預けて帰った。ラベルを張り替えただけなので石にX印をつけるのと変わらない。アメリカでは金が国外に流出していると騒ぎになった。

    金融派生商品デリバティブの歴史も古い。世界最初のオプション取引はギリシャ時代にアリストテレスから世界初の哲学者と紹介されたタレスがやったものだ。タレスはある年のオリーブが豊作だと予測しあらかじめオリーブオイルの搾油機の使用権を買い占めた。予定通り豊作になるとタレスは搾油機の権利を売り大もうけした。手付金をオプション料と考えればいろんなものが取引できる。

    銀行、為替、株式、保険などいろいろなものが大きく発展を始めたのは大航海時代からだ。複式簿記、減価償却などもこのころにはできて来ている。グーテンベルクの印刷機は書類の偽造を困難にしヴェネチアに銀行が生まれた。それまでも現物の貨幣の両替は行われていたが、帳簿と手形だけで決済や資金の移動ができるようになったのだ。一方で信用の創造は17世紀のロンドン、預かった金に対する預かり証が貨幣の代わりに使われ、ゴールドスミス(金の保管業者)は預かった金以上の貸し出しが可能なことに気づいた。新大陸で発見された大量の銀はメキシコ・ドルとして世界中で流通した。イギリスの海賊フランシス・ドレイクがペルーからパナマ経由で大量の銀を持ち帰り次いで太平洋横断から世界1周公開を企画した。これに投資したエリザベス1世は大儲けし対外債務を全て返済しさらに余った金で東部地中海のイスラエル辺りを開発するレヴァント会社に出資した。この会社が儲けた金で作られたのが東インド会社だ。東インド会社を首になった中には有名な海賊ジャック・スパローもいる。イギリスの東インド会社は1航海1事業とした特許会社で出資者が無限責任を持つ共同事業体だった。これに対してオランダの東インド会社は出資者の責任は出資金の範囲の有限責任であり、21年間の全ての航海を一つの事業とした。また株式は誰でも買える近代的な株式会社でアムステルダム証券取引所で株の取引が行われた。

    国債の誕生はイギリスの名誉革命から。それまでは戦費を国王の個人的な借金でまかない、たびたびデフォルトした... 続きを読む

  • 文字の成り立ちからリーマン・ショックまで。金融に関する歴史書。

  • 金融マン必読。
    本のタイトル通り「金融の世界史」について非常に具体的かつ分かりやすく書かれている良書。

    短期的な証券マン思考を改めるには、このような「金融史」を学ぶ方が良いと思う。

    日々の株価推移、為替推移などのチャートのみを追うだけでは、歴史の一部分を切り取ってみているに過ぎず、なぜ現在の金融経済の世界が出来上がっているのか?という連続性を改めて認識できる本。

  • 金融の世界史的イベントと発展について、シンプルにエピソードを積み重ねる形で記述している。著者はヘッジファンドマネージャーのようだが、特にバイアスのかかった感じがないのがこの手の本では珍しい。
    イギリスの海賊の略奪が民間資本の蓄積に貢献した、ジョン・ローは私腹を肥やさなかった、アムステルダムの東インド会社証券を取引するための都市引き所はロンドンに先駆けること170年前だった、ロンバード街はイタリアのロンバルディア出身のものが多かったから、名誉革命から債券は国王ではなく議会により発行が決議された、
    など。

  • 金融の観点から書かれた世界史の通史です。金融にかかわる部分については、当然、日本に関する記述もあります。古代において貨幣の考え方がすでに出来上がっていたのも興味深かったのですが、株式会社が歴史に登場してきた大航海時代辺りの解説が一番面白かったです。

    イギリスがまだ新興国だった時代、スペインから独立したばかりのオランダが実力をつけて、アムステルダムとロンドンの関係が、ニューヨークと上海・インド辺りの関係だったころのイメージが私の中ではダブりました。江戸幕府がオランダとのみ交易したのは、つい最近までアメリカとメインに貿易していたのと重なりますね。

    国債や紙幣がなぜ発行されてきたか、その背景には多くの商人が発行元である王様を信じていて裏切られて破産した歴史があることもおぼろげながら分かりました。

    今起きていることには、必ず背景があることは、どの世界でも同じなのだなという思いを強くした本でした。

    以下は気になったポイントです。

    ・戦国時代を描いた歴史小説で出てくる銭1貫は、銭1000枚のこと(p38)

    ・フランスはNY連銀に預かってもらっている手持ち資金(ゴールド)を売却したが、実際には移送することなく、保管してあったゴールドの一部を別の棚に移し替えた(ラベルの付け替え)のみ(p42)

    ・中世の地中海交易では、コショウと並んで奴隷が主要製品、奴隷貿易は1807年にイギリスが最初に禁止、1863年にオランダが最後に禁止にするまで続けられた。キリスト教では「肉体を束縛することは精神の救済に役立つ」と折り合いをつけた(p55)

    ・ユダヤ教でも「外国人からは利息を取っても良いが、同胞からはいけない」と旧約聖書にある(p55)

    ・アラビア数字は、数学者の間ではセンセーションとなったが、金融分野ではなかなか使用されなかった、アラビア数字は改竄されやすかった、グーテンベルクが印刷金を発明(1445頃)して活字ができてから(p62)

    ・1672年に英国王チャールズは債務不履行をおこし、債務を引き受けた金匠は破綻した、しかし国債引受に参加できなかった小規模な業者は公証人銀行とともに生き残り、個人向け銀行の母体となった(p70)

    ・胡椒が腐った肉に使われたというのは間違い、コショウを買える身分の高い人は腐った肉は食べない、あくまで肉を美味しくする調味料、おいしさへの欲求が胡椒貿易へのこだわりを生んだ(p71)

    ・大航海時代に先立つ鄭和の大船団が7度、インド洋を横断したのはスケールが大きい、137メートルの巨漢を中心に62隻、乗組員2.78万人、コロンブスサンタマリア号は18メートル、ペリー旗艦で78メートル、この事業を止めたのは、万里の長城建設のため(p75)

    ・スペイン人コルテスが600人でアステカ王国を滅亡させたか、いろいろ理由はあるが、持ち込んだ伝染病が先住民を壊滅させたことによる、1500年に5000万人いた人口(移住した欧州人含む)が、1650年には400万人になった(p76)

    ・イギリスは重商主義(金や銀貨の海外流出を制限)だったので、当時のアメリカではポンド通貨は不足してため、メキシコドルが広く使われた(p80)

    ・12世紀に設立されたコーポレーション・オブ・ロンドンは、シティの4分の1の土地を所有、なので、ロンドンには、自治体首長の大ロンドン市長と、その会社の「ロンドン市長」がいる(p91)

    ・イギリスの東インド会社は、後のインド植民地経営によって存在感が大きくなるが、当初では、オランダン東インド会社の10分の1の規模(p94)

    ・1600年頃の一人当たり実質GDPは、オランダ:2175、イギリス:1440、最強のスペイン:1370、ポルトガル:1175... 続きを読む

  • 最初のほうは
    お金や金融商品のなりたちが描かれ
    また読みやすくておもしろかったが
    徐々にわからなくなっていって
    自分に残念

    きちんと読めると面白いだろうと
    思える本

  • 科学力や技術力は一見すると進化したように見えるが、貨幣という概念を生み出して数千年、モノの価値を測るモノサシを得た代償として、その次元に拘束されてしまい、退化の一途を辿っているようにも感じる。この次元から超越することを考えていかないといけないな。

  • 経済に全く疎い自分でも、一応金融史を俯瞰することができた。

    先のことはわからないということですね。

  • 初級者、中級者には大変分かりやすく、面白く読める本だと思います。いたずらに、大仰な言葉で読者を脅したりすることはなく、実はそれでいて、金融の大変な危険性、リスクを冷静に説明してくれる好著です。

  • 金融の世界ほど歴史を知ることが重要な分野は少ない。大まかに歴史は分かったものの、もう一歩踏み込んで知りたかった。

全18件中 1 - 18件を表示

金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書)を本棚に「積読」で登録しているひと

金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書)の作品紹介

金融の歴史とは、お金に変えた人間の欲望か、それとも叡智の足跡か――シュメール人が発明した文字は貸借記録の必要に迫られたものだった。ルネサンス期に生まれた銀行・保険業と大航海時代は自由な金融市場をもたらし、国家間の戦争は株式・債券の基を創った。そして今日、進化したはずの国際市場では相変らずデフレ・インフレ・バブルが繰り返される……人間の営みとしての「金融」を通史として俯瞰する試み。

金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書)はこんな本です

金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書)のKindle版

ツイートする